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第十二章 癒し子来たりて虎を呼ぶ
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グノーデルさんをしっかりと抱き締めたところで
私の記憶は途切れた。
そしてそのままふっ、と目が覚める。
ああ、グノーデルさんとお別れしちゃった。もう少し
イリューディアさんの事とか話をしたかったな。
うとうとしながらそう思っていたら、リオン様の声が
耳元でした。
「おはようユーリ、グノーデル神様には会えた?」
「ひゃあ‼︎」
寝起きにリオン様の艶っぽい低音ボイスが至近距離で
聴こえてくるのは心臓に悪い。
気付けば私はリオン様の首に両手を回して抱きついて
いた。これはあれだ、夢の中で最後にグノーデルさん
に抱き着いたそのままの格好だ。
「お、おはようございます!会えましたよ、最後には
グノーデルさんの首に抱きついてました。だから今
こうしてリオン様に抱きついちゃってるわけで」
「へえ、僕はユーリの方からなかなか抱き締めて
貰えないのにグノーデル神様が羨ましいな。」
「そうきましたか・・・」
まさかグノーデルさんにまで嫉妬するとは。
そんなリオン様を励まそうとグノーデルさんが
褒めていたことを伝えてあげる。
「まあまあ、機嫌を直して下さいよ!グノーデルさん
リオン様のことを褒めてましたよ!」
「へえ?」
どうやらリオン様の興味を引いたようだ。
「グノーデル神様が僕のことをご存知だとはね。
一体どんなことをおっしゃっていたの?」
「私を寝かしつけるのが上手だって褒めてました!
子供が出来たら良い父親になるぞっていうことも
言ってましたよ!」
リオン様が褒められるのは私も嬉しい。胸を張って
そう教えたら、私を抱き締めたまま頭を撫でていた
リオン様の手がピタリと止まった。
「リオン様?」
どうしたのかと顔を見上げたらうっすらと赤くなって
いる。
「どっ、どうしました⁉︎」
「・・・この状況でどうしてそういう事を言うかな。
え?わざとじゃないよね?誘ってる?もう朝だけど」
「何の話です?」
「僕が良い父親になるんなら、一体それは僕と誰の
子供なんだろうね・・・」
リオン様はくるくると私の髪の毛をもて遊びながら
分かってないねとため息をつくように言った。
誰とって?リオン様の子供が?
本気で一瞬分からなくてぽかんとしたら、
もて遊ばれていた髪の毛を一房すいと取られて
口付けられた。
そのまま髪の毛に落としていた視線を意味あり気に
流し目でよこされて、そこでやっと気付く。
・・・私か‼︎気付くの遅っ‼︎
「違います、誘ってませんよ⁉︎何言ってるんです⁉︎」
「ユーリに似た子なら男の子でも女の子でも、
どちらでもとても可愛いんだろうね。僕が寝かしつけ
が上手いのは、カティヤが小さい頃に僕がよく面倒を
見てあげていたからそのおかげだけど。勿論、僕は
自分の実の子供ならなおさら喜んで寝かしつけは
するからその時は安心して任せてくれていいよ。」
「そこまでです!将来設計はまた後にしましょう‼︎」
余計なことを言ってしまった。
バッとベッドの上に立ち上がり、はじの方に
転がっていた羊さんを抱き締める。
今の私の精神安定剤代わりだ。
「どうしてそこで父上の羊に頼るかなぁ」
「グノーデルさんと一緒です、モフモフは心を
落ち着かせてくれますからっ‼︎」
リオン様以上に赤くなってそう言えば、
「冗談だよ、からかってごめんね?」
リオン様は無邪気な笑顔を見せてくれたけど
安心できない。
「グノーデルさんから勇者様の小刀がある場所も
ちゃんと聞きましたよ、おかしな冗談はやめて
真面目に今後のことを話しましょうね⁉︎」
念を押せばあっさりと頷いたリオン様は
「分かったよ、着替えてくるから続きは朝食の席で
レジナスも交えて話を聞かせてもらおう。」
そう言って自分の部屋へと戻って行った。
人のことをからかうだけからかって。
いや、全くの無意識であんな事を言ってしまった
私が悪いの?それなら最初に子供がどうこう
言ったグノーデルさんが原因だよね⁉︎
こんな様子もグノーデルさんはどこかで見て
いるんだろうか。
もー!と一人になったベッドの上で、シンシアさん達
が入ってくるまで羊のぬいぐるみを抱きしめて私は
ごろごろ寝転がると一通り悶絶した。
「・・・アドニスか。そこまで大きな町ではないけど
確かに勇者様とグノーデル神様を祀る神殿があった
ような気がするな・・・。」
朝食の席で私の話を聞いたリオン様はそう言うと
後ろのレジナスさんを見た。
レジナスさんも頷いて、
「標高の高い山間部に位置する町です。騎士は
常駐せず、傭兵団がいたかと。鏡の間はなく魔導士も
いない町なので、連絡は直接アドニスの神殿へ精霊を
飛ばすか、山を一つ越えた隣町に住むアドニスを管轄
する領主に話を通すことになりますね。」
さすがレジナスさん、なんでも知っている。
「グノーデルさんはここから遠く離れているって
言ってましたけど、そんなに遠いんですか?」
私からも聞いてみれば、
「大体6日ほどかかる。最近は街道が整備され始めて
いるからこれでも前ほど日数はかからなくなった
方ではあるが・・・」
今の体力が落ちたユーリで大丈夫か?とレジナスさん
は少し心配そうだ。
「リオン様のおかげでヨナスの夢を見ないで済んで
いますし、夢の中でグノーデルさんに会えたら
なんだか元気が出ました!大丈夫ですよ?」
「もし本当に行くつもりなら、僕とレジナスも
同行しよう。」
私の受け答えにリオン様が考えながらそう言った。
「ええ?」
「長めの移動だし、ユーリにまだヨナスの影響が
残っていないか心配だからね。それにアドニスに
そんなに重要な勇者様の遺物があるなら、王族の
僕が直接出向いてもそこまでおかしくもないし。」
「ご快復されてから初めての本格的な遠方への
視察になりますね。」
レジナスさんの言葉にリオン様は微笑む。
「そうだね。それが僕の目を治した癒し子と一緒に
グノーデル神様と勇者様のゆかりの地への視察なら
これ以上のことはないだろうね。」
そこでふとリオン様が思い付いたように言う。
「そういえばアドニスから勇者様の遺物を受け取ると
元々そこに祀られていたものが無くなってしまうね。
兄上に相談して、王家に遺されている勇者様の物を
何か一つ、代わりに奉納するのがいいだろう。」
その言葉に、すぐに視察の行程を組んで代わりの
遺物についても宝物殿の所有物リストを確かめます、
とレジナスさんは礼をした。
・・・そうやって急遽アドニスへの視察と勇者様の
遺物を受け渡しするための旅が組まれた。
ついでに私の希望で行きと帰りのどちらも途中で
宿泊する町・・・アドニスに着くまで3カ所で一泊
ずつだけど、その町では癒しの力で病やケガに悩む
人達を治す事にした。
それにアドニスの町とそこを管轄する領主様がいる
隣町でも力を使う。
全部合わせれば往復で10回、癒しの力を使う予定だ。
ついでに孤児院でもあるようなら例のパン籠も
寄付したいという事も併せて話すと、リオン様達には
力を使い過ぎじゃないか、大丈夫かと心配された。
でも離宮で大きい姿に戻ってからまた少し使える力に
余裕が出来た気がするから全く問題ない。
こうやって少しずつイリューディアさんの力を使える
余裕が増えていけばヨナスの影響も受けにくくなって
いくのかな。
夢の中で頑張れよ、と励ましてくれたグノーデルさん
を思い出す。
私が通る道中で癒しの力を使うという話が広まれば
近隣の町からも人が押し寄せる可能性があるので
広めの場所の確保や集まる人達を整理する人員、
護衛の選定、孤児院の有無など出発までに決める事は
たくさんある。
私の思い付きでみんなを忙しくさせて悪いなと
申し訳なく思ったけど、マリーさんなんかは
「遠く離れた地からわざわざ癒し子様がその力を
使いに来てくれるんですからみんな喜びますよ!」
とニコニコしている。みんなもそう思ってくれて
いればいいんだけど。
そうして準備に追われる中、悲しそうな顔をした
シェラさんが私に会いに来た。
私の記憶は途切れた。
そしてそのままふっ、と目が覚める。
ああ、グノーデルさんとお別れしちゃった。もう少し
イリューディアさんの事とか話をしたかったな。
うとうとしながらそう思っていたら、リオン様の声が
耳元でした。
「おはようユーリ、グノーデル神様には会えた?」
「ひゃあ‼︎」
寝起きにリオン様の艶っぽい低音ボイスが至近距離で
聴こえてくるのは心臓に悪い。
気付けば私はリオン様の首に両手を回して抱きついて
いた。これはあれだ、夢の中で最後にグノーデルさん
に抱き着いたそのままの格好だ。
「お、おはようございます!会えましたよ、最後には
グノーデルさんの首に抱きついてました。だから今
こうしてリオン様に抱きついちゃってるわけで」
「へえ、僕はユーリの方からなかなか抱き締めて
貰えないのにグノーデル神様が羨ましいな。」
「そうきましたか・・・」
まさかグノーデルさんにまで嫉妬するとは。
そんなリオン様を励まそうとグノーデルさんが
褒めていたことを伝えてあげる。
「まあまあ、機嫌を直して下さいよ!グノーデルさん
リオン様のことを褒めてましたよ!」
「へえ?」
どうやらリオン様の興味を引いたようだ。
「グノーデル神様が僕のことをご存知だとはね。
一体どんなことをおっしゃっていたの?」
「私を寝かしつけるのが上手だって褒めてました!
子供が出来たら良い父親になるぞっていうことも
言ってましたよ!」
リオン様が褒められるのは私も嬉しい。胸を張って
そう教えたら、私を抱き締めたまま頭を撫でていた
リオン様の手がピタリと止まった。
「リオン様?」
どうしたのかと顔を見上げたらうっすらと赤くなって
いる。
「どっ、どうしました⁉︎」
「・・・この状況でどうしてそういう事を言うかな。
え?わざとじゃないよね?誘ってる?もう朝だけど」
「何の話です?」
「僕が良い父親になるんなら、一体それは僕と誰の
子供なんだろうね・・・」
リオン様はくるくると私の髪の毛をもて遊びながら
分かってないねとため息をつくように言った。
誰とって?リオン様の子供が?
本気で一瞬分からなくてぽかんとしたら、
もて遊ばれていた髪の毛を一房すいと取られて
口付けられた。
そのまま髪の毛に落としていた視線を意味あり気に
流し目でよこされて、そこでやっと気付く。
・・・私か‼︎気付くの遅っ‼︎
「違います、誘ってませんよ⁉︎何言ってるんです⁉︎」
「ユーリに似た子なら男の子でも女の子でも、
どちらでもとても可愛いんだろうね。僕が寝かしつけ
が上手いのは、カティヤが小さい頃に僕がよく面倒を
見てあげていたからそのおかげだけど。勿論、僕は
自分の実の子供ならなおさら喜んで寝かしつけは
するからその時は安心して任せてくれていいよ。」
「そこまでです!将来設計はまた後にしましょう‼︎」
余計なことを言ってしまった。
バッとベッドの上に立ち上がり、はじの方に
転がっていた羊さんを抱き締める。
今の私の精神安定剤代わりだ。
「どうしてそこで父上の羊に頼るかなぁ」
「グノーデルさんと一緒です、モフモフは心を
落ち着かせてくれますからっ‼︎」
リオン様以上に赤くなってそう言えば、
「冗談だよ、からかってごめんね?」
リオン様は無邪気な笑顔を見せてくれたけど
安心できない。
「グノーデルさんから勇者様の小刀がある場所も
ちゃんと聞きましたよ、おかしな冗談はやめて
真面目に今後のことを話しましょうね⁉︎」
念を押せばあっさりと頷いたリオン様は
「分かったよ、着替えてくるから続きは朝食の席で
レジナスも交えて話を聞かせてもらおう。」
そう言って自分の部屋へと戻って行った。
人のことをからかうだけからかって。
いや、全くの無意識であんな事を言ってしまった
私が悪いの?それなら最初に子供がどうこう
言ったグノーデルさんが原因だよね⁉︎
こんな様子もグノーデルさんはどこかで見て
いるんだろうか。
もー!と一人になったベッドの上で、シンシアさん達
が入ってくるまで羊のぬいぐるみを抱きしめて私は
ごろごろ寝転がると一通り悶絶した。
「・・・アドニスか。そこまで大きな町ではないけど
確かに勇者様とグノーデル神様を祀る神殿があった
ような気がするな・・・。」
朝食の席で私の話を聞いたリオン様はそう言うと
後ろのレジナスさんを見た。
レジナスさんも頷いて、
「標高の高い山間部に位置する町です。騎士は
常駐せず、傭兵団がいたかと。鏡の間はなく魔導士も
いない町なので、連絡は直接アドニスの神殿へ精霊を
飛ばすか、山を一つ越えた隣町に住むアドニスを管轄
する領主に話を通すことになりますね。」
さすがレジナスさん、なんでも知っている。
「グノーデルさんはここから遠く離れているって
言ってましたけど、そんなに遠いんですか?」
私からも聞いてみれば、
「大体6日ほどかかる。最近は街道が整備され始めて
いるからこれでも前ほど日数はかからなくなった
方ではあるが・・・」
今の体力が落ちたユーリで大丈夫か?とレジナスさん
は少し心配そうだ。
「リオン様のおかげでヨナスの夢を見ないで済んで
いますし、夢の中でグノーデルさんに会えたら
なんだか元気が出ました!大丈夫ですよ?」
「もし本当に行くつもりなら、僕とレジナスも
同行しよう。」
私の受け答えにリオン様が考えながらそう言った。
「ええ?」
「長めの移動だし、ユーリにまだヨナスの影響が
残っていないか心配だからね。それにアドニスに
そんなに重要な勇者様の遺物があるなら、王族の
僕が直接出向いてもそこまでおかしくもないし。」
「ご快復されてから初めての本格的な遠方への
視察になりますね。」
レジナスさんの言葉にリオン様は微笑む。
「そうだね。それが僕の目を治した癒し子と一緒に
グノーデル神様と勇者様のゆかりの地への視察なら
これ以上のことはないだろうね。」
そこでふとリオン様が思い付いたように言う。
「そういえばアドニスから勇者様の遺物を受け取ると
元々そこに祀られていたものが無くなってしまうね。
兄上に相談して、王家に遺されている勇者様の物を
何か一つ、代わりに奉納するのがいいだろう。」
その言葉に、すぐに視察の行程を組んで代わりの
遺物についても宝物殿の所有物リストを確かめます、
とレジナスさんは礼をした。
・・・そうやって急遽アドニスへの視察と勇者様の
遺物を受け渡しするための旅が組まれた。
ついでに私の希望で行きと帰りのどちらも途中で
宿泊する町・・・アドニスに着くまで3カ所で一泊
ずつだけど、その町では癒しの力で病やケガに悩む
人達を治す事にした。
それにアドニスの町とそこを管轄する領主様がいる
隣町でも力を使う。
全部合わせれば往復で10回、癒しの力を使う予定だ。
ついでに孤児院でもあるようなら例のパン籠も
寄付したいという事も併せて話すと、リオン様達には
力を使い過ぎじゃないか、大丈夫かと心配された。
でも離宮で大きい姿に戻ってからまた少し使える力に
余裕が出来た気がするから全く問題ない。
こうやって少しずつイリューディアさんの力を使える
余裕が増えていけばヨナスの影響も受けにくくなって
いくのかな。
夢の中で頑張れよ、と励ましてくれたグノーデルさん
を思い出す。
私が通る道中で癒しの力を使うという話が広まれば
近隣の町からも人が押し寄せる可能性があるので
広めの場所の確保や集まる人達を整理する人員、
護衛の選定、孤児院の有無など出発までに決める事は
たくさんある。
私の思い付きでみんなを忙しくさせて悪いなと
申し訳なく思ったけど、マリーさんなんかは
「遠く離れた地からわざわざ癒し子様がその力を
使いに来てくれるんですからみんな喜びますよ!」
とニコニコしている。みんなもそう思ってくれて
いればいいんだけど。
そうして準備に追われる中、悲しそうな顔をした
シェラさんが私に会いに来た。
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