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第十六章 君の瞳は一億ボルト
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「うわぁ、ユーリ様、やっぱり大きくなってるじゃ
ないっすか!」
木々が燃え落ちてすっかり丸裸になった森の入り口で
私達を待っていたユリウスさんはそう言って目を
丸くした。
「シェラザード隊長の援護に戻ろうとしてたら、
急にここに雷が落ちたから驚いたっす!
慌てて来てみればレジナスに抱えられてぐったり
してる隊長はいるし、なぜかイリューディア神様
じゃなくてグノーデル神様の力を感じるしで、
まさかと思っていたんすけど・・・」
「シェラさんが?ぐったりしてた?」
私に告白をしていた時はわりと平気そうに見えた
けど・・・。
「結構な重傷だったっすよ。背中にはひどい火傷も
あったし右足もふくらはぎの辺りがちょっとえぐれて
たっすねぇ。ユーリ様、あの人にお守りの結界石を
あげてたでしょ?俺の防護魔法よりもあれのおかげで
致命傷をまぬがれてたと思うっす。それに簡単でも
癒しの力を使ってくれといたのが応急処置がわりに
なってて、それも俺がここに来るまでもった要因
っすね。」
「えぇ⁉︎」
そんなに重傷だったんだ。騎士服って黒いから血が
滲んでも色が分かりにくくて気付かなかった。
言われてみれば、抱き上げた時に何となく服の背中
部分が濡れてたような・・・。
あれ、もしかして血だった?治したらすぐに綺麗に
なってしまって私に着いた汚れも消えたから全然
知らなかった。
そんな状態でよくもまあ私に告白したものだ。
やっぱり死ぬかも知れないと思ったからこそだった
のかな・・・。
青くなった私にユリウスさんが慌てる。
「あっ、もう大丈夫っすよ!今言ったようにユーリ様
の力で大きな傷は塞がってたんで、俺の回復魔法も
使ったら自力で馬に乗れる程度には治って騎士と
一緒に避難先に行ったっすから!」
「そういえばユリウスさんの馬がないですね?」
辺りを見回してもユリウスさんしかいない。
「だから、あの隊長が俺の馬に乗って行っちゃった
んすよ。赤ちゃんがいたでしょ?あの子、避難民
の一人なんすけどお母さんとはぐれちゃってそれを
助けててあの人遅れたんす。だからとりあえず、
あの子を親に届けてからここにまた誰かが馬を持って
来てくれると思うんすけどねぇ」
じゃなければ俺は徒歩移動っすよ、徒歩‼︎
そうユリウスさんは肩をすくめた。
シェラさんが大怪我をしてたなんてと、レジナスさん
を見れば頷かれる。
「ユーリの前では平然としていただろう?心配を
かけまいとしたのか、ユーリにはいいところしか
見せたくないのか知らないが、あいつはそういう
奴だからな。」
まったく、シェラさんときたら。私とずっと一緒に
いたいと言うならそんないいところばかり見せずに、
強いところも弱いところもちゃんと見せれば
いいのに。
むっすりとした私を見たユリウスさんがレジナスさん
にこそこそ囁く。
「なんで機嫌が悪いんすか?ていうかこんなに
酔っ払ってて大丈夫っすか、また絡んできたり
しないっすよね?」
「聞こえてますよユリウスさん!酔ってるけど
だいじょーぶです、絡むってなんですか人聞きの悪い
こと言わないで下さい!まだまだ力は使えるんで、
ここに温泉を作りますよー!」
ユリウスさんも手伝ってください、とその腕を取って
ぐいぐい引いて歩く。
「ふらついてるじゃないっすかユーリ様!あと
力が強くて痛いっす‼︎」
「ええっとー。まず私が地面をグーで殴って温泉を
出すんで、それが溢れ出さないようにユリウスさん
にはその周りに囲いを作ってほしいです!」
「いや、俺の話聞いて⁉︎痛い痛い、骨が折れるっす!
ちょっとレジナス、助けるっすよ!」
せっかく説明しているのにユリウスさんがうるさい。
「私の話、聞いてますか?静かにしないとめっ!
ですよ。口を塞がれたいですかぁ?」
しぃ、とユリウスさんの唇に指先を当てて顔を
近付ければ、ピタリとユリウスさんの動きは止まる。
「え?なな何すか、近いっすよ、まさか酔っ払って
口付け魔になってるとかナイっすよね?え、やば、
俺にも心の準備ってものがあるんすけど⁉︎」
何を一人で狼狽えているんだろうかユリウスさんは。
「何言ってるんですか?」
ゆらゆら頭を揺らしながら小首を傾げて聞けば
「やめないかユーリ!ユリウス、お前もおかしな事は
言うな、今のユーリは何をしでかすか分からない
んだからな⁉︎」
レジナスさんにすごい勢いで引き剥がされると
そのままお姫様抱っこをされた。
「あら?」
「さっきシェラと一緒にいた場所に連れて行けば
いいんだろう?」
そう言って私を抱えたままスタスタ歩くレジナスさん
は顔が赤い。
「心配しなくてもユリウスさんに口付けたりなんか
しないですよぉ、ごめんなさい!」
抱かれたままレジナスさんの首に手を回して、
ぎゅっとする。
「・・・いいから、すぐそこに着くまでじっと
していろ」
気恥ずかしげに言ったレジナスさんにはいはい、と
適当にあいずちを打つ。
そんな私にユリウスさんは
「ユーリ様って酔うと絡んでくるって言うか甘えた
になるのに、俺への扱いだけがヒド過ぎるっす!」
そんな事を言っている。
「ごめんなさい、ユリウスさんは伴侶にも選べないし
口付けもできないんですー!」
「ほらぁ!何なんすか、脈絡もなくヒドイ事を
言ってる‼︎」
ユリウスさんに抗議された。
だって事実だもん。どう考えてもいいお兄さんと
しか思えない。
・・・だけどそれじゃあ、シェラさんは?
突然の伴侶の申し出と告白に驚いて逃げてしまった
けど、それを「あり得ない」とか「絶対にない」と
すぐに言い切れない自分がいる。
でもそれだけで伴侶に選ぶってどうなんだ。
これから先、出会って求婚してくる人をみんな
それだけで判断してたら伴侶の数が増えまくって
大変なことにならないかな?
むう、と考え込めば
「なんだか難しい顔をしているな。もしかして
シェラの件か?それならひとまず横においておけ。
今はこちらに集中して後でゆっくり考えた方がいい」
ユリウスさんに聞こえないように、そうレジナスさん
に囁かれてゆっくり地面に降ろされた。
目の前にはさっき私が雷を落として火を消して
シェラさんに告白された場所が広がっていた。
大穴、というほどではないけれどやっぱり穴が
出来ている。
「じゃあやりますね」
万が一ローブが濡れたら私を隠すものがなくなって
困るので、ローブだけは脱ぐ。
「・・・これも脱いだ方がいいですか?」
ちょっと考えて上着にも手を伸ばせば止めろと
レジナスさんに止められた。
「それを脱いだら胸がはだける!ユリウスの奴に
そんな格好を見せるつもりか⁉︎濡れたら俺の上着を
貸すから、とりあえずそのままでいるんだ!」
上着にかけた手を取られて必死で説得された。
「そうですか?でもそろそろちょっと暑くなって
来たんですけど・・・」
「いいから!」
集中だ、と穴の中央を見るように体を向けられた。
そんなに言うなら、とふらつきながらも中央に
向かって歩いて行って、立ち膝を着く。
「えーと・・・」
左手は地面について、右手はぐっと引く。
何て言おうかな。
「温泉、いっぱい出てこーい‼︎」
考えた結果、酔っ払いの頭では結局シンプルな言葉
しか出てこなかった。
そのまま引いた右手で思い切り地面を殴り付ける。
レンさんが魔物を殴り倒していたのと同じような
イメージだ。
ドン、と言う短い音と共に地面がぐらりと揺れる。
「いくらグノーデル神様の加護があるからって、
ユーリ様の細腕で殴っただけでこんなに揺れるもん
なんすか⁉︎拳は大丈夫っすか⁉︎」
ユリウスさんの慌てた声が後ろで聞こえた。
「大丈夫ですよ~」
笑っていれば、地面に着いた拳の下に泉が湧き出る
時と同じような微かな振動を感じた。
あっ、と思って急いで立ち上がればふらついた私を
レジナスさんが支えてくれたのと地面から熱い温泉
が噴き出して来たのは同時だった。
ないっすか!」
木々が燃え落ちてすっかり丸裸になった森の入り口で
私達を待っていたユリウスさんはそう言って目を
丸くした。
「シェラザード隊長の援護に戻ろうとしてたら、
急にここに雷が落ちたから驚いたっす!
慌てて来てみればレジナスに抱えられてぐったり
してる隊長はいるし、なぜかイリューディア神様
じゃなくてグノーデル神様の力を感じるしで、
まさかと思っていたんすけど・・・」
「シェラさんが?ぐったりしてた?」
私に告白をしていた時はわりと平気そうに見えた
けど・・・。
「結構な重傷だったっすよ。背中にはひどい火傷も
あったし右足もふくらはぎの辺りがちょっとえぐれて
たっすねぇ。ユーリ様、あの人にお守りの結界石を
あげてたでしょ?俺の防護魔法よりもあれのおかげで
致命傷をまぬがれてたと思うっす。それに簡単でも
癒しの力を使ってくれといたのが応急処置がわりに
なってて、それも俺がここに来るまでもった要因
っすね。」
「えぇ⁉︎」
そんなに重傷だったんだ。騎士服って黒いから血が
滲んでも色が分かりにくくて気付かなかった。
言われてみれば、抱き上げた時に何となく服の背中
部分が濡れてたような・・・。
あれ、もしかして血だった?治したらすぐに綺麗に
なってしまって私に着いた汚れも消えたから全然
知らなかった。
そんな状態でよくもまあ私に告白したものだ。
やっぱり死ぬかも知れないと思ったからこそだった
のかな・・・。
青くなった私にユリウスさんが慌てる。
「あっ、もう大丈夫っすよ!今言ったようにユーリ様
の力で大きな傷は塞がってたんで、俺の回復魔法も
使ったら自力で馬に乗れる程度には治って騎士と
一緒に避難先に行ったっすから!」
「そういえばユリウスさんの馬がないですね?」
辺りを見回してもユリウスさんしかいない。
「だから、あの隊長が俺の馬に乗って行っちゃった
んすよ。赤ちゃんがいたでしょ?あの子、避難民
の一人なんすけどお母さんとはぐれちゃってそれを
助けててあの人遅れたんす。だからとりあえず、
あの子を親に届けてからここにまた誰かが馬を持って
来てくれると思うんすけどねぇ」
じゃなければ俺は徒歩移動っすよ、徒歩‼︎
そうユリウスさんは肩をすくめた。
シェラさんが大怪我をしてたなんてと、レジナスさん
を見れば頷かれる。
「ユーリの前では平然としていただろう?心配を
かけまいとしたのか、ユーリにはいいところしか
見せたくないのか知らないが、あいつはそういう
奴だからな。」
まったく、シェラさんときたら。私とずっと一緒に
いたいと言うならそんないいところばかり見せずに、
強いところも弱いところもちゃんと見せれば
いいのに。
むっすりとした私を見たユリウスさんがレジナスさん
にこそこそ囁く。
「なんで機嫌が悪いんすか?ていうかこんなに
酔っ払ってて大丈夫っすか、また絡んできたり
しないっすよね?」
「聞こえてますよユリウスさん!酔ってるけど
だいじょーぶです、絡むってなんですか人聞きの悪い
こと言わないで下さい!まだまだ力は使えるんで、
ここに温泉を作りますよー!」
ユリウスさんも手伝ってください、とその腕を取って
ぐいぐい引いて歩く。
「ふらついてるじゃないっすかユーリ様!あと
力が強くて痛いっす‼︎」
「ええっとー。まず私が地面をグーで殴って温泉を
出すんで、それが溢れ出さないようにユリウスさん
にはその周りに囲いを作ってほしいです!」
「いや、俺の話聞いて⁉︎痛い痛い、骨が折れるっす!
ちょっとレジナス、助けるっすよ!」
せっかく説明しているのにユリウスさんがうるさい。
「私の話、聞いてますか?静かにしないとめっ!
ですよ。口を塞がれたいですかぁ?」
しぃ、とユリウスさんの唇に指先を当てて顔を
近付ければ、ピタリとユリウスさんの動きは止まる。
「え?なな何すか、近いっすよ、まさか酔っ払って
口付け魔になってるとかナイっすよね?え、やば、
俺にも心の準備ってものがあるんすけど⁉︎」
何を一人で狼狽えているんだろうかユリウスさんは。
「何言ってるんですか?」
ゆらゆら頭を揺らしながら小首を傾げて聞けば
「やめないかユーリ!ユリウス、お前もおかしな事は
言うな、今のユーリは何をしでかすか分からない
んだからな⁉︎」
レジナスさんにすごい勢いで引き剥がされると
そのままお姫様抱っこをされた。
「あら?」
「さっきシェラと一緒にいた場所に連れて行けば
いいんだろう?」
そう言って私を抱えたままスタスタ歩くレジナスさん
は顔が赤い。
「心配しなくてもユリウスさんに口付けたりなんか
しないですよぉ、ごめんなさい!」
抱かれたままレジナスさんの首に手を回して、
ぎゅっとする。
「・・・いいから、すぐそこに着くまでじっと
していろ」
気恥ずかしげに言ったレジナスさんにはいはい、と
適当にあいずちを打つ。
そんな私にユリウスさんは
「ユーリ様って酔うと絡んでくるって言うか甘えた
になるのに、俺への扱いだけがヒド過ぎるっす!」
そんな事を言っている。
「ごめんなさい、ユリウスさんは伴侶にも選べないし
口付けもできないんですー!」
「ほらぁ!何なんすか、脈絡もなくヒドイ事を
言ってる‼︎」
ユリウスさんに抗議された。
だって事実だもん。どう考えてもいいお兄さんと
しか思えない。
・・・だけどそれじゃあ、シェラさんは?
突然の伴侶の申し出と告白に驚いて逃げてしまった
けど、それを「あり得ない」とか「絶対にない」と
すぐに言い切れない自分がいる。
でもそれだけで伴侶に選ぶってどうなんだ。
これから先、出会って求婚してくる人をみんな
それだけで判断してたら伴侶の数が増えまくって
大変なことにならないかな?
むう、と考え込めば
「なんだか難しい顔をしているな。もしかして
シェラの件か?それならひとまず横においておけ。
今はこちらに集中して後でゆっくり考えた方がいい」
ユリウスさんに聞こえないように、そうレジナスさん
に囁かれてゆっくり地面に降ろされた。
目の前にはさっき私が雷を落として火を消して
シェラさんに告白された場所が広がっていた。
大穴、というほどではないけれどやっぱり穴が
出来ている。
「じゃあやりますね」
万が一ローブが濡れたら私を隠すものがなくなって
困るので、ローブだけは脱ぐ。
「・・・これも脱いだ方がいいですか?」
ちょっと考えて上着にも手を伸ばせば止めろと
レジナスさんに止められた。
「それを脱いだら胸がはだける!ユリウスの奴に
そんな格好を見せるつもりか⁉︎濡れたら俺の上着を
貸すから、とりあえずそのままでいるんだ!」
上着にかけた手を取られて必死で説得された。
「そうですか?でもそろそろちょっと暑くなって
来たんですけど・・・」
「いいから!」
集中だ、と穴の中央を見るように体を向けられた。
そんなに言うなら、とふらつきながらも中央に
向かって歩いて行って、立ち膝を着く。
「えーと・・・」
左手は地面について、右手はぐっと引く。
何て言おうかな。
「温泉、いっぱい出てこーい‼︎」
考えた結果、酔っ払いの頭では結局シンプルな言葉
しか出てこなかった。
そのまま引いた右手で思い切り地面を殴り付ける。
レンさんが魔物を殴り倒していたのと同じような
イメージだ。
ドン、と言う短い音と共に地面がぐらりと揺れる。
「いくらグノーデル神様の加護があるからって、
ユーリ様の細腕で殴っただけでこんなに揺れるもん
なんすか⁉︎拳は大丈夫っすか⁉︎」
ユリウスさんの慌てた声が後ろで聞こえた。
「大丈夫ですよ~」
笑っていれば、地面に着いた拳の下に泉が湧き出る
時と同じような微かな振動を感じた。
あっ、と思って急いで立ち上がればふらついた私を
レジナスさんが支えてくれたのと地面から熱い温泉
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