帝国防衛軍 復活-1950-

突撃隊長

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本編(戦争中期)

第22話:対馬海峡掃討作戦3

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駆逐艦「雪風」
ズシィーン
雪風を衝撃が襲った。
「被害確認!」
「魚雷は、魚雷はどうしたっ?」
「分かりません!」
やっとこさ立ち上がった手名の元で、電話がなる。
「こちら艦橋。」
「機関室です、壁に亀裂が入りました。少しずつ浸水が始まっています!」
「わかった、ダメコンチームを向かわせる。」
「はっ。」
手名は振り返って艦橋内を一度見て、大丈夫だと確認し、声を上げる。
「ダメコン及び被害確認を優先しろ!」
額に汗を浮かべながら、救命胴衣を着てキツそうにしながら、副長も提案する。
「空からの支援を要請したらどうでしょう。」
「そうだ、すっかり忘れてた。よし、航空支援を要請しろ。」
「魚雷を確認、本艦の三時方向に通り抜けていきます。」
「よし。」
艦体後部の浅深度で爆雷が爆発したため、近くを通った魚雷の針路を変えることに成功した。しかし、その代償としてスクリューと機関に損害を生じた。
手名は冷や汗を感じながらも、それを顔に出さまいと努力した。
「機関室以外に損傷は?」
「スクリュー1軸に損傷、巡航タービンで12ノットに落ちます。」
「うむ…」
「残燃料は?」
手名は副長に尋ねる。
副長は近くにあった紙を取り上げ、読み上げる。
「分かった。高速タービンに切り替え、第二戦速まで増速せよ。」
「はっ。」
艦橋の右側の方にいた士官が、返事をしてその横にあったベルのヒモを引っ張る。
チン!
短い音がなり、機関室まで増速の指示が伝わる。間もなくすると、雪風は更に波を立てて進むようになった。
「周囲に潜水艦は!?」
手名が声を上げる。
「スクリュー音、1無いし2を確認!」
「近い方は?」
「方位072、距離800。」
「針路を080へ。」
「針路080、よーそろ。」
「もう一隻の潜水艦は?」
「同方向の更に奥側です。」
「よし、ヘッジホッグと後部爆雷どっちも戦闘準備だ。」
「はっ。」
「艦長、ヘッジホッグの残弾は両発射機とも残り一斉射分です。」
手名は唸った。ヘッジホッグは24発の爆雷を一斉投下し、1発が爆発すると全てが連鎖的に爆発するという大きな利点はあったが、その分、一斉射での弾薬消費量は多く、雪風のように後付けでヘッジホッグを搭載した艦は、爆雷の搭載量が少ないのだ。
「分かった。一発で決めてやる。」
「はっ!全力を尽くします!」
答えた砲術長はニヤリと笑って答礼した。
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