63 / 100
3章
62話 開戦
しおりを挟む
メメのことを知っているケットシーの爺さんに話を聞いた。
語る姿は自分を責めているようで、メメのことを本気で想っているのが伝わってくる。
「この森には現在頭首が不在です。100年前に起きた事件により、当時の頭首であったメメ様のお母様が亡くなられました。本来ではメメ様が引き継ぐのですが森から逃げてしまい、ここ数年……といっても数十年の間行方を眩ませていました」
つい昨日起きた出来事のように語り出す。
話を早く進めるためフェンリィとルーナは黙って聞いている。
俺も質問は最低限にとどめておいた。
「メメ様の話をするなら100年前の事件を語る必要がございます。あの日、メメ様は──」
・
・
・
「──というわけでして、メメ様を嫌っている者は少なくないです」
要点だけ掻い摘んでの説明だったが大体把握した。
ほとんど時間はロスしていない。
「なるほど。じゃあやっぱりメメは何も悪くないですね」
「はい。やり場のない怒りを全てメメ様にぶつけているだけです。わたしにもっと力があればよかったのですが守るどころか一人にさせてしまいました。メメ様の側近失格です」
話を聞いたところ、事件後メメは心を閉ざしてしまった。
最初はメメを責める声も少なかったが徐々にエスカレートしていったらしい。
周りが敵だらけで精神的に耐えられなくなった結果、自らこの町を離れたのだ。
「他の連中はメメを捕まえてどうするつもりですか?」
「おそらくですが……新たな母体にするつもりでしょう。メメ様は戦闘には長けていませんが先代の血を引いています。そのためメメ様には価値が無くとも次に生まれてくる子に期待する輩が多いのです。ですから殺される心配だけはございません。わたしはそんなことさせたくありませんが……」
種族に関係なくそういうことを考える奴はいるらしい。
妖精族の掟とか事情とかはよく知らないがメメが道具にされようとしているのは確かだ。望まないあの子にそんなことさせない。
「なら、そんな重要な役目になるかもしれないメメをどうして周りは虐めるんですか?」
子を産ませることが目的ならもっと丁重に扱うべきだろう。
矛盾している。
「それは今日祭りがあるからです。100年に1度、花の咲く季節になると『力』を持った子が突然誕生すると言われています。精霊の力が赤子に宿るのです。ですから、メメ様は次期頭首候補の一人だったということになります」
つまりメメの体は保険ってことか。
妖精族は基本的に戦闘能力に秀でた者が多いと聞くが、それは『力』を引き継いでいるからだと言う。100年に1度生まれる赤子と、その赤子が成長して産んだ子どもには『力』が宿るのだ。
そして、その中でも突出した才能の持ち主が妖精族を束ねる長になる。そうやって切磋琢磨することで種族全体の力を高めてきたらしい。
しかし、100年前の事件によりメメの両親を含め、他の『力』を持った候補者たちも一人残らず死んでしまった。そのため今では『力』を持たずに生まれてきてしまったメメしかいない。
「話聞かせてくれてありがとうございました。二人とも、行くぞ」
「すぐ行きましょう。まだメメちゃんの笑顔を見てません」
「そうね。一人じゃないって教えてあげるわ」
いつも以上にやる気を感じる。
頼りになる仲間たちだ。
「メメの行き先に心当たりはありますか?」
「そうですね……。ご両親のお墓かメメ様のご実家だと思われます」
「わかりました。じゃあ俺たちはお墓の方を探してきます」
「頼みました。メメ様をお願いいたします」
場所の詳細を聞いて動き出す。
急ごう。
何となくそうしなければいけない気がした。
なぜか嫌な予感が心の底で渦巻いたのだ。
デジャヴというか、悪寒というか。
直感的に何かが起きる気配がした。
こういう時、悪い予感は不思議と当たる。
「≪反転≫」
だから手遅れになる前にフェンリィとルーナに能力をかけた。
次の瞬間、
「なによ、あれ……?」
空間がゆがんだ。
青かったはずの空は黒く闇に染まっていく。
高密度の魔力が周囲を満たし、空間に裂け目がいくつもできた。
それを見たフェンリィが銃を構え、叫ぶ。
「ルーナ! 伏せてください! リクト様!」
「了解!」
俺も【森羅万象】を構え、魔力の斬撃を空間のひずみに打ち込む。
だが、もう遅かった。
捻じ曲がった空間からは邪悪なオーラを纏ったモンスターが次々と現れる。
俗に言う召喚魔法だ。
一体一体はそこまで強くないが数が多い。
しかも、
「≪反転≫ ──くそ、コイツらもか」
能力が効かない。
だが焦る必要は全くない。普通に殺せばいいだけだ。
「お爺さんは下がっててください。フェンリィ、頼む」
「任せてください。ミーちゃん!」
少ない弾数で急所を的確に狙い撃つ。
一発も外さなかったし、防御もされていない。
そのはずなのに死ななかった。
攻撃が効いている様子がない。
脳天を打ち抜いても心臓に撃ち込んでもすぐに起き上がって動き始めたのだ。
「どういうことよ。フェンリィ、手加減してんの?」
「違います。これはアンデッドですね。普通の攻撃は効きません」
「あ、なるほど。そういうことか」
「はい、でしたら……これでどうです!」
戦況と弱点を見極め、冷静に対処。
フェンリィが摩擦で発火させた弾を撃ち込む。
俺も刀に炎属性と光属性を付与させて一緒に飛ばした。
三つに重なり、敵を一掃する。
≪三色小群≫
「やっぱり効いたな。でもまだこんなに数が多いぞ」
次々に召喚されるアンデッド。
スケルトン、ゾンビ、キョンシー、……。
ちまちま倒している暇はない。
それにアンデッドとはいえ俺の能力が効かないのは不可解だ。
こんなこと今までなかった。
気になるがゆっくり考えている暇はない。
今はメメが一人。危険すぎる。
「こんな時に限って……。魔王軍の仕業に違いないな」
「ですね。近くに術者は見当たりません。それに、どうやってここまで来れたのでしょう」
俺たちはメメに連れてきてもらった。
侵入方法は謎。
「わからないな。あいつらが教えてくれるんじゃないか?」
最初に感じた予感は的中する。
もちろん悪い方のだ。
召喚されるのはもちろん量産型の雑魚敵だけではない。
異界の門より出でしその存在は他とは明らかに異なる。
「キャハハ! ここが妖精の森かぁ!」
「虫取り放題? たくさん殺していいの?」
見た目はそっくりな顔の少女が二人。
一方は気が強く、もう一方は穏やかな印象。
警戒すべきは知能があること。
つまり強敵だ。おそらく幹部だろう。
「≪反転≫」
俺はその姿を捉えた瞬間に能力を発動して魔力の斬撃を飛ばした。
フェンリィも躊躇わずに引き金を引く。
殺せるときに殺すのが戦場での基本だ。
しかし──
「ダメか」
殺しきれなかったことだけではない。
コイツらにも能力が通じない。敵にそういう能力者でもいるのか?
「キャハッ! 楽しくなってきたなぁ、クレア。久しぶりに暴れ放題だぞ」
「フフ、ワタシも人間のお人形で遊びたかったとこ」
二人は向かい合って両手を繋いだ。
まるで鏡に反射しているようだ。
「時間が無いな。一気に倒すぞ」
ステータス反転による俺の優位が失われるのは大きいが三人がかりなら十分倒せるだろう。
だが敵も未知数なため油断はできない。
他の場所も同様に魔王軍が攻めているだろう。だから今は一分一秒が惜しい。
これでメメに何かあったら俺のせいだ。結果論だがルーナとフェンリィのように感情に任せて追いかけていたらと考えてしまう。
「リクト様。先に行ってください」
「私もやれること手伝うわ。ここは任せて」
「フェンリィ、ルーナ……」
二人が俺の前に出て背中でそう語った。
見た目以上に大きく見える。
「カワイ子ちゃんが相手かぁ。泣いても知らねえぜ?」
「カワイイの好き。殺したくなっちゃう」
敵をちらりと見て、もう一度仲間の目を見つめる。
随分と立派になってくれたな。
「よし、頼んだ。何かあったら連絡してくれ」
「はい!」「うん!」
フェンリィとルーナにこの場は任せ、俺は単独でメメのもとへ向かった。
魔王軍との大戦が幕を開ける。
語る姿は自分を責めているようで、メメのことを本気で想っているのが伝わってくる。
「この森には現在頭首が不在です。100年前に起きた事件により、当時の頭首であったメメ様のお母様が亡くなられました。本来ではメメ様が引き継ぐのですが森から逃げてしまい、ここ数年……といっても数十年の間行方を眩ませていました」
つい昨日起きた出来事のように語り出す。
話を早く進めるためフェンリィとルーナは黙って聞いている。
俺も質問は最低限にとどめておいた。
「メメ様の話をするなら100年前の事件を語る必要がございます。あの日、メメ様は──」
・
・
・
「──というわけでして、メメ様を嫌っている者は少なくないです」
要点だけ掻い摘んでの説明だったが大体把握した。
ほとんど時間はロスしていない。
「なるほど。じゃあやっぱりメメは何も悪くないですね」
「はい。やり場のない怒りを全てメメ様にぶつけているだけです。わたしにもっと力があればよかったのですが守るどころか一人にさせてしまいました。メメ様の側近失格です」
話を聞いたところ、事件後メメは心を閉ざしてしまった。
最初はメメを責める声も少なかったが徐々にエスカレートしていったらしい。
周りが敵だらけで精神的に耐えられなくなった結果、自らこの町を離れたのだ。
「他の連中はメメを捕まえてどうするつもりですか?」
「おそらくですが……新たな母体にするつもりでしょう。メメ様は戦闘には長けていませんが先代の血を引いています。そのためメメ様には価値が無くとも次に生まれてくる子に期待する輩が多いのです。ですから殺される心配だけはございません。わたしはそんなことさせたくありませんが……」
種族に関係なくそういうことを考える奴はいるらしい。
妖精族の掟とか事情とかはよく知らないがメメが道具にされようとしているのは確かだ。望まないあの子にそんなことさせない。
「なら、そんな重要な役目になるかもしれないメメをどうして周りは虐めるんですか?」
子を産ませることが目的ならもっと丁重に扱うべきだろう。
矛盾している。
「それは今日祭りがあるからです。100年に1度、花の咲く季節になると『力』を持った子が突然誕生すると言われています。精霊の力が赤子に宿るのです。ですから、メメ様は次期頭首候補の一人だったということになります」
つまりメメの体は保険ってことか。
妖精族は基本的に戦闘能力に秀でた者が多いと聞くが、それは『力』を引き継いでいるからだと言う。100年に1度生まれる赤子と、その赤子が成長して産んだ子どもには『力』が宿るのだ。
そして、その中でも突出した才能の持ち主が妖精族を束ねる長になる。そうやって切磋琢磨することで種族全体の力を高めてきたらしい。
しかし、100年前の事件によりメメの両親を含め、他の『力』を持った候補者たちも一人残らず死んでしまった。そのため今では『力』を持たずに生まれてきてしまったメメしかいない。
「話聞かせてくれてありがとうございました。二人とも、行くぞ」
「すぐ行きましょう。まだメメちゃんの笑顔を見てません」
「そうね。一人じゃないって教えてあげるわ」
いつも以上にやる気を感じる。
頼りになる仲間たちだ。
「メメの行き先に心当たりはありますか?」
「そうですね……。ご両親のお墓かメメ様のご実家だと思われます」
「わかりました。じゃあ俺たちはお墓の方を探してきます」
「頼みました。メメ様をお願いいたします」
場所の詳細を聞いて動き出す。
急ごう。
何となくそうしなければいけない気がした。
なぜか嫌な予感が心の底で渦巻いたのだ。
デジャヴというか、悪寒というか。
直感的に何かが起きる気配がした。
こういう時、悪い予感は不思議と当たる。
「≪反転≫」
だから手遅れになる前にフェンリィとルーナに能力をかけた。
次の瞬間、
「なによ、あれ……?」
空間がゆがんだ。
青かったはずの空は黒く闇に染まっていく。
高密度の魔力が周囲を満たし、空間に裂け目がいくつもできた。
それを見たフェンリィが銃を構え、叫ぶ。
「ルーナ! 伏せてください! リクト様!」
「了解!」
俺も【森羅万象】を構え、魔力の斬撃を空間のひずみに打ち込む。
だが、もう遅かった。
捻じ曲がった空間からは邪悪なオーラを纏ったモンスターが次々と現れる。
俗に言う召喚魔法だ。
一体一体はそこまで強くないが数が多い。
しかも、
「≪反転≫ ──くそ、コイツらもか」
能力が効かない。
だが焦る必要は全くない。普通に殺せばいいだけだ。
「お爺さんは下がっててください。フェンリィ、頼む」
「任せてください。ミーちゃん!」
少ない弾数で急所を的確に狙い撃つ。
一発も外さなかったし、防御もされていない。
そのはずなのに死ななかった。
攻撃が効いている様子がない。
脳天を打ち抜いても心臓に撃ち込んでもすぐに起き上がって動き始めたのだ。
「どういうことよ。フェンリィ、手加減してんの?」
「違います。これはアンデッドですね。普通の攻撃は効きません」
「あ、なるほど。そういうことか」
「はい、でしたら……これでどうです!」
戦況と弱点を見極め、冷静に対処。
フェンリィが摩擦で発火させた弾を撃ち込む。
俺も刀に炎属性と光属性を付与させて一緒に飛ばした。
三つに重なり、敵を一掃する。
≪三色小群≫
「やっぱり効いたな。でもまだこんなに数が多いぞ」
次々に召喚されるアンデッド。
スケルトン、ゾンビ、キョンシー、……。
ちまちま倒している暇はない。
それにアンデッドとはいえ俺の能力が効かないのは不可解だ。
こんなこと今までなかった。
気になるがゆっくり考えている暇はない。
今はメメが一人。危険すぎる。
「こんな時に限って……。魔王軍の仕業に違いないな」
「ですね。近くに術者は見当たりません。それに、どうやってここまで来れたのでしょう」
俺たちはメメに連れてきてもらった。
侵入方法は謎。
「わからないな。あいつらが教えてくれるんじゃないか?」
最初に感じた予感は的中する。
もちろん悪い方のだ。
召喚されるのはもちろん量産型の雑魚敵だけではない。
異界の門より出でしその存在は他とは明らかに異なる。
「キャハハ! ここが妖精の森かぁ!」
「虫取り放題? たくさん殺していいの?」
見た目はそっくりな顔の少女が二人。
一方は気が強く、もう一方は穏やかな印象。
警戒すべきは知能があること。
つまり強敵だ。おそらく幹部だろう。
「≪反転≫」
俺はその姿を捉えた瞬間に能力を発動して魔力の斬撃を飛ばした。
フェンリィも躊躇わずに引き金を引く。
殺せるときに殺すのが戦場での基本だ。
しかし──
「ダメか」
殺しきれなかったことだけではない。
コイツらにも能力が通じない。敵にそういう能力者でもいるのか?
「キャハッ! 楽しくなってきたなぁ、クレア。久しぶりに暴れ放題だぞ」
「フフ、ワタシも人間のお人形で遊びたかったとこ」
二人は向かい合って両手を繋いだ。
まるで鏡に反射しているようだ。
「時間が無いな。一気に倒すぞ」
ステータス反転による俺の優位が失われるのは大きいが三人がかりなら十分倒せるだろう。
だが敵も未知数なため油断はできない。
他の場所も同様に魔王軍が攻めているだろう。だから今は一分一秒が惜しい。
これでメメに何かあったら俺のせいだ。結果論だがルーナとフェンリィのように感情に任せて追いかけていたらと考えてしまう。
「リクト様。先に行ってください」
「私もやれること手伝うわ。ここは任せて」
「フェンリィ、ルーナ……」
二人が俺の前に出て背中でそう語った。
見た目以上に大きく見える。
「カワイ子ちゃんが相手かぁ。泣いても知らねえぜ?」
「カワイイの好き。殺したくなっちゃう」
敵をちらりと見て、もう一度仲間の目を見つめる。
随分と立派になってくれたな。
「よし、頼んだ。何かあったら連絡してくれ」
「はい!」「うん!」
フェンリィとルーナにこの場は任せ、俺は単独でメメのもとへ向かった。
魔王軍との大戦が幕を開ける。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
追放された美少女を助けた底辺おっさんが、実は元”特級冒険者”だった件について。
いちまる
ファンタジー
【毎週木曜日更新!】
採取クエストしか受けない地味なおっさん冒険者、ダンテ。
ある日彼は、ひょんなことからA級冒険者のパーティーを追放された猫耳族の少女、セレナとリンの面倒を見る羽目になってしまう。
最初は乗り気でなかったダンテだが、ふたりの夢を聞き、彼女達の力になると決意した。
――そして、『特級冒険者』としての実力を隠すのをやめた。
おっさんの正体は戦闘と殺戮のプロ!
しかも猫耳少女達も実は才能の塊だった!?
モンスターと悪党を物理でぶちのめす、王道冒険譚が始まる――!
※本作はカクヨム、小説家になろうでも掲載しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる