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第四章 何もしなければ何も起こらない、のだ。

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「このままですと夕方前には着きそうですね。」

ガタゴト走る馬車の中から外の景色を
確かめたシンシアさんがそう言った。

「お昼も取ったのにそんなに早く着くんですか⁉︎」

マリーさんが驚いている。
普通はもっとかかるらしい。

「夕方前に着くのは早い方なんですか?」

「そうですね。さっきお昼を取った町は
ノイエ領までの途中にある唯一の集落で、
あそこで休憩を挟んでからノイエへ向かうと
大体夕方から夜にかけての到着になります。
なので、早く着きたい人は休憩をいれずに
王都から一気に向かうんですが、そうすると
夕方前の明るい時間帯に着くんです。」

私の疑問にシンシアさんが丁寧に答えてくれた。

なるほど、今回はお昼休憩を挟んでいるのに
昼休憩なしのペースと同じ位の早さで
進んでいると言う事かぁ。確かに早い。

レジナスさんの手配した馬を
リオン様が褒めていたけど
そういうことだったんだね。

それにしても、と気になった事を
シンシアさんについでに聞いてみる。

「さっきの町は、ずいぶんと
こじんまりしていましたよね?
てっきり、ノイエ領に行く途中に
立ち寄る人達でもっと
賑わっているのかと思ってました」

ああ、とシンシアさんが頷く。

「ノイエ領への行きに
立ち寄ってもあの町に
お金を使う人はあまりいません。
むしろ皆、ノイエに着いてから
美食や温泉を楽しむ為に、
到着まではなるべく節約しますから。
逆に帰りはたくさんお金を使った後で、
あの町に落としていくお金自体が
ほとんどないですし、帰路は皆早く
うちに着きたくて町自体に寄らずに
強行軍で帰る事も多いんです。」

シンシアさんの説明に
マリーさんも頷いている。

「確かに、我が家でも
ノイエ領へは行きも帰りも
軽食を持って馬車の中で
食べたりしてますね。
そうすると町に立ち寄らない分
明るいうちに着きますから。」

なるほどねぇ。だからなのか、
保養地に向かう途中の集落にしては
なんとなく町全体が落ち着いた
雰囲気というか、
閑散としていたというか・・・。
そう、活気がない感じだった。

元の世界での、大型スーパーが
近所にできて寂れていく
地元商店街を思い出した。
あの雰囲気にそっくりだ。

あっ、でも。お昼を思い出して
声を上げた。

「でもご飯はおいしかったですよ?
チキンのパリパリ焼き‼︎
パンもフワフワで甘みが
あっておいしかったです!」

食堂のおばちゃんも人が良い
優しい人だった。
と、シンシアさんが
申し訳なさそうな顔をした。

「ユーリ様・・・すみません、
今日の食事は材料から一式、
王宮よりの持込みです。
城で下ごしらえだけして、
残りは私達の到着に合わせて
仕上げだけあの食堂で
してあったんです」

「エッ」

「ノイエには精霊の祝福もあり
豊かな土壌で御料牧場もありますが、
あの町はいたって普通の、
ごく平凡な場所ですので・・・。
リオン殿下やユーリ様の口に合う食事を
準備する余裕がないのです。
先行して出発した魔導士団長殿と
同行している荷馬車に先ほどの
食事の材料と、あの町の
イリューディア神を祀る神殿や
孤児院への寄付用の食糧が
積んであったんですよ。」

今回はユーリ様の初めての
視察祝いで、町全体へ行き渡る量の
食糧やお酒も食事振舞いとして
引き渡されているはずです。

そう教えられてびっくりする。
じゃああの町の懐具合って
結構悪いのでは?

保養地として有名なノイエ領への
街道沿いにある町だから、
普通の街同士を繋ぐ街道よりも
馬車や人の往来は多いだろう。

往来が多いということは、その分
街道の痛みも早いはず。

傷んだ街道の修繕に費用が
かかるだろうに
町に立ち寄る人も少なく
お金が落ちないのであれば、
修繕費用がかかって
大変ではないだろうか。

元の世界でも、大きな国道沿いに
往来の激しい道路を持つ
町の役場からは、
しょっちゅううちの会社に
単管バリケードのレンタルや
道路補修のためのコンクリ車リースの
注文が入っていた。

一度陥没した道路は傷みやすい。
その一部分を補修しても、
結局また同じ所から
陥没してしまうのだ。

そうすると何度も何度も
補修が必要になる。

あの町もそれと同じように街道の
小さな傷みを頻繁に直していたら
相当お金が必要になるだろうなあ。

有名な保養地に繋がる重要な
街道だから、直さないわけにも
いかないよね。

でもノイエ領への中継地として
泊まる人や休憩する人が
少なければ町に落ちるお金も
少ないだろうし・・・。

魔法で直せればいいんだろうけど、
それなら今頃街道はどこもかしこも
ピカピカのはずが
そんな雰囲気もなかったし。

それに、私の持つ癒しの力では
さすがに無機物は直せない。

王宮で癒しの実証実験をした時に、
壊れたお皿やティーカップで
検証済みだ。

全然直せなかった。
だから街道みたいな石畳も
たぶん直せない。

ノイエ領への往復で
お世話になる町だし、
何かお役に立てればいいなあ。
私に出来ることはないか
少し考えてみよう。

と、私の隣に座っているマリーさんが
なんだかごそごそ荷物入れをあさって
何か探しているのに気付いた。

「マリーさん?」

声を掛けると、ふっふっふ・・・と
不敵な笑みを浮かべたマリーさんが
荷物入れから出した物を見せてくれた。

櫛と整髪剤だ。・・・んん?
私の髪の毛はさっきお昼休憩の時に
一度整えてくれてたけど?

「ルルー様から、
ノイエ領の人達には
ユーリ様の可愛らしさを
たくさん見せてくるようにと
仰せ使っていますからね!
ノイエ領到着までまだ少し
時間がありますし、
とっておきの髪型に
変えちゃいましょう!」

この日のために考えた、
ユーリ様の可愛らしさを
存分に引き出せる新しい髪型です、と
誇らしげに胸を張っている。

「あら、マリー。
それってもしかして?」

口元に手をあてて少し驚いた様子の
シンシアさんに、マリーさんが頷いた。

「はい、前にシンシアさんにも
相談して一緒に考えたやつですよ!
馬車から降りて、出発の時と違う
髪型をしていればきっと
リオン殿下も驚くと思います!
楽しいと思いませんか?」

あらあら、とシンシアさんの目が
輝いた。

「ではせっかくなので
ドレスも髪型に合わせて
変えてしまいましょう。」

えっ、いつも真面目な彼女が
こんな悪戯めいた
アイデアに乗るなんて珍しい。

マリーさんは一体私を
どんな髪型にするつもりなんだろう。
あまりにも自信満々なので
ちょっと不安になる。

「大丈夫ですよ、ユーリ様!
腕によりをかけてとってもかわいく
してみせますから‼︎」

そうして、ノイエ領に
着くまでの間に私は
侍女2人に挟まれて
着せ替え人形のように
大人しくいじられるまま
になったのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「反省会だよレジナス。」

昼食を取った後、馬車に乗り込むなり
向かいあって座ったリオン様が
ため息をついて俺にそう言った。

馬車は順調に進み、このまま行けば
夕方前にはノイエ領に着くだろう。

やはり多少苦労してもこの馬を
探してきて良かった。

野生馬らしいが、まるで人の手で
育てられたかのように、
急な馬車馬用の訓練も良く入った。
おかげで今回のノイエ行きに
間に合って使うことが出来た。

情報提供と捕まえるのに
協力をしてくれたキリウ小隊には
後で礼をしなければ。

己の主に膝詰めで非難されていると
いう現実から逃避をするように
そんな考え事をしていたが。

「君、今僕が話そうとしてることと
全然違うことを考えてるね?」

リオン様の追求が厳しい。
分かっている。
ユーリに対する俺の今朝の態度のことを
反省しろと言いたいのだろう。

「・・・申し訳ありません。
久しぶりにユーリの顔を見たら
どうすればいいか
分からなくなりました。」

こういう時は正直に話すに限る。
素直に頭を下げたら、リオン様の
ピリピリした雰囲気が少し和らいだ。
良かった。

「せっかく今日まで色々と
理由をつけてユーリと
顔を合わせないように
させてきたのに、
まだ気持ちの整理が
できてなかったのかい?」

「いえ、自分では
落ち着いて対処できると
思っていたんですが・・・。
実際顔を合わせてみたらどうにも」

そうなのだ。俺のユーリに対する
気持ちが何なのかを指摘された翌日、
リオン様に会った俺はまだ
相当動揺していたらしい。

自分ではよく分からない。
自分で自分の状態が分からなくなるほど
動揺していたとも言えるが。

そんな俺を見て、リオン様はさすがに
これではユーリに会わせられないと
判断したらしい。

視察へ出る当日まで、
わざと用事を言いつけて
俺がユーリに会わなくて
すむようにしてくれた。

その間にきちんと自分の気持ちを
整理して落ち着けということだ。

己の主にそこまで気を使わせてしまって
申し訳なく思い、さすがに自分を
反省して気持ちを落ち着けた。
はずだった。

リオン様は配偶者を目指せと言ったが
とりあえずユーリに対してあれこれ
アピールなどしないでおく。

今は彼女に対する自分の気持ちを
自覚しただけでいいではないか。

ユーリに会ったらいつも通りに
振る舞おう。

そう決めていたのに、
久しぶりに声を
聞いたらだめだった。

『おはようございます!』

弾むような声に思いがけず身体が動き、
恐る恐る振り返って見れば
きらきらとした笑顔で手を振ってくる
ユーリの姿が目に飛び込んできた。

黒髪が朝日に煌めいて、
あの星の棲んでいるような美しい瞳を
嬉しそうに細めて俺を見ている。

久しぶりに会えて嬉しいです、と
言われて心臓が跳ねた。

こんな時、今までは何と
返事を返していた?

俺も会えて嬉しい、でいいのか?

いや。たかが二、三日会わないだけで
それは少し大袈裟か?

本当に、なんと言えばいいのか
分からなくなってしまって
ただただ、久しぶりに会う
ユーリの姿を目に焼き付けていた。

そんな風なことをリオン様に
ぽつぽつ話すと、
心底呆れたような顔をされた。

「君・・・考え過ぎだよそれは。
だからあんな風に固まってたのかい?
おかげでユーリに余計な心配まで
かけちゃったじゃないか。」

そりゃあ急にあんな事
言ってしまった僕も悪かったと
思っているけどさ、と続けられたので
慌ててそこは否定した。

「いえ!あれはあの時
リオン様に指摘していただいて
良かったと思っています。
ユーリを変に意識してしまい
普段と違う態度になってしまう
俺が悪いんです。・・・大丈夫です、
仕事に支障は出しません」

そうだ。意識し過ぎなのだ。
普通にしろ。

リオン様の言う通りだ、
俺の態度のせいでユーリにまで
迷惑をかけている。

好きな相手に迷惑をかけて
どうするのだ。

それならいいけどさ、と言った
リオン様はちょっと考えてから
俺に確かめるように聞いてきた。

「仕事に支障は出さない、
今まで通りに振る舞うってことは君、
ユーリが移動する時は今までのように
ずっと縦抱っこでいくんだよ?
ほんとに大丈夫?」

「なっ・・・‼︎」

それは考えていなかった。
赤くなった俺を見てあーあ、と
リオン様がまた呆れた。

「そうやって顔に出すんじゃないよ、
まったく。仕方ないだろう?
今まで散々ユーリが断っても
抱き上げ続けて来たんだから。
恥ずかしいからって急に辞めたら
それこそ不自然すぎてユーリが
変に思うだろう?」

今まで無意識にしてきたことへの
ツケが回ってきたんだよ、
それともこういうのを自業自得って
いうのかな?

呆れながらもなぜかリオン様は
楽しそうだ。

「レジナスのそういう姿を
見れるのはなんだか嬉しいな、
君も人の子だったんだねぇ。」

仕方がない、責任の一端は僕にも
あるからね。君の態度が落ち着くまで
もう少しフォローをしてあげよう。

そう言ってリオン様は俺を
励ますように、今朝と同じく
肩をポン、と叩いてくれたのだった。

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