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第十九章 聖女が街にやって来た
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「シェラさんじゃあるまいし、リオン様の色仕掛けなんて全然想像出来ないですね・・・?」
つい思った通りのことが口をついて出てしまえば、リオン様にゴホンとわざとらしく咳払いをされた。
「想像なんてしなくていいよ。僕がそんな事をユーリ以外にするわけがないでしょう?シグウェルの言ってることはつまり、あのエリスっていう聖女様がユーリやカティヤに何かしないように気をひけってことだから。」
「あ、そうですか・・・」
私だけにって、別に私にも色仕掛けなんてしなくていいんですけど?
なんてことを思いながらさっきシグウェルさんの言っていたことを考える。
私の手作りの、イリューディアさんの加護がついたものを弾くのは悪意を持ったものかその力に反発するもの。
イリューディアさんに反発する力のものといえば私にはヨナスしか思い浮かばない。
でもまさか、聖女様と呼ばれるような人が人間に悪影響を与える事もあるヨナスの力を利用するだろうか。
「・・・シグウェルさんはエリス様がヨナスの力を使っていると思いますか?」
私の疑問にほお、とシグウェルさんは目を細めた。
私がその可能性にちゃんと気付いた事に満足したらしい。
「ヘイデス国王は信仰心が薄い。だから仮に聖女様が人に災いをもたらすヨナス神の力を使っていようが、その力が国益をもたらしてくれて自分達を害さないものであればそれが何であれ利用するだけだろう。」
だからエリス様の使う力がヨナスのものでも気にしないだろうと言う。
「でも、もし本当にそれがヨナスの力だったら危険じゃないですか?万が一それがルーシャ国滞在中に暴走でもしたら・・・」
そう心配すればシグウェルさんも頷いた。
「だから俺もあの聖女様の使う力が本当にヨナス神に関係したものかどうかをもっとはっきり確かめたいんだがな。今のところはまだ推論でしかない。」
その言葉を受けてリオン様もそうだねと続けた。
「もし確実にヨナス神の力を使っているんだという事が分かれば、危険性を理由に聖女様だけ先にヘイデス国へ帰ってもらうようにも出来るんだけどね。そんな不安要素を抱えたまま兄上の戴冠式は迎えたくないし。」
まあ確かに。ファレルの神殿の時のようにヨナスの力で陛下や大声殿下を含め、ルーシャ国の主要貴族から一般の人達にまで影響を及ぼして、王都にいる全員が意識を失ったら国の一大事だ。
「だからユーリも気を付けて。彼女の使う力がヨナス神のものかどうかまだはっきりしていない今、滞在中の彼女にお茶会や散策に誘われても断る理由がない。一応国賓だしアラム陛下にも頼まれた手前、会いたいと請われれば会わなければいけない場面もあるだろう。」
リオン様は心配そうだ。
「晩餐会のほかに私がエリス様に会う予定は今のところないですよね?」
アラム陛下は同じような癒しの力を使う者同士、私とエリス様に交流を持って欲しそうだった。
「そうだね。もし何か要請があればエル以外にも僕らのうちの誰かが必ず同席するようにするから。」
僕らのうち、ということは伴侶の誰かという事だろうか。
「あの聖女様の魔力に本当にヨナス神の力が関係しているのかを確かめるには、同席するのは俺が最適だ。だが一つ急ぎでの王宮依頼の仕事がある。それを片付けたら君に同行させてもらおう。」
黙って私達の会話を聞いていたシグウェルさんは残念そうにそう言って私のお皿にお菓子を足すと席を立った。
リオン様はまだ私の手を握ったまま座っているから、今日はまだ時間があるらしい。
「こうしてユーリと一緒にいられるのも久しぶりだからね、もう少しだけここにいさせて。」
そんな事を言ってにっこり微笑む。
「さっきシグウェルが言っていた王都の結界の件だけど、結界が破られたわけじゃないから安心していいからね。確かめてもらったけど、何かがユーリの結界に触れて弾かれた跡が残っていたんだって。」
急ぎの仕事だと言っていなくなったシグウェルさんの説明を引き継いでリオン様が丁寧に教えてくれた。
「きっとそれがあの聖女様が結界に干渉しようとして失敗した跡なんだろう。それに彼女達はもう王都の中だ。ということはユーリの結界の中だから早々悪さは出来ないはずだよ。」
なるほど。結界の中ということはイリューディアさんの力も外よりも強まっているんだろうか。
「もう少しすればレジナスも王都周辺の警備から戻るし僕が側にいられない時はレジナスに守ってもらってね」
そう言いながら焼き菓子を口に寄せられた。
「リオン様を守る人がいないとダメじゃないですか!」
私にはエル君がいるのにレジナスさんにまで護衛してもらったらリオン様は誰が守るのか。
そう抗議すれば、その口元に寄せられていたお菓子がすかさず口の中へと入れられた。
んむ、と黙って咀嚼していると
「あの聖女様がもしヨナス神の力を持ってその影響を受けていたら、狙われるのはユーリの持つイリューディア神様の力だよ。勇者様の血を引く僕はそれよりもグノーデル神様の魔力の方が強いから、彼女もおいそれと手出しはして来ないんじゃないかな?」
あ・・・確かに。グノーデルさんとヨナスは犬猿の仲だ。
よほどのことでもなければヨナスが自分からグノーデルさんに近付くようなことはないだろう。
もしエリス様がその力の影響を受けていればヨナス同様、グノーデルさんの魔力に近いリオン様や大声殿下達ルーシャ国の王族にはそれほど手出しをしないかも知れない。
天上の世界でも、ヨナスは駄々っ子のようにイリューディアさんは自分のものだから全部ちょうだい!って叫んでいたっけ。
「だから僕よりもユーリが心配だよ。」
そう言ったリオン様にぎゅっと抱きしめられた。
最近会っていなかったからか、謁見の時といい今といいスキンシップが多めだ。
「大丈夫ですよ、心配してくれてありがとうございます!」
安心させようと抱きしめられた背中に手を回してポンポンと叩く。
大きくなったからやっとその背中全体に手が回るようになったなと思っていれば、そう思ったのはリオン様もだったらしく私の肩口でくすりと笑われた。
「酔っていないユーリにこうしてしっかりと抱きしめられることはなかなか無いね」
「酔っていないは余計だと思いますけど⁉︎」
そりゃあ確かに酔っ払った私は見境なくスキンシップが過剰になっているらしいけど。
そこでふと気付く。
「・・・ていうか、そっか。成長したっていうことは、ひょっとして前よりもお酒に強くなっている可能性はないですか?もしかして私も明日の晩餐会ではお酒で乾杯が・・・⁉︎」
「いきなり晩餐会での飲酒は危険でしょ、お酒に弱いのにどうしてユーリはそんなにお酒が好きなの?」
呆れたように言ったリオン様にまだ当分の間はアルコール禁止を言い渡されてしまった。
飲むならリオン様やレジナスさんの目の前で一度試してみてからということらしい。
「離宮でユリウスに肩車をせがんだ時やこの間の騎士団でのような事になったら目も当てられないからね。絶対にダメだよ」
念を押されてしまった。だけど私は知っている。
こんな風に言われれば言われるほど、後からそれを裏切る事態になるってことを。
押すなよ押すなよ?と言われるのは押される前フリであり、きっとこれはそのパターンなんだと。
つい思った通りのことが口をついて出てしまえば、リオン様にゴホンとわざとらしく咳払いをされた。
「想像なんてしなくていいよ。僕がそんな事をユーリ以外にするわけがないでしょう?シグウェルの言ってることはつまり、あのエリスっていう聖女様がユーリやカティヤに何かしないように気をひけってことだから。」
「あ、そうですか・・・」
私だけにって、別に私にも色仕掛けなんてしなくていいんですけど?
なんてことを思いながらさっきシグウェルさんの言っていたことを考える。
私の手作りの、イリューディアさんの加護がついたものを弾くのは悪意を持ったものかその力に反発するもの。
イリューディアさんに反発する力のものといえば私にはヨナスしか思い浮かばない。
でもまさか、聖女様と呼ばれるような人が人間に悪影響を与える事もあるヨナスの力を利用するだろうか。
「・・・シグウェルさんはエリス様がヨナスの力を使っていると思いますか?」
私の疑問にほお、とシグウェルさんは目を細めた。
私がその可能性にちゃんと気付いた事に満足したらしい。
「ヘイデス国王は信仰心が薄い。だから仮に聖女様が人に災いをもたらすヨナス神の力を使っていようが、その力が国益をもたらしてくれて自分達を害さないものであればそれが何であれ利用するだけだろう。」
だからエリス様の使う力がヨナスのものでも気にしないだろうと言う。
「でも、もし本当にそれがヨナスの力だったら危険じゃないですか?万が一それがルーシャ国滞在中に暴走でもしたら・・・」
そう心配すればシグウェルさんも頷いた。
「だから俺もあの聖女様の使う力が本当にヨナス神に関係したものかどうかをもっとはっきり確かめたいんだがな。今のところはまだ推論でしかない。」
その言葉を受けてリオン様もそうだねと続けた。
「もし確実にヨナス神の力を使っているんだという事が分かれば、危険性を理由に聖女様だけ先にヘイデス国へ帰ってもらうようにも出来るんだけどね。そんな不安要素を抱えたまま兄上の戴冠式は迎えたくないし。」
まあ確かに。ファレルの神殿の時のようにヨナスの力で陛下や大声殿下を含め、ルーシャ国の主要貴族から一般の人達にまで影響を及ぼして、王都にいる全員が意識を失ったら国の一大事だ。
「だからユーリも気を付けて。彼女の使う力がヨナス神のものかどうかまだはっきりしていない今、滞在中の彼女にお茶会や散策に誘われても断る理由がない。一応国賓だしアラム陛下にも頼まれた手前、会いたいと請われれば会わなければいけない場面もあるだろう。」
リオン様は心配そうだ。
「晩餐会のほかに私がエリス様に会う予定は今のところないですよね?」
アラム陛下は同じような癒しの力を使う者同士、私とエリス様に交流を持って欲しそうだった。
「そうだね。もし何か要請があればエル以外にも僕らのうちの誰かが必ず同席するようにするから。」
僕らのうち、ということは伴侶の誰かという事だろうか。
「あの聖女様の魔力に本当にヨナス神の力が関係しているのかを確かめるには、同席するのは俺が最適だ。だが一つ急ぎでの王宮依頼の仕事がある。それを片付けたら君に同行させてもらおう。」
黙って私達の会話を聞いていたシグウェルさんは残念そうにそう言って私のお皿にお菓子を足すと席を立った。
リオン様はまだ私の手を握ったまま座っているから、今日はまだ時間があるらしい。
「こうしてユーリと一緒にいられるのも久しぶりだからね、もう少しだけここにいさせて。」
そんな事を言ってにっこり微笑む。
「さっきシグウェルが言っていた王都の結界の件だけど、結界が破られたわけじゃないから安心していいからね。確かめてもらったけど、何かがユーリの結界に触れて弾かれた跡が残っていたんだって。」
急ぎの仕事だと言っていなくなったシグウェルさんの説明を引き継いでリオン様が丁寧に教えてくれた。
「きっとそれがあの聖女様が結界に干渉しようとして失敗した跡なんだろう。それに彼女達はもう王都の中だ。ということはユーリの結界の中だから早々悪さは出来ないはずだよ。」
なるほど。結界の中ということはイリューディアさんの力も外よりも強まっているんだろうか。
「もう少しすればレジナスも王都周辺の警備から戻るし僕が側にいられない時はレジナスに守ってもらってね」
そう言いながら焼き菓子を口に寄せられた。
「リオン様を守る人がいないとダメじゃないですか!」
私にはエル君がいるのにレジナスさんにまで護衛してもらったらリオン様は誰が守るのか。
そう抗議すれば、その口元に寄せられていたお菓子がすかさず口の中へと入れられた。
んむ、と黙って咀嚼していると
「あの聖女様がもしヨナス神の力を持ってその影響を受けていたら、狙われるのはユーリの持つイリューディア神様の力だよ。勇者様の血を引く僕はそれよりもグノーデル神様の魔力の方が強いから、彼女もおいそれと手出しはして来ないんじゃないかな?」
あ・・・確かに。グノーデルさんとヨナスは犬猿の仲だ。
よほどのことでもなければヨナスが自分からグノーデルさんに近付くようなことはないだろう。
もしエリス様がその力の影響を受けていればヨナス同様、グノーデルさんの魔力に近いリオン様や大声殿下達ルーシャ国の王族にはそれほど手出しをしないかも知れない。
天上の世界でも、ヨナスは駄々っ子のようにイリューディアさんは自分のものだから全部ちょうだい!って叫んでいたっけ。
「だから僕よりもユーリが心配だよ。」
そう言ったリオン様にぎゅっと抱きしめられた。
最近会っていなかったからか、謁見の時といい今といいスキンシップが多めだ。
「大丈夫ですよ、心配してくれてありがとうございます!」
安心させようと抱きしめられた背中に手を回してポンポンと叩く。
大きくなったからやっとその背中全体に手が回るようになったなと思っていれば、そう思ったのはリオン様もだったらしく私の肩口でくすりと笑われた。
「酔っていないユーリにこうしてしっかりと抱きしめられることはなかなか無いね」
「酔っていないは余計だと思いますけど⁉︎」
そりゃあ確かに酔っ払った私は見境なくスキンシップが過剰になっているらしいけど。
そこでふと気付く。
「・・・ていうか、そっか。成長したっていうことは、ひょっとして前よりもお酒に強くなっている可能性はないですか?もしかして私も明日の晩餐会ではお酒で乾杯が・・・⁉︎」
「いきなり晩餐会での飲酒は危険でしょ、お酒に弱いのにどうしてユーリはそんなにお酒が好きなの?」
呆れたように言ったリオン様にまだ当分の間はアルコール禁止を言い渡されてしまった。
飲むならリオン様やレジナスさんの目の前で一度試してみてからということらしい。
「離宮でユリウスに肩車をせがんだ時やこの間の騎士団でのような事になったら目も当てられないからね。絶対にダメだよ」
念を押されてしまった。だけど私は知っている。
こんな風に言われれば言われるほど、後からそれを裏切る事態になるってことを。
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