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番外編

星の降る夜に 5

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後方からのリオン様の愛撫に変な声が出ないようにと必死で唇を噛み締めて我慢していたら、それに気付いたリオン様が

「駄目だよユーリ、そんな事をしたら唇を傷付ける」

と自分の指を私の口の中に差し入れてきた。

くちゅくちゅと音を立てながら指先で優しく舌を撫でられ引っ張られ、口の中もぐるりと撫でこすられると目が潤んでぼうっとしてくる。

こ、こんな事にも感じてしまうとか・・・!

四人それぞれと休暇を過ごした時にも思ったけど、ホントにこういう状況下でのイリューディアさんの加護の力は度を超えている。いや、元々癒しの力自体も行使する時は当たり判定が強いというか大雑把に働く方だったけど。

それがまさかこういうシチュエーションの時にも過度に敏感な反応になって返ってくるとは思わなかった。

そんな私の顔を後ろから覗き込んだリオン様はちゅぽんと口の中から指を抜くと

「ね、レジナス口付けてあげて。ユーリのとろけたような顔を見てよ。これはきっと指だけじゃ物足りないよ。」

なんてことを言ってレジナスさんをけしかけた。

その言葉にレジナスさんはぐっと息を呑んで、

「・・・本当にこのまま続けるつもりですか?」

とリオン様に確かめた。

「何を今更。君だって、自分の体をそんな風にいきり立たせておきながら何もしないままでいいの?君が降りても僕は君の前でこのまま続けるよ?」

レジナスさんの問いかけにリオン様は呆れたようにそう言ったけど、それなんて羞恥プレイ?

「ねぇユーリ、どうしようね?僕達だけ最後まで仲良くして果てるところをレジナスは見たいんだって。」

「な・・・なに言ってるんですかリオン様・・・そんなのだめ、恥ずかし・・・」

レジナスさんは一言もそんなこと言ってないし。と、私のこぼした恥ずかしいからダメだと言う言葉にレジナスさんのモノが反応した。

ビクッと大きく震えたような気がする。

「ふぁ・・・っ?」

え、まさかリオン様と繋がってるところを見られて恥ずかしがる私を見て興奮するとかじゃないよねレジナスさん・・・?

「み・・・見たいとか言わないですよね・・・?」

「ち、違う!」

恐る恐る聞いた私に即答で否定してきたレジナスさんだけど、その赤らんだ目元が怪しい。

ぼんやりとレジナスさんを見つめていれば、私から視線を外してうろうろと視線を彷徨わせていたレジナスさんは、最終的には小さく「くそ、」と呟くと私の唇に覆い被さると口腔内を貪るような荒々しい口付けをしてきた。

「ん、む・・・、ふっ・・・!」

息継ぎをするために口が離れればレジナスさんとの間に細い銀色の糸がひく。

するとレジナスさんは乱暴に自分の口元を指で拭って、

「ユーリと夜を過ごすのは久しぶりなのでただでさえ自制出来る自信がないのに、リオン様と二人がかりでなど更にユーリに負担をかけるのではと思ったんです。それなのに、リオン様どころかユーリまで俺を煽ってくるとは・・・」

と言った。いや、恥ずかしいって言ったのは私の正直な気持ちであって決してレジナスさんを煽ろうと思ったわけじゃないんですけど・・・。

だけど今の荒々しい口付けで完全に腰砕けになってしまって息も上がり、うまく言葉が出てこない。

そんなレジナスさんにリオン様は、

「自制するのもいいけど、今にも暴発しそうなそんなものを抱えながら我慢していたら、そのうち今日よりもずっと手酷くユーリを抱き潰してしまう時が来るだろうね。そうなる前に、欲望は適度に発散させる方がいいと思わない?」

と笑った。私も二人の会話をぼんやりと聞きながら、果たして限界まで我慢したレジナスさんにある日突然朝まで抱き潰されるのと今ここで多少発散してもらうのとどちらがいいだろう?と考えた。

新婚休暇の時の、最終的には嵐のような・・・文字通り獣のような荒々しさと激しさに満ちたレジナスさんのあの逞しいモノで抱き潰された時間を思い出せば、リオン様と一緒の方が多少は主であるリオン様に遠慮してあの激しさが緩和されるのかな?と思った。

後から思えばそれは完全に私の判断が間違っていたんだけど、快楽で頭が麻痺していたその時の私にはそれがベストに思えた。だから、

「もう、ここまできたらいいんじゃないですか・・・?」

とつい言ってしまったのだ。その言葉に背後のリオン様が嬉しそうにしたのが分かる。

そして私の目の前のレジナスさんは耳まで赤くして

「いいのか?」

と聞いてきた。その夕陽のように綺麗な瞳の奥には獲物を捉えて離さないぎらぎらとした欲望の火が灯っている。休暇の時に何度も目にした、見覚えのある輝きだ。

「お手柔らかに・・・」

新婚休暇でリオン様との初めての夜に言ったセリフを久々に口にして頷いた。

すると嬉しそうに薄く笑ったレジナスさんが私の腰を掴んで抱えると、ひょいと持ち上げてレジナスさんに寄りかかるように座っていた私を膝立ちにする。

「・・・?」

何だろう。と思った次の瞬間、膝立ちすることによってちょうどレジナスさんの顔の真ん前に晒された私の裸の胸の片方に、まるで果物でも食べるかのように大きな口を開けてかぶりつかれた。

そのままじゅるっ、と音を立てて強く吸われる。

「ひうッ⁉︎」

突然の強い刺激に抱えられた腰がびくんと跳ね上がった。

吸われた胸はレジナスさんの口の中で乳首に歯を立てられて軽く噛まれ、さらにその先端を舌でグリグリと強く潰された。

「ああっ、やぁ・・・!」

跳ねた腰はそのままがくがく小さく震えて目の奥にチカチカと火花が散る。とろっ、と自分の股の間から蜜がこぼれるのが分かった。

私の後ろではリオン様が

「ちょっとレジナス、いきなりやり過ぎだよ。ユーリが胸だけでもイけるようにしたのは僕なんだから、最初は僕が胸でイかせてあげてそのかわいい顔を君に見せたかったのに。君、よくそれでまだ我慢するとか言ってたね?」

呆れるようにそう言いながらレジナスさんが口に含んでいないもう片方の胸の先を背後から手を回してきゅうっとつまむと外側に向けて引っ張った。

「あ、ああっ・・・、や、やめ・・・」

はくはくと息を吐きながら何とか声を絞り出す。

「ちくび、腫れちゃうから・・・っ」

「大丈夫だよ。結構かわいがって育てたつもりだったんだけどユーリのここ、まだまだ小さくて可愛い大きさだから。」

さすがに四ヶ月だけだとそんなに目に見えては変わってないんだね、と私のうなじに顔を埋めながらリオン様は引っ張ったままの乳首をこりこりと捏ねて虐める。

レジナスさんも、上目遣いで私の反応を見ながら噛むことで自分の口の中で更にぴんと立ち上がった私の乳首の周りを飴でも舐めるかのように舌先でくるくると転がすようにしている。

「ひん・・・ッ!」

両胸に与えられる別々の刺激に頭がおかしくなりそうな気持ち良さを感じて膝立ちでも立っているのが難しい。

レジナスさんの肩に回した腕も、支えられている腰も、全身が小刻みにぶるぶる震えて下腹部が痺れる。

「ふふ、ずっと甘イキしていてそれが止まらないみたい。かわいいねぇ」

愛おしげにそう言ったリオン様はレジナスさんにも声をかけた。

「ね?レジナス、胸だけでイけるユーリってたまらなくかわいい顔をしてるよね?」

その問いかけにレジナスさんはぷはっ、とかぶりついていた私の胸を口から解放して

「かわい過ぎます。それに俺との休暇の時よりも随分と反応が良くなっているような気がします。」

そう言って今度は乳首だけをジュッと強く吸い上げた。

「んくッ!」

そんなに強く吸うの、だ、ダメだってば!

声にならない声を上げて足を震わせながら背骨を貫く快感に耐える。

「あ、またイった。本当に、こんなに可愛い反応ばっかりされたらどうしようねぇ・・・」

背後のリオン様がつうっと背中からうなじまでを舐め上げた。胸をいじられなくても、もはやそれだけでも下腹部が切なくなる。

「ひぃん・・・っ」

泣き声なんだか悲鳴なんだかよく分からない声が自分の喉の奧から出た。その声にリオン様がよしよしとするように頭を撫でる。

「うん?胸以外もいじって欲しい?」

「ち、ちが・・・」

今の声はおねだりとかそーゆーのじゃなくて。

だけどリオン様は、

「そうだよね、ユーリのここは触れて欲しくてずっと濡れてるのに胸だけだと辛いよね。」

と背後から私の足の間に手を伸ばす。

そのままくちゅっ、くちゅっ、と音を立てて入り口のあたりを浅くかき混ぜるようにしながら

「僕の手や足の間をつたってもうシーツまで濡れてるよ」

と耳元で内緒話をするように教えられた。そんなこと言わなくてもいいんですってば。

そう言いたいけど私の口からでるのはため息のように喘ぐ声だけだ。

後ろからリオン様が乳首の片方を捏ねながら下の入り口をかき混ぜている間に、前からはレジナスさんがもう片方の胸を吸い上げ、時には自分の肩に回された私の腕の下・・・脇の下にも頭を寄せてその窪みにも舌を這わせてぐにぐにとそこを刺激する。

「ふぁっ・・・ん!あ、ああっ‼︎」

それ、ダメ!頭の中が真っ白になる。するとリオン様が

「へぇ、ユーリって脇の下も弱かったんだ。それは知らなかったなあ・・・。そこでも感じてイっちゃうの?いやらしいなあ、今度僕にも試させてね?」

そう言いながらぐぷっ!とさっきよりも少し深く私のあそこに指を埋めた。

「ひぅっ⁉︎」

突然強さと深さを変えられて思わず内腿に力が入って私の中にリオン様の指が埋まったままぎゅっと締め付ける。

「あれ?これは僕の刺激で感じたのかな?それとも脇の下で感じたから?」

意地悪をするような質問に答える気力もない。二人から絶えず与えられる刺激でさざ波のように寄せてくる快楽が全く引かずにずっと小さくイき続けている。

まだ本番のほの字にもかかっていないようなものなのにツライ。辛すぎる。

しかも、涙の滲む目で薄目を開けて見やった窓の外にはまだ満天の星が空いっぱいに広がっている。その輝きが、夜はまだまだこれからだと言っているような気がした。




















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