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第十九章 聖女が街にやって来た
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あの騒ぎの時、私が倒れてどうなったのかはよーく分かった。
あとなんでみんながここに集まっていたのかも。
・・・まあそっちについては知らなくてもいいことまで知ってしまって恥ずかしいことこの上ないけど。
「私のことは分かりました!じゃあエリス様は?あの後無事に目を覚ましましたか?それにあのヨナスの力、ファレルの神殿で見つからなかった欠けた魔石のような気がしたんですけどあれも」
「まずはエリス様の話からにしようか」
あれもこれもと聞きたがる私にやっと目を合わせたリオン様が微笑んだ。
「ユーリを介抱するのと同時にエリス様も保護をして、すぐに治療に当たったよ。だけどユーリが癒しの力を使ったからなのか、見た目には全くの無傷だった。ただユーリのように彼女も深く眠っていたから、起きたら色々聞こうと思っていたんだけどね。」
それがなんと目覚めたエリス様は何も覚えていないらしかった。
というか、そう推測されるらしかったという。
目が覚めたエリス様はにこにこと微笑むばかりでこちらが何を聞いても不思議そうに小首を傾げ、一言も言葉を発せなかったらしい。
まるで別人のように、全く邪気のない笑顔を浮かべて子どものようにふるまうその姿は、わざとやっているのではなく本当に心が壊れてしまったかのようで元のエリス様の面影はないという。
「ユーリの力で人としての形は保ったままなんとか助かったけど、その心までは元通りにはならなかったということだね」
・・・まああんな人間離れした魔物みたいなものにまでなってしまったのだ、元の姿に戻れただけいいのかも知れない。
それに相当深くヨナスの力に影響を受けて魅入られてしまっているようだったし。
その力の影響を完全に取り除こうとして心が壊れてしまったらしいのはある意味当たり前なのかも・・・。
仕方なかったのは分かっている。だけどそれでもなんとなく心が痛みながら
「それで、エリス様は今どこに・・・?ヘイデス国やあのアラム陛下が引き取るとは思えませんけど。」
とその所在を尋ねる。あの時アラム陛下はエリス様を切り捨てたから、もしかしたらルーシャ国で・・・王宮か大神殿で保護しているのでは?
私の問いにリオン様が答えたエリス様の居場所は意外な所だった。
「彼女は今、ダーヴィゼルドだよ。あそこにある、ユーリがグノーデル神様の加護を付けた山に建てられた小さな神殿で働いてもらっている。」
ダーヴィゼルド?またどうしてそんな遠くに。目を丸くすれば詳しく教えてくれた。
「記憶がないとはいえ、また何かないとは限らないからね。念のため元からどこかの神殿で面倒を見させてその管理下におくつもりだった。そうしたらシグウェルにダーヴィゼルドを薦められたんだ。」
「シグウェルさんに?」
そこでシグウェルさんがそうだ、と頷いた。
「ダーヴィゼルドのあの山はグノーデル神様の加護でヨナス神の影響を受けたものには天罰のような雷が落ちるだろう?ヨナス神の力の影響を受けた者を管理しておくには最適な場所だ。」
「な、なるほど」
「今の彼女は大きい子どものようなものだ。こちらの指示には素直に従うから、きちんと説明さえすれば単純作業程度であれば問題なくこなせるからな。グノーデル神様を祀るために建てた山中の神殿で下働きをさせているが、万が一もしまたヨナス神の力がその体の中に芽生えようものならその時は即グノーデル神様の雷がその身に落ちてくるだろう。」
そう言って、「まあさすがにまた雷を落とされたらその時こそ命はないだろうな」と薄く笑うシグウェルさんのその姿は、なんだかまるでそれでも構わないとでも思っていそうだ。
グノーデルさんの加護が満ちているあの山は、下手に人に見張らせるよりもよっぽど確実にエリス様を見張ることが出来るという話だし、まるであの山全体がエリス様を取り囲む天然の檻みたいだ。
エリス様はそこから一生出られずに、グノーデルさんの神殿に仕えて過ごすのだろう。
グノーデルさんのことが大嫌いなヨナスの眷属にまで成り下がってしまったものが、そのグノーデルさんの神殿に仕え従うなんて強烈な皮肉だ。
「・・・エリス様に影響を与えていたヨナスの力については分かったことはありますか?」
エリス様についての顛末は分かった。残るはそのエリス様が暴走することになった元凶についてだ。
するとシグウェルさんが、
「君、さっきファレルにあったヨナス神の魔石の欠けらが影響を与えたのではと言っただろう?まさしくその通りだ。」
イリューディア神様の加護があるとそんなことまで分かるのか?と話しながらレジナスさんを見た。
そこから先についてはレジナスさんからも説明があるらしい。
シグウェルさんのアイコンタクトに小さく頷いたレジナスさんはリオン様の反対側に腰掛けて、リオン様が取っているのとは別のもう片方の私の手を握ってくれた。
「あの茶会の席で薬湯だと言って彼女のお茶に紫色の液体を注いでいた魔導士がいただろう?彼女が騒ぎを起こしてすぐに、こっそりあの場から逃げようとしていたそいつを捕まえた。」
さすがレジナスさん、あの時私は凶暴な小リスやエリス様の言動に惑わされてその他のことが全く見えていなかったのに。
私達に襲いかかってくるリスを捌きながら逃げ惑い非難する人達に混ざって姿を隠そうとしていた魔導士をちゃんと捕まえていたなんて。
「そいつを取り逃したらまた同じような力を持つ奴を作り出さないとも限らないからな。絶対に捕まえて、持っている情報は全部吐かせたかった」
「やっぱりその魔導士さんが原因でエリス様はあんな事に・・・?」
そう尋ねれば、そうだと頷かれた。
「そいつは熱烈なヨナス神の信奉者だった。イリューディア神様に姫巫女がいるように、ヨナス神についてもその力と加護を受けヨナス神の威光を高められる特別な者を見つけ出し、その者を中心にヨナス神を信仰する者を増やしたかったらしい。」
それに選ばれたのが元々巫女としての素質にも優れていたエリス様だった。
だけど元からプライドが高くて他人を認めることが出来ない性格だったらしいエリス様は、その資質以上にヨナス神の力に溺れて暴走してしまったんだろう。
そこでシェラさんが、二杯目のお茶を淹れてレジナスさんが握っている私の手をさっと振りほどくとかわりに私にお茶を手渡しながら話を引き取る。
「その魔導士がエリスというあの女にヨナス神の力を与えるために使ったのが、ファレルの神殿近くの集落で祀られていたヨナス神の魔石です。」
「お前なあ・・・!」
軽く睨むレジナスさんには知らんぷりをして、シェラさんはにこやかにお茶を持つ私の手ごと両手で包み込んだ。
「起き抜けでまだお体に力が入っていないと大変ですからね。カップを落とさないようにオレもお支えしますよ。」
・・・いや、別にそこまでしなくてもいいんだけど。
どう見てもレジナスさんじゃなくてシェラさん本人が私の手を握りたかっただけだ。
「シェラさんは相変わらずですねぇ・・・」
呆れてそう言ったのに、
「はい、そうですよ。ユーリ様がお眠りの間もこの先も、ユーリ様に対する尊崇の念もオレの愛情も一切変わることはありませんのでご安心くださいね。」
何故か褒め言葉に変換して嬉しそうに微笑まれた上に余計なことまで言われてしまった。一年ぶりでも全然ブレてない。本当に相変わらずだ。
あとなんでみんながここに集まっていたのかも。
・・・まあそっちについては知らなくてもいいことまで知ってしまって恥ずかしいことこの上ないけど。
「私のことは分かりました!じゃあエリス様は?あの後無事に目を覚ましましたか?それにあのヨナスの力、ファレルの神殿で見つからなかった欠けた魔石のような気がしたんですけどあれも」
「まずはエリス様の話からにしようか」
あれもこれもと聞きたがる私にやっと目を合わせたリオン様が微笑んだ。
「ユーリを介抱するのと同時にエリス様も保護をして、すぐに治療に当たったよ。だけどユーリが癒しの力を使ったからなのか、見た目には全くの無傷だった。ただユーリのように彼女も深く眠っていたから、起きたら色々聞こうと思っていたんだけどね。」
それがなんと目覚めたエリス様は何も覚えていないらしかった。
というか、そう推測されるらしかったという。
目が覚めたエリス様はにこにこと微笑むばかりでこちらが何を聞いても不思議そうに小首を傾げ、一言も言葉を発せなかったらしい。
まるで別人のように、全く邪気のない笑顔を浮かべて子どものようにふるまうその姿は、わざとやっているのではなく本当に心が壊れてしまったかのようで元のエリス様の面影はないという。
「ユーリの力で人としての形は保ったままなんとか助かったけど、その心までは元通りにはならなかったということだね」
・・・まああんな人間離れした魔物みたいなものにまでなってしまったのだ、元の姿に戻れただけいいのかも知れない。
それに相当深くヨナスの力に影響を受けて魅入られてしまっているようだったし。
その力の影響を完全に取り除こうとして心が壊れてしまったらしいのはある意味当たり前なのかも・・・。
仕方なかったのは分かっている。だけどそれでもなんとなく心が痛みながら
「それで、エリス様は今どこに・・・?ヘイデス国やあのアラム陛下が引き取るとは思えませんけど。」
とその所在を尋ねる。あの時アラム陛下はエリス様を切り捨てたから、もしかしたらルーシャ国で・・・王宮か大神殿で保護しているのでは?
私の問いにリオン様が答えたエリス様の居場所は意外な所だった。
「彼女は今、ダーヴィゼルドだよ。あそこにある、ユーリがグノーデル神様の加護を付けた山に建てられた小さな神殿で働いてもらっている。」
ダーヴィゼルド?またどうしてそんな遠くに。目を丸くすれば詳しく教えてくれた。
「記憶がないとはいえ、また何かないとは限らないからね。念のため元からどこかの神殿で面倒を見させてその管理下におくつもりだった。そうしたらシグウェルにダーヴィゼルドを薦められたんだ。」
「シグウェルさんに?」
そこでシグウェルさんがそうだ、と頷いた。
「ダーヴィゼルドのあの山はグノーデル神様の加護でヨナス神の影響を受けたものには天罰のような雷が落ちるだろう?ヨナス神の力の影響を受けた者を管理しておくには最適な場所だ。」
「な、なるほど」
「今の彼女は大きい子どものようなものだ。こちらの指示には素直に従うから、きちんと説明さえすれば単純作業程度であれば問題なくこなせるからな。グノーデル神様を祀るために建てた山中の神殿で下働きをさせているが、万が一もしまたヨナス神の力がその体の中に芽生えようものならその時は即グノーデル神様の雷がその身に落ちてくるだろう。」
そう言って、「まあさすがにまた雷を落とされたらその時こそ命はないだろうな」と薄く笑うシグウェルさんのその姿は、なんだかまるでそれでも構わないとでも思っていそうだ。
グノーデルさんの加護が満ちているあの山は、下手に人に見張らせるよりもよっぽど確実にエリス様を見張ることが出来るという話だし、まるであの山全体がエリス様を取り囲む天然の檻みたいだ。
エリス様はそこから一生出られずに、グノーデルさんの神殿に仕えて過ごすのだろう。
グノーデルさんのことが大嫌いなヨナスの眷属にまで成り下がってしまったものが、そのグノーデルさんの神殿に仕え従うなんて強烈な皮肉だ。
「・・・エリス様に影響を与えていたヨナスの力については分かったことはありますか?」
エリス様についての顛末は分かった。残るはそのエリス様が暴走することになった元凶についてだ。
するとシグウェルさんが、
「君、さっきファレルにあったヨナス神の魔石の欠けらが影響を与えたのではと言っただろう?まさしくその通りだ。」
イリューディア神様の加護があるとそんなことまで分かるのか?と話しながらレジナスさんを見た。
そこから先についてはレジナスさんからも説明があるらしい。
シグウェルさんのアイコンタクトに小さく頷いたレジナスさんはリオン様の反対側に腰掛けて、リオン様が取っているのとは別のもう片方の私の手を握ってくれた。
「あの茶会の席で薬湯だと言って彼女のお茶に紫色の液体を注いでいた魔導士がいただろう?彼女が騒ぎを起こしてすぐに、こっそりあの場から逃げようとしていたそいつを捕まえた。」
さすがレジナスさん、あの時私は凶暴な小リスやエリス様の言動に惑わされてその他のことが全く見えていなかったのに。
私達に襲いかかってくるリスを捌きながら逃げ惑い非難する人達に混ざって姿を隠そうとしていた魔導士をちゃんと捕まえていたなんて。
「そいつを取り逃したらまた同じような力を持つ奴を作り出さないとも限らないからな。絶対に捕まえて、持っている情報は全部吐かせたかった」
「やっぱりその魔導士さんが原因でエリス様はあんな事に・・・?」
そう尋ねれば、そうだと頷かれた。
「そいつは熱烈なヨナス神の信奉者だった。イリューディア神様に姫巫女がいるように、ヨナス神についてもその力と加護を受けヨナス神の威光を高められる特別な者を見つけ出し、その者を中心にヨナス神を信仰する者を増やしたかったらしい。」
それに選ばれたのが元々巫女としての素質にも優れていたエリス様だった。
だけど元からプライドが高くて他人を認めることが出来ない性格だったらしいエリス様は、その資質以上にヨナス神の力に溺れて暴走してしまったんだろう。
そこでシェラさんが、二杯目のお茶を淹れてレジナスさんが握っている私の手をさっと振りほどくとかわりに私にお茶を手渡しながら話を引き取る。
「その魔導士がエリスというあの女にヨナス神の力を与えるために使ったのが、ファレルの神殿近くの集落で祀られていたヨナス神の魔石です。」
「お前なあ・・・!」
軽く睨むレジナスさんには知らんぷりをして、シェラさんはにこやかにお茶を持つ私の手ごと両手で包み込んだ。
「起き抜けでまだお体に力が入っていないと大変ですからね。カップを落とさないようにオレもお支えしますよ。」
・・・いや、別にそこまでしなくてもいいんだけど。
どう見てもレジナスさんじゃなくてシェラさん本人が私の手を握りたかっただけだ。
「シェラさんは相変わらずですねぇ・・・」
呆れてそう言ったのに、
「はい、そうですよ。ユーリ様がお眠りの間もこの先も、ユーリ様に対する尊崇の念もオレの愛情も一切変わることはありませんのでご安心くださいね。」
何故か褒め言葉に変換して嬉しそうに微笑まれた上に余計なことまで言われてしまった。一年ぶりでも全然ブレてない。本当に相変わらずだ。
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