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第1章

タイトルってネタバレになりかねないし…本気で何を書いたらいいんだ……?

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「お?大当たりだね」
一香は自分の予想が当たったことが嬉しいのかニコニコしている。
しかし相手側からすればその笑顔は恐怖感を煽るものだった。
「……イチカ殿はあたしの敵か?味方か?」
「ん?あぁ、それって大事だよね。……ま、当然味方だよ」
「その根拠は」
「命の恩人だし?あれ?でも俺殺されかけたのか。まぁいいや、少なくとも俺は美少女の味方だ」
一香はベッドの横に置かれていた自分の剣を取りその部屋から出ていこうとする。
しかしそれを一本の剣が阻む。
その剣の持ち主はリズだった。
「散々私をバカにしておいて逃げるですか。気持ちの悪い手で触りやがってッ!!」
一香は「その線もあったのか。忘れてた」と言ってその剣を無視して普通に通る。
剣が一香に触れた瞬間、ボロボロと灰のようなものになって崩れていく。
「なッ!?」
「いや~……申し訳ないけど今一文無しで。だから弁償は俺の命を奪おうとしたことを許すってことでいいか?」
ニコッと笑う一香にリズは即座に近づきナイフを突き立てる。
そしてそのまま突き刺すはずだった。
しかしナイフも剣と同じくボロボロと崩れていく。
「何者だ!!」とアルが叫ぶ。
「えっと……覇王なのかな?多分」
「……覇王?」
「うん。それじゃあ、また。あ、それとリズたん」
ボロボロになった剣とナイフの亡骸を見つめていたリズは顔を上げる。
「いつかまた会ったらその時は昔の話とかしてあげるよ。だから触っちゃってごめんな?ねちっこい俺はきっと許してくれるまで謝り続けるから、今のうちに許しておくのがいいと思う。あ、なんか上から目線でごめんね」とそう言い残して一香は屋敷を後にした。
驚くことに一香はその後階段を降りたり玄関を開ける動作が面倒だったため、窓から飛び降りた。
当然凄まじい音を立てて地面に衝突をする。それでも傷はついていなかったが。
「……不思議な人だ」
「……ですね。アルファイン様」
「ことごとく私のことやリズのことを見破り……」
「というかアルファイン様。命令とはいえ酷いです。私がイチカ様に嫌われたらどうするんですか」
「……その心配はない。あいつはその程度で人を嫌いになったりしないやつだ。まぁ、またいつか会えればの話だが——」
すると何かが窓から這い上がってきた。
「あの。かっこよく去ったまでは良かったんですけど行く当てがないんで……少し泊まらせてもらってもいいですか?」
——その後アルは珍しく笑った。そして泊まることを許可した。リズも先ほどのことを何度も謝った。
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