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終章
90話 反転世界
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フェンリィとのわだかまりは解消された。
その顔は雲一つかかっていないお日様みたいでより一層輝きを放っている。
「えへへ~。ルーナ、お手手繋いであげましょうか?」
「な、何よ急に。少しは静かになったと思ってたのに」
「恥ずかしいんですかぁ? あれれ、メメちゃんはどうして私から逃げるんです?」
フェンリィが空気をくすぐるように指をくねくねさせた。
にこーっと微笑むフェンリィを見て、メメはルーナの後ろに隠れる。
「ルナちゃん助けてぇ。り、リィちゃん。メメは玩具じゃないよ?」
「大丈夫ですよ。さすがに温泉みたいなことはしません」
「ぴぃぃ!」
メメは自分の身体を抱きしめると甲高い声をあげた。
ルーナからも離れると今度は俺にしがみついてくる。
「た、助けてリっくん。メメ、食べられちゃう」
「ちょ、メメ!? あれは遊んでただけでしょ! 勘違いしないで! 私はそんな子じゃないから!」
「あれが、あそび……うぅぅ、怖いよぉ」
「あ、私は敵じゃないわよ? むしろ被害者だから……ね?」
「え~、ルーナもノリノリだったじゃないですか。二人ともピュアで可愛かったですよ」
「あ、アンタに乗せられただけよ! もう忘れてってばぁ!」
よく分からないが色々あったんだろう。
温泉か。俺も入ったような気がするが記憶が曖昧だ。
三人とも今まで以上に仲が深まっていて姉妹のじゃれ合いを見ているようだ。ギスギスしてるより全然いい。
「はい、遊ぶのは終わりな。そろそろ行くぞ」
フェンリィが二人を抱きしめて乳繰り合いを始めたところで俺は止めに入った。意外とメメも満更でもなさそうな顔してるから不思議な子たちだ。
まあいい。
俺たちは今から妖精の森を出立する。
ずっとこうしてワイワイしていたいがまだ全部は終わっていない。
「メメ様。行ってらっしゃいませ」
町を出ようとすると妖精族が見送ってくれた。
総勢100は超えているだろうか。
膝をついて頭を下げている。
「うん、行ってくるね」
そんな群衆にメメは嫌な顔一つせず手を振った。
全て無かったことになどできない。
それでも今こうしてメメを認める現実が目の前にある。
それらを背にして、俺たちは妖精の森を後にした。
◇◆◇◆◇◆
妖精の森は地下にある。
そのため来た時と同じようにエレベーターに乗って地上に出る必要がある。
「みんな忘れ物ないよね?」
メメが確認を取り、全員首を横に振った。
するとメメが何か唱えて起動する。
窓が付いていないが高速で上っていくのがよく分かった。
「ジェットコースターしたかったです」
帰りは上昇するだけのためアトラクション要素は少ない。
フェンリィは落ち込んでいるようだが、その隣でルーナはホッとしているようだった。
そしてあっという間に停止。
地上に着いた合図だ。
「よし、ついたか。数日しかいなかったのに久しぶりに感じるな」
妖精の森も空や太陽が再現されていたため地下という認識は薄かった。
それでも濃い数日を過ごしたのも相まって地上の空気が若干恋しくなっている。
少し期待するような軽い足でエレベーターから降りるとそこには、
「へ…………?」
目の前の光景に目がたじろいだ。
最初に降りた俺が立ち止まったせいで後がつかえる。
「リクト様? どうかしましたか?」
その不審がる声は耳に入ってこなかった。
俺が重くなってしまった足を三歩だけ前に出したことで、三人もその光景を目の当たりにする。
「なんですか……これ」
「どういうことよ」
「夢じゃ、ないんだよね?」
三人は信じられないと俺に答えを求めてきた。
だが俺にだって分からない。
なぜ辺り一面に炎が広がっているんだ。
「メメ。ここ、森だったよな?」
「うん、来た時と同じ場所だよ」
別の場所に出てしまった訳ではないようだ。
事実を確認してしまったことで目の前の惨状が現実として受け入れられた。悪い予感を全身で感じ、焦燥が込み上げてくる気分になった。
「一体どうして……」
数日前まで自然豊かな森が広がっていた。
迷いの森と呼ばれるほど生い茂っていて俺たちも訪れた時は迷ったほどだ。
それがどうだ。
今目の前には緑がない。
一面の赤が周りを囲んでいる。
火が海のように森を飲み込んでいたのだ。
「あっつ……もしかして、ここ以外も?」
ルーナが服をぱたぱた仰いで言う。
「考えたくないが可能性はあるな」
ついに魔王が動き出したのだろうか。
とりあえずここにいても謎は深まる一方。
それにこのままでは俺たちも灰になる。
「メメ、頼めるか?」
「うん! みんな近づいて!」
側に集まり、俺がメメの手に触れる。
メメはイメージできる場所へのみ移動可能なため、こうすることで俺の記憶をメメに読んでもらっている。
「ここに飛べばいいの?」
「ああ、頼む」
「わかった。≪瞬間移動≫!」
***
「どういうことだ」
ワープ先はミスウェンという街。
ルーナの一族であるアストレシア家が統治する街で、少し前には魔王軍に責められたところを救った場所だ。
しかし、
「リクト様、聞こえませんよ。誰もいないんです」
フェンリィが震えた声で教えてくれた。
目の前には崩壊した街。ここがつい最近まで街だったと言われても信じられないくらい荒廃した世界が広がっていた。建物は崩れ、黒い煙があちこちから上がっている。
「いない? 死んだじゃなくてか?」
これだけの惨状だ。
何人死んでてもおかしくないが。
「はい、いないんです。死んだ人の臭いもしません」
「ほんとなのフェンリィ? じゃあ誰も死んでないってこと?」
「わかりません。でもここにはいないです」
「兄さま……」
ここには冒険者もたくさんいた。
そしてルーナの兄であるルーイは相当な実力者だ。
彼の安否も心配だし彼ほどの実力者がいてこの有様とは、一体何が起きたのか想像もつかない。
「大丈夫だルーナ。何とかしよう」
「そうね。次はどこ行くの?」
「隣だな。メメ、また頼む。キツイか?」
「ううん、平気だよ ── ≪瞬間移動≫!」
***
移動先はセンテガンドという街。
俺が最初に追放された地だ。
しかし懐かしい気持ちは微塵も湧いてこない。
ミスウェン同様、街だった面影はどこにもなかった。
「悪い予感が当たったな」
「ですね。耳が潰れそうです」
「ほんと、なんでこんなこと……」
「許せないね」
そこは戦場と化していた。
人と人の殺し合い。
自我を失い、獣のように人々が剣を振るっていた。
小さい子どもに老人、男女も関係なく戦っていた。
正に地獄絵図。
鼻孔を抜ける死臭には吐き気がした。
血が飛び交い、悲鳴と怒号が響き渡る。
そんな狂った世界だった。
「ふざけやがって……」
犯人なんてわかりきっている。
魔王軍以外ありえない。
「みんな、止めるぞ!」
「はい!」「ええ!」「うん!」
全員に能力を施して戦闘モードに移行する。
四天王を倒してすぐの連戦。
少しだけ休んだが完全に疲労が取れたわけではない。
だが誰も疲れを口にすることはなかった。
戦場では既に人々が殺し合いを始めている。
空は黒く染まり、捻じ曲がった空間からは魔王軍が大量に投入された。
時が進むごとに一つまた一つと命が尽きる世界。
平和とは対極の血みどろの世界。
生きるか死ぬか。弱肉強食の世界。
その日、世界は反転した──
その顔は雲一つかかっていないお日様みたいでより一層輝きを放っている。
「えへへ~。ルーナ、お手手繋いであげましょうか?」
「な、何よ急に。少しは静かになったと思ってたのに」
「恥ずかしいんですかぁ? あれれ、メメちゃんはどうして私から逃げるんです?」
フェンリィが空気をくすぐるように指をくねくねさせた。
にこーっと微笑むフェンリィを見て、メメはルーナの後ろに隠れる。
「ルナちゃん助けてぇ。り、リィちゃん。メメは玩具じゃないよ?」
「大丈夫ですよ。さすがに温泉みたいなことはしません」
「ぴぃぃ!」
メメは自分の身体を抱きしめると甲高い声をあげた。
ルーナからも離れると今度は俺にしがみついてくる。
「た、助けてリっくん。メメ、食べられちゃう」
「ちょ、メメ!? あれは遊んでただけでしょ! 勘違いしないで! 私はそんな子じゃないから!」
「あれが、あそび……うぅぅ、怖いよぉ」
「あ、私は敵じゃないわよ? むしろ被害者だから……ね?」
「え~、ルーナもノリノリだったじゃないですか。二人ともピュアで可愛かったですよ」
「あ、アンタに乗せられただけよ! もう忘れてってばぁ!」
よく分からないが色々あったんだろう。
温泉か。俺も入ったような気がするが記憶が曖昧だ。
三人とも今まで以上に仲が深まっていて姉妹のじゃれ合いを見ているようだ。ギスギスしてるより全然いい。
「はい、遊ぶのは終わりな。そろそろ行くぞ」
フェンリィが二人を抱きしめて乳繰り合いを始めたところで俺は止めに入った。意外とメメも満更でもなさそうな顔してるから不思議な子たちだ。
まあいい。
俺たちは今から妖精の森を出立する。
ずっとこうしてワイワイしていたいがまだ全部は終わっていない。
「メメ様。行ってらっしゃいませ」
町を出ようとすると妖精族が見送ってくれた。
総勢100は超えているだろうか。
膝をついて頭を下げている。
「うん、行ってくるね」
そんな群衆にメメは嫌な顔一つせず手を振った。
全て無かったことになどできない。
それでも今こうしてメメを認める現実が目の前にある。
それらを背にして、俺たちは妖精の森を後にした。
◇◆◇◆◇◆
妖精の森は地下にある。
そのため来た時と同じようにエレベーターに乗って地上に出る必要がある。
「みんな忘れ物ないよね?」
メメが確認を取り、全員首を横に振った。
するとメメが何か唱えて起動する。
窓が付いていないが高速で上っていくのがよく分かった。
「ジェットコースターしたかったです」
帰りは上昇するだけのためアトラクション要素は少ない。
フェンリィは落ち込んでいるようだが、その隣でルーナはホッとしているようだった。
そしてあっという間に停止。
地上に着いた合図だ。
「よし、ついたか。数日しかいなかったのに久しぶりに感じるな」
妖精の森も空や太陽が再現されていたため地下という認識は薄かった。
それでも濃い数日を過ごしたのも相まって地上の空気が若干恋しくなっている。
少し期待するような軽い足でエレベーターから降りるとそこには、
「へ…………?」
目の前の光景に目がたじろいだ。
最初に降りた俺が立ち止まったせいで後がつかえる。
「リクト様? どうかしましたか?」
その不審がる声は耳に入ってこなかった。
俺が重くなってしまった足を三歩だけ前に出したことで、三人もその光景を目の当たりにする。
「なんですか……これ」
「どういうことよ」
「夢じゃ、ないんだよね?」
三人は信じられないと俺に答えを求めてきた。
だが俺にだって分からない。
なぜ辺り一面に炎が広がっているんだ。
「メメ。ここ、森だったよな?」
「うん、来た時と同じ場所だよ」
別の場所に出てしまった訳ではないようだ。
事実を確認してしまったことで目の前の惨状が現実として受け入れられた。悪い予感を全身で感じ、焦燥が込み上げてくる気分になった。
「一体どうして……」
数日前まで自然豊かな森が広がっていた。
迷いの森と呼ばれるほど生い茂っていて俺たちも訪れた時は迷ったほどだ。
それがどうだ。
今目の前には緑がない。
一面の赤が周りを囲んでいる。
火が海のように森を飲み込んでいたのだ。
「あっつ……もしかして、ここ以外も?」
ルーナが服をぱたぱた仰いで言う。
「考えたくないが可能性はあるな」
ついに魔王が動き出したのだろうか。
とりあえずここにいても謎は深まる一方。
それにこのままでは俺たちも灰になる。
「メメ、頼めるか?」
「うん! みんな近づいて!」
側に集まり、俺がメメの手に触れる。
メメはイメージできる場所へのみ移動可能なため、こうすることで俺の記憶をメメに読んでもらっている。
「ここに飛べばいいの?」
「ああ、頼む」
「わかった。≪瞬間移動≫!」
***
「どういうことだ」
ワープ先はミスウェンという街。
ルーナの一族であるアストレシア家が統治する街で、少し前には魔王軍に責められたところを救った場所だ。
しかし、
「リクト様、聞こえませんよ。誰もいないんです」
フェンリィが震えた声で教えてくれた。
目の前には崩壊した街。ここがつい最近まで街だったと言われても信じられないくらい荒廃した世界が広がっていた。建物は崩れ、黒い煙があちこちから上がっている。
「いない? 死んだじゃなくてか?」
これだけの惨状だ。
何人死んでてもおかしくないが。
「はい、いないんです。死んだ人の臭いもしません」
「ほんとなのフェンリィ? じゃあ誰も死んでないってこと?」
「わかりません。でもここにはいないです」
「兄さま……」
ここには冒険者もたくさんいた。
そしてルーナの兄であるルーイは相当な実力者だ。
彼の安否も心配だし彼ほどの実力者がいてこの有様とは、一体何が起きたのか想像もつかない。
「大丈夫だルーナ。何とかしよう」
「そうね。次はどこ行くの?」
「隣だな。メメ、また頼む。キツイか?」
「ううん、平気だよ ── ≪瞬間移動≫!」
***
移動先はセンテガンドという街。
俺が最初に追放された地だ。
しかし懐かしい気持ちは微塵も湧いてこない。
ミスウェン同様、街だった面影はどこにもなかった。
「悪い予感が当たったな」
「ですね。耳が潰れそうです」
「ほんと、なんでこんなこと……」
「許せないね」
そこは戦場と化していた。
人と人の殺し合い。
自我を失い、獣のように人々が剣を振るっていた。
小さい子どもに老人、男女も関係なく戦っていた。
正に地獄絵図。
鼻孔を抜ける死臭には吐き気がした。
血が飛び交い、悲鳴と怒号が響き渡る。
そんな狂った世界だった。
「ふざけやがって……」
犯人なんてわかりきっている。
魔王軍以外ありえない。
「みんな、止めるぞ!」
「はい!」「ええ!」「うん!」
全員に能力を施して戦闘モードに移行する。
四天王を倒してすぐの連戦。
少しだけ休んだが完全に疲労が取れたわけではない。
だが誰も疲れを口にすることはなかった。
戦場では既に人々が殺し合いを始めている。
空は黒く染まり、捻じ曲がった空間からは魔王軍が大量に投入された。
時が進むごとに一つまた一つと命が尽きる世界。
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