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番外編
なごり雪 13
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止まった馬車から降りてみれば、頬に感じる空気はひんやりと冷たく澄んでいる。
「初夏なのに・・・?」
ヒュウと吹いた一陣の風に思わず首をすくめたら、背後からシェラさんがコートを掛けてくれた。
先日あの銀毛魔狐が出た村を訪問した際に献上品で貰った、クーヤの被毛で出来た暖かいコートだ。
「ここは元々かなり北に位置する上に標高もそれなりですからね。更にはグノーデル神様のご加護をユーリ様が降ろされ聖地になってからは夏でもあの時の寒さのままだそうですよ。雪はほとんど見えませんが、まるで当時の空気もまるごと聖地であるここへ閉じ込めているようですね。」
辺りを見渡しながらそうシェラさんは話してくれた。
それに釣られて私も周りを見れば、なるほど日陰にだけちらほらとまだ残雪が覗いている。
「隣国との北の国境を兼ねた大山脈でもこの時期は中腹まで雪がないのに、ここには雪が残ってるんですね。」
不思議だなあと雪を眺めながら先導する案内役のダーヴィゼルドの騎士さんの後をレジナスさん達とついて行く。
と、すぐに小じんまりとした白い小さな神殿が目の前に現れた。
「あそこがエリス様のいる・・・」
シェラさん達には大丈夫と言ったものの、少しだけ緊張してきた。何しろ私もエリス様と会うのはあの一件以来、ほぼ一年振りなのだ。
すると私達の到着を知らされたのか、神殿の前に三人の神官さんが立っているのが見えた。出迎えだ。
「ようこそユーリ様、お待ち申し上げておりました」
三人の中で真ん中に立っていた初老の女性がにこにこと私に丁寧な挨拶をしてくれる。
エル君に負けず劣らず真っ白で綺麗な白髪の長髪を三つ編みにして首にくるりと巻いている、ダーヴィゼルド風の髪型もよく似合う優しそうな人だ。
「私はこの神殿の主席神官・・・神官長を務めておりますニーヴェと申します。この二人もこの神殿に常駐している者達です。」
そう両脇の二人を紹介され、それぞれの名前も聞き握手をして挨拶を交わした。
そこで私も、訪問したこちら側の人間についても紹介するべきなんだろうなあということにハッと気付き、慌てて
「あっ、彼はエル君です。小柄ですけど私の護衛でグノーデルさんの加護のついた武器も持っているとっても頼りになる子です。それから・・・」
それから、えーと。
私のすぐ側に立ちニコニコしているシェラさんと、いつも通り知らない人が見れば怒ってるのかと見間違えそうなほど怖い顔をデフォルトで標準装備しているレジナスさんを交互に見て迷う。
・・・まだ結婚式を挙げる前だけど他の人達に伴侶って紹介してもいいのかな?
王宮にいる間はわざわざそんな事を口に出さなくてもみんな分かっていたし。
それにここに来てからもヒルダ様のお城にいる間は特に何も言わなくても他の人達は二人のことを私の伴侶として扱ってくれていたので、改めて他人に二人のことを紹介するのは伴侶に決めてからは初めてかも知れない。
いや、でもこの先もこうして他の人達にこの二人だけでなくリオン様やシグウェルさんのことも私の伴侶として紹介することが多々あるだろうし、いい練習なのかな・・・?
悩んでいたら、神官長のニーヴェ様や二人の神官さんに不思議そうな顔で見られた。
レジナスさんにも少し腰をかがめてこっそり「どうしたユーリ」と聞かれてしまったので、ハッとして慌てて
「・・・それから、こっちが私の旦那様のレジナスさんです!」
とその腕を引いて紹介する。まあ腕を引いたと言ってもレジナスさん自身はびくともしないので私の方が腕に飛びつくみたいにしてくっつく形になったけど。
レジナスさんにしてみれば突然黙り込んだ私が次の瞬間自分の腕に飛び付いてくっついてきた挙句、初めて「私の旦那様です!」なんて言われたからだろうか、
「ユーリ⁉︎」
驚いてかがめていた身を起こした。その拍子にくっついていた腕ごと一瞬体が浮く。
「ひゃあ⁉︎」
え、何それすごい力持ち。すると
「おっと」
と言ったシェラさんがレジナスさんの腕から鮮やかに私を引き離すと地面に降ろし、私の肩を抱き耳元で囁く。
「ユーリ様、オレのことも紹介していただきませんと」
あ、うん分かってる分かってる。だけど初対面の人達の前でくっつき過ぎじゃないかな?いや、レジナスさんの腕に飛び付いたみたいになった私の言うことじゃないかも知れないけど。
普通に挨拶するつもりがなんだかおかしな事になってしまった、なんて落ち着きがないんだ、なんて色々考えながら
「あ、あの、あとこちらも私の伴侶のシェラさん・・・」
肩を抱き寄せられたままそう紹介したら
「伴侶・・・さっきレジナスが言われていた旦那様という呼び方の方が素敵なんですが・・・」
とシェラさんが呟いた。
「へ?」
そんなの伴侶だろうが旦那だろうがどっちでも良くない?そう思ってシェラさんを見たら素早く口付けられた。
「⁉︎」
「恐れ多くもユーリ様ご本人に夫に選ばれましたシェラザード・イル・ザハリです。これからはキリウ小隊の任務の他にもユーリ様の夫としてこの地を夫婦揃って訪れることも増えると思いますのでよろしくお願いいたします。」
やたらと「夫」と強調した挨拶の後、私の肩を抱いたままシェラさんはあの色気ダダ漏れないつもの笑顔で神官長さん始め他の二人とも握手を交わす。
三人ともシェラさんの私にいきなりキスしてからの自己紹介に呆気に取られ、ぽかんとしたままシェラさんに請われるままに握手をしていた。
そんなシェラさんにレジナスさんは
「おい、神官長様の前で何をしてるんだお前は。失礼だろうが・・・!」
小声で苦言を呈したけど、さすがに挨拶の場で私の肩を抱くその手を引き剥がすのは不躾だと思ったのかそれはぐっと堪えている。まあシェラさんに対する怒りは抑えきれてない気がするけど。
そんな私達に目を丸くしていたニーヴェ様だったけど、パチパチまばたくとふふっ、と小さな笑いをこぼして口元に手を当てた。
「そういえばこの休暇の後には挙式を控えておられるのでしたね。ユーリ様が選ばれたご伴侶の方々については噂で聞いておりましたが、こうして実際に仲睦まじくされているお姿を目にしますと胸がいっぱいでございます。どうかこの先も末永く愛情深い時をお過ごしになり、皆様にイリューディア神様のご加護がありますように。」
そう言われて祈るように胸の前で手を組み頭を下げられた。そんなニーヴェ様に右にならえで二人の神官さんにも頭を下げられる。
改めて「私が選んだ伴侶」と言われると恥ずかしいなあ・・・。
一応ありがとうございますとお礼は言ったものの、気恥ずかしさに少し赤くなっていれば、レジナスさんもシェラさんへの怒りよりもニーヴェ様の言葉に対する照れの方が勝ったのか静かになった。平然としているのはシェラさんだけだ。
そしてそんな私達を見てまた一つクスリと笑ったニーヴェ様は
「さあ、それでは中へどうぞ。小さな神殿ですがユーリ様のお造りになられた泉を中心に花も植え、心を込めて日々イリューディア神様に仕えております。」
そう言って中へと案内してくれた。
「初夏なのに・・・?」
ヒュウと吹いた一陣の風に思わず首をすくめたら、背後からシェラさんがコートを掛けてくれた。
先日あの銀毛魔狐が出た村を訪問した際に献上品で貰った、クーヤの被毛で出来た暖かいコートだ。
「ここは元々かなり北に位置する上に標高もそれなりですからね。更にはグノーデル神様のご加護をユーリ様が降ろされ聖地になってからは夏でもあの時の寒さのままだそうですよ。雪はほとんど見えませんが、まるで当時の空気もまるごと聖地であるここへ閉じ込めているようですね。」
辺りを見渡しながらそうシェラさんは話してくれた。
それに釣られて私も周りを見れば、なるほど日陰にだけちらほらとまだ残雪が覗いている。
「隣国との北の国境を兼ねた大山脈でもこの時期は中腹まで雪がないのに、ここには雪が残ってるんですね。」
不思議だなあと雪を眺めながら先導する案内役のダーヴィゼルドの騎士さんの後をレジナスさん達とついて行く。
と、すぐに小じんまりとした白い小さな神殿が目の前に現れた。
「あそこがエリス様のいる・・・」
シェラさん達には大丈夫と言ったものの、少しだけ緊張してきた。何しろ私もエリス様と会うのはあの一件以来、ほぼ一年振りなのだ。
すると私達の到着を知らされたのか、神殿の前に三人の神官さんが立っているのが見えた。出迎えだ。
「ようこそユーリ様、お待ち申し上げておりました」
三人の中で真ん中に立っていた初老の女性がにこにこと私に丁寧な挨拶をしてくれる。
エル君に負けず劣らず真っ白で綺麗な白髪の長髪を三つ編みにして首にくるりと巻いている、ダーヴィゼルド風の髪型もよく似合う優しそうな人だ。
「私はこの神殿の主席神官・・・神官長を務めておりますニーヴェと申します。この二人もこの神殿に常駐している者達です。」
そう両脇の二人を紹介され、それぞれの名前も聞き握手をして挨拶を交わした。
そこで私も、訪問したこちら側の人間についても紹介するべきなんだろうなあということにハッと気付き、慌てて
「あっ、彼はエル君です。小柄ですけど私の護衛でグノーデルさんの加護のついた武器も持っているとっても頼りになる子です。それから・・・」
それから、えーと。
私のすぐ側に立ちニコニコしているシェラさんと、いつも通り知らない人が見れば怒ってるのかと見間違えそうなほど怖い顔をデフォルトで標準装備しているレジナスさんを交互に見て迷う。
・・・まだ結婚式を挙げる前だけど他の人達に伴侶って紹介してもいいのかな?
王宮にいる間はわざわざそんな事を口に出さなくてもみんな分かっていたし。
それにここに来てからもヒルダ様のお城にいる間は特に何も言わなくても他の人達は二人のことを私の伴侶として扱ってくれていたので、改めて他人に二人のことを紹介するのは伴侶に決めてからは初めてかも知れない。
いや、でもこの先もこうして他の人達にこの二人だけでなくリオン様やシグウェルさんのことも私の伴侶として紹介することが多々あるだろうし、いい練習なのかな・・・?
悩んでいたら、神官長のニーヴェ様や二人の神官さんに不思議そうな顔で見られた。
レジナスさんにも少し腰をかがめてこっそり「どうしたユーリ」と聞かれてしまったので、ハッとして慌てて
「・・・それから、こっちが私の旦那様のレジナスさんです!」
とその腕を引いて紹介する。まあ腕を引いたと言ってもレジナスさん自身はびくともしないので私の方が腕に飛びつくみたいにしてくっつく形になったけど。
レジナスさんにしてみれば突然黙り込んだ私が次の瞬間自分の腕に飛び付いてくっついてきた挙句、初めて「私の旦那様です!」なんて言われたからだろうか、
「ユーリ⁉︎」
驚いてかがめていた身を起こした。その拍子にくっついていた腕ごと一瞬体が浮く。
「ひゃあ⁉︎」
え、何それすごい力持ち。すると
「おっと」
と言ったシェラさんがレジナスさんの腕から鮮やかに私を引き離すと地面に降ろし、私の肩を抱き耳元で囁く。
「ユーリ様、オレのことも紹介していただきませんと」
あ、うん分かってる分かってる。だけど初対面の人達の前でくっつき過ぎじゃないかな?いや、レジナスさんの腕に飛び付いたみたいになった私の言うことじゃないかも知れないけど。
普通に挨拶するつもりがなんだかおかしな事になってしまった、なんて落ち着きがないんだ、なんて色々考えながら
「あ、あの、あとこちらも私の伴侶のシェラさん・・・」
肩を抱き寄せられたままそう紹介したら
「伴侶・・・さっきレジナスが言われていた旦那様という呼び方の方が素敵なんですが・・・」
とシェラさんが呟いた。
「へ?」
そんなの伴侶だろうが旦那だろうがどっちでも良くない?そう思ってシェラさんを見たら素早く口付けられた。
「⁉︎」
「恐れ多くもユーリ様ご本人に夫に選ばれましたシェラザード・イル・ザハリです。これからはキリウ小隊の任務の他にもユーリ様の夫としてこの地を夫婦揃って訪れることも増えると思いますのでよろしくお願いいたします。」
やたらと「夫」と強調した挨拶の後、私の肩を抱いたままシェラさんはあの色気ダダ漏れないつもの笑顔で神官長さん始め他の二人とも握手を交わす。
三人ともシェラさんの私にいきなりキスしてからの自己紹介に呆気に取られ、ぽかんとしたままシェラさんに請われるままに握手をしていた。
そんなシェラさんにレジナスさんは
「おい、神官長様の前で何をしてるんだお前は。失礼だろうが・・・!」
小声で苦言を呈したけど、さすがに挨拶の場で私の肩を抱くその手を引き剥がすのは不躾だと思ったのかそれはぐっと堪えている。まあシェラさんに対する怒りは抑えきれてない気がするけど。
そんな私達に目を丸くしていたニーヴェ様だったけど、パチパチまばたくとふふっ、と小さな笑いをこぼして口元に手を当てた。
「そういえばこの休暇の後には挙式を控えておられるのでしたね。ユーリ様が選ばれたご伴侶の方々については噂で聞いておりましたが、こうして実際に仲睦まじくされているお姿を目にしますと胸がいっぱいでございます。どうかこの先も末永く愛情深い時をお過ごしになり、皆様にイリューディア神様のご加護がありますように。」
そう言われて祈るように胸の前で手を組み頭を下げられた。そんなニーヴェ様に右にならえで二人の神官さんにも頭を下げられる。
改めて「私が選んだ伴侶」と言われると恥ずかしいなあ・・・。
一応ありがとうございますとお礼は言ったものの、気恥ずかしさに少し赤くなっていれば、レジナスさんもシェラさんへの怒りよりもニーヴェ様の言葉に対する照れの方が勝ったのか静かになった。平然としているのはシェラさんだけだ。
そしてそんな私達を見てまた一つクスリと笑ったニーヴェ様は
「さあ、それでは中へどうぞ。小さな神殿ですがユーリ様のお造りになられた泉を中心に花も植え、心を込めて日々イリューディア神様に仕えております。」
そう言って中へと案内してくれた。
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