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第七章 地球<アースター>編
蹂躙
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アリサからの連絡をもらった。
目標は富士山近くの戦艦。
そこに行き、魔王を倒せば終わる。
走る。出来るだけ魔力を使わずに。
錘も外そう。身体が軽くなった。
飛び移れる場所がない。
周りはもう、瓦礫と黒煙と人だったものしかない。
人が死ぬ。魔族を殺す。人を助ける。魔族を殺す。魔族を殺す。殺す。殺す。人が死ぬ。魔族を殺す。殺す。
きりがない。
躊躇も何もなくなってしまった。
生かす戦いよりも殺す戦いの方が何も考えなくてもいい事を知った。
少しだけ空を見上げる。
太陽は見えない。
雨が降りそうな曇天の空だ。
いや、少しだけ雨が降っただろうか。
少しだけ冷え込んだ。
その空を遮る者たち。
慈悲はない。
ただ最速で首を断ち切る。
無垢の極み「斬」で生み出した残撃で向かってくる魔族を全て殺した。
だってもう、「生かしておく意味はないからさ。」
何か大切なものを無くしてしまったみたいだった。
俺の根本、原点のようなもの。
理想…だった者が抜け落ちてしまった。
足が止まる。
瓦礫や死体で動きづらい中で、ただ異様を纏う者がいた。
「あら?随分と雰囲気が変わったわね。そっくりじゃないその目。」
優雅にフラミリアは立ち塞がる。
「吸血鬼か。」
大原は戦闘態勢を取る。
が正直ここで消耗をしたくないというのが本音だ。
そうも言っていられない相手ではあるが…。
「ラインを殺したそうじゃない。覚悟は決まっているみたいね。」
「敵討か?情に厚いんだな。」
「馬鹿言わないで。自滅する様なものに情なんて抱かないわ。今回は少し、貴方と戯れたいと思ってね。」
強い奴は余裕があって困る。
「なら少し待ってくれ。周りが邪魔だ。」
種族も何も関係ない。
向かってくる魔族は全て殺す。
「アンタからも話したいんだったら指示を出せよ。」
「本当に少しだけだから大丈夫よ。そうね、まずはこの戦争の意味、あると思う?」
「ある。」
「即答ね。理由は?」
「知らない。無ければ死んだ人たちが報われないだけだ。」
「その通りね。あ、まだもう少しいてね。戦いたいならいいけど意味がないわ。」
「運命か?ネタバレみたいなもんだろ。大変だな。」
「そうかしら?私は私で、結構楽しみよ?」
飛来する魔力が二つ。
それぞれが右方、左方から現着する。
「んだよ。大原と合流したかっただけなのによ。」
「これは時間稼ぎが出来れば上出来ですよね。」
「これが見たものか?」
「そうね。」
「お久しぶりです大原さん。これが終わった後話があります。」
「終わる前に大原、お前怒りに身を任せすぎだぞ!」
こちらに来たのは、アリサとユナさんだ。
完全に臨戦体制になっている。
「ったく、世話をかける奴。」
フラミリアもそうだが、大原が一番おかしい。
雰囲気が違うどころじゃない。
殺意と憎悪が溢れ出ている。
穂乃果の言った通りだった。
けどこれは理由が理由なだけにどうしようもない。
殺しに躊躇がない。迷いがない奴は強いと聞くけど、今までせき止めていたものを解放した感じだ。
けど片鱗はあった様に思える。
無風の夜叉との戦いでユナが負傷した時、ライトニングタワーに入る時の犯罪係数が少し高かった事、もしかしたらもっとあるかもしれないが今思い出すとすればこのぐらいだ。
大原将希は綺麗事を吐いていただけだった。
正直あたしから見れば、気色が悪かった。
今の大原の方が感情がわかりやすくていい。
だがそれ以上に殺さない事を徹底した上で惨劇の愚者と戦えていた事だ。
枷を外されたこいつは、あたしよりも間違いなく強い。
ならこの先にそうそう負ける奴はいないと見るべきだ。
あたしが今出す指示は…。
「大原は先に行かせる。あの吸血鬼は暇だから遊んでるだけだ。」
「血を回収という大変なこともしているのよ?」
「今至る所で戦闘が起こっています。その中でも大きい魔力のあるところは、二人一組くらいで対処に当たっています。なのであなたの相手は、」
「分かってる。あとは頼んだ。」
とはいえ、どのようにしてここを突破するかだが…。
「行きなさい。私は貴方の相手じゃないわ。きっと、貴方のことを待っているはずよ。」
その言葉を信じるには勇気のいる事だ。
「信用できん!」
アリサはフラミリアに近づき剣撃を放つ。
フラミリア軽々と捌く。
その間に大原はこの場を離脱する。
「ユナさん?援護は!?」
「いらないですよ。殺意がなかったので。」
「早く言えよ!」
一度離脱し状況を確認する。
「未来視はどうしたのかしら。それを使っていたら分かっていたはずよ?」
「これからが本番だろ?早々に力を使ってたまるかってんだ。」
「いい判断だわ。だから少しだけ、身体に叩き込んであげるわ。」
「油断して足元を掬われんなよ!ご長寿!」
「アリサさん遊ばれてますよ?」
一方で他の場所では…。
「へぇ凄いじゃないか龍也。前見た時よりもずっと強くなってるじゃないか。」
「そりゃそうっすよ。なんせ龍神の試練を乗り越えたんですからこのくらいやらないと。それにまだ雑魚の相手、これからっすよ。」
龍也とエノス団長を率いる簡易部隊は、富士山に向かいつつ周りの魔族を掃討する。
「そうだな。この大きい魔力反応もダミーだったからな。」
風船のように空に漂いながら大きい魔力反応を発していた。
龍也はそれを打ち落とした。
「なるほどね。魔力タンクみたいなものをこの球体に浮かせていたわけか。」
「すぐにフレンに伝えよう。」
学校結界内では。
「了解しました。すぐに全体に知らせます。」
学校内の放送室を使いながら、戦闘に出ている者達に指示を出している。
避難している人たちは、教室、体育館など学校をフル活用。さらに校庭も入り乱れている。
麗華は結界を維持するのにこの場に留まっていた。
そこを守っていたのは、レオスとファスティア、結界内でミーナが援護している。
さらに屋上には、スナイパーの佐々木未来が狙撃をする。
「このまま守っていてもいいが、攻める奴らはまばらすぎる。富士山とやらに向かえばいいのは分かってもペース配分が分からないのでは…。」
「なら私一人でここを守るわよ。」
賢者は最優先事項を終わらせた。
だが…「賢者様が前に出るべきでは?」
その疑問は当然だ。
賢者が前に出れば策が広がる。
「それもいいけど、麗華の魔力が持たないわ。私なら一人でなんとかなる。この場は質よりも量が優先されると、私は読んでいるわ。それに、避難が終わったみたいだから、ここの戦力も問題なさそうよ。」
校門前に群がっていた魔族たちが、浮き始める。
突然の事で何が起こったのか理解できない。
なので、理解される前に討伐する。
「やっぱり無重力空間って制御が難しいのね。」
「慣れたもんだよな俺たち。」
「作戦通りいった。俺たちは通用するぞ!」
「行くぞ!絶対に守り抜く!死ぬんじゃないぞ!」
「お前たち…。」
「エオスさん。ここは、私たち「躍動」に任せてください!」
この話は少しだけ遡る。
「部隊名?」
「そう。本来ならそれぞれの部隊につけたいが、流石に俺たちが覚えられないから一つだけで。」
大原から急にそんな事を言われた。
「部隊名ね…センスのある奴がいいわよね?」
「ジ・アースとか?」
「まんまじゃねーか。」
「なんかこう…躍動感が欲しいよなあ。」
「躍動でいいだろ。」
「…え?」
という感じに軽い感じで決まった。
そして現在。
家族の避難を終え、結界の守備につく。
「私もいるならここは確実でしょ?」
「…なら任せます。」
「頼んだわよ。」
賢者はエオスに肩を叩きながら麗華の元に向かう。
「分かりました。エオスさん、いきましょう。」
「了解した。」
二人は結界の外に出て富士山頂を目指す。
「けど、ここからよね。まだ惨劇の愚者はフラミリア、ライン以外前に来ていない。難しいわね。」
いまだに最高戦力を戦場に出してきていない。
それに魔族たちの統率が取れていない。
予想できるのは、消耗戦。
となると今の展開はまずいかもしれない。
「賢者様。大原さんが…。」
フレンが連絡して来た。
「大原さんが、惨劇の愚者と…。」
周りにいる魔族は視界に入った瞬間に殺している。
無作為なる蹂躙。
心は最早ここにはなかった。
富士山頂までもう少しだ。
山登りしている暇はない。
飛んでいって一気に終わらせる。
瞬間、大原将希は吹き飛ばされていた。
地面に叩きつけられた。
衝撃の痛みよりも瞬時にかわす。
逃れさせまいと追撃してくる。
なんとか防ぐ。
「よお、いい顔になったじゃねぇか、人殺し。」
「なんだよ。自分に返って来る言葉が得意なら、ブーメラン投げる練習でもして来たらどうだよ。」
「ああ、悪かった。俺も頭に血が上っててよ。お前の愚行が気に食わなくてな。」
フードの男、ミスターOは大原と相対する。
そして、海外の転移門から日本に上陸したという情報が入ってくる。
「こちら無風の夜叉。これより暗殺を開始する。」
「よっしゃあ!俺たちギルド部隊も行くぜ!」
「おおおお!!!!!」
「よし、私らも行こう。リサ。」
「はい。ここで終わらせます。」
「さてと、わしはゆっくりと向かう。あとは頼んだぞ、イノス。」
「はい。ここからが本番ですね。」
それぞれの転移門から日本に集結し始める。
「魔族たちには申し訳ないが次に協力はしてもらうとして、やられたままでは終われない。建前の理由としては充分か。次の計画のためにも、減らしておかないといけない。まさか、この戦争も誰も死なない、なんて事があると思っているのかな。」
世界はそこまで妄想的ではない。
目標は富士山近くの戦艦。
そこに行き、魔王を倒せば終わる。
走る。出来るだけ魔力を使わずに。
錘も外そう。身体が軽くなった。
飛び移れる場所がない。
周りはもう、瓦礫と黒煙と人だったものしかない。
人が死ぬ。魔族を殺す。人を助ける。魔族を殺す。魔族を殺す。殺す。殺す。人が死ぬ。魔族を殺す。殺す。
きりがない。
躊躇も何もなくなってしまった。
生かす戦いよりも殺す戦いの方が何も考えなくてもいい事を知った。
少しだけ空を見上げる。
太陽は見えない。
雨が降りそうな曇天の空だ。
いや、少しだけ雨が降っただろうか。
少しだけ冷え込んだ。
その空を遮る者たち。
慈悲はない。
ただ最速で首を断ち切る。
無垢の極み「斬」で生み出した残撃で向かってくる魔族を全て殺した。
だってもう、「生かしておく意味はないからさ。」
何か大切なものを無くしてしまったみたいだった。
俺の根本、原点のようなもの。
理想…だった者が抜け落ちてしまった。
足が止まる。
瓦礫や死体で動きづらい中で、ただ異様を纏う者がいた。
「あら?随分と雰囲気が変わったわね。そっくりじゃないその目。」
優雅にフラミリアは立ち塞がる。
「吸血鬼か。」
大原は戦闘態勢を取る。
が正直ここで消耗をしたくないというのが本音だ。
そうも言っていられない相手ではあるが…。
「ラインを殺したそうじゃない。覚悟は決まっているみたいね。」
「敵討か?情に厚いんだな。」
「馬鹿言わないで。自滅する様なものに情なんて抱かないわ。今回は少し、貴方と戯れたいと思ってね。」
強い奴は余裕があって困る。
「なら少し待ってくれ。周りが邪魔だ。」
種族も何も関係ない。
向かってくる魔族は全て殺す。
「アンタからも話したいんだったら指示を出せよ。」
「本当に少しだけだから大丈夫よ。そうね、まずはこの戦争の意味、あると思う?」
「ある。」
「即答ね。理由は?」
「知らない。無ければ死んだ人たちが報われないだけだ。」
「その通りね。あ、まだもう少しいてね。戦いたいならいいけど意味がないわ。」
「運命か?ネタバレみたいなもんだろ。大変だな。」
「そうかしら?私は私で、結構楽しみよ?」
飛来する魔力が二つ。
それぞれが右方、左方から現着する。
「んだよ。大原と合流したかっただけなのによ。」
「これは時間稼ぎが出来れば上出来ですよね。」
「これが見たものか?」
「そうね。」
「お久しぶりです大原さん。これが終わった後話があります。」
「終わる前に大原、お前怒りに身を任せすぎだぞ!」
こちらに来たのは、アリサとユナさんだ。
完全に臨戦体制になっている。
「ったく、世話をかける奴。」
フラミリアもそうだが、大原が一番おかしい。
雰囲気が違うどころじゃない。
殺意と憎悪が溢れ出ている。
穂乃果の言った通りだった。
けどこれは理由が理由なだけにどうしようもない。
殺しに躊躇がない。迷いがない奴は強いと聞くけど、今までせき止めていたものを解放した感じだ。
けど片鱗はあった様に思える。
無風の夜叉との戦いでユナが負傷した時、ライトニングタワーに入る時の犯罪係数が少し高かった事、もしかしたらもっとあるかもしれないが今思い出すとすればこのぐらいだ。
大原将希は綺麗事を吐いていただけだった。
正直あたしから見れば、気色が悪かった。
今の大原の方が感情がわかりやすくていい。
だがそれ以上に殺さない事を徹底した上で惨劇の愚者と戦えていた事だ。
枷を外されたこいつは、あたしよりも間違いなく強い。
ならこの先にそうそう負ける奴はいないと見るべきだ。
あたしが今出す指示は…。
「大原は先に行かせる。あの吸血鬼は暇だから遊んでるだけだ。」
「血を回収という大変なこともしているのよ?」
「今至る所で戦闘が起こっています。その中でも大きい魔力のあるところは、二人一組くらいで対処に当たっています。なのであなたの相手は、」
「分かってる。あとは頼んだ。」
とはいえ、どのようにしてここを突破するかだが…。
「行きなさい。私は貴方の相手じゃないわ。きっと、貴方のことを待っているはずよ。」
その言葉を信じるには勇気のいる事だ。
「信用できん!」
アリサはフラミリアに近づき剣撃を放つ。
フラミリア軽々と捌く。
その間に大原はこの場を離脱する。
「ユナさん?援護は!?」
「いらないですよ。殺意がなかったので。」
「早く言えよ!」
一度離脱し状況を確認する。
「未来視はどうしたのかしら。それを使っていたら分かっていたはずよ?」
「これからが本番だろ?早々に力を使ってたまるかってんだ。」
「いい判断だわ。だから少しだけ、身体に叩き込んであげるわ。」
「油断して足元を掬われんなよ!ご長寿!」
「アリサさん遊ばれてますよ?」
一方で他の場所では…。
「へぇ凄いじゃないか龍也。前見た時よりもずっと強くなってるじゃないか。」
「そりゃそうっすよ。なんせ龍神の試練を乗り越えたんですからこのくらいやらないと。それにまだ雑魚の相手、これからっすよ。」
龍也とエノス団長を率いる簡易部隊は、富士山に向かいつつ周りの魔族を掃討する。
「そうだな。この大きい魔力反応もダミーだったからな。」
風船のように空に漂いながら大きい魔力反応を発していた。
龍也はそれを打ち落とした。
「なるほどね。魔力タンクみたいなものをこの球体に浮かせていたわけか。」
「すぐにフレンに伝えよう。」
学校結界内では。
「了解しました。すぐに全体に知らせます。」
学校内の放送室を使いながら、戦闘に出ている者達に指示を出している。
避難している人たちは、教室、体育館など学校をフル活用。さらに校庭も入り乱れている。
麗華は結界を維持するのにこの場に留まっていた。
そこを守っていたのは、レオスとファスティア、結界内でミーナが援護している。
さらに屋上には、スナイパーの佐々木未来が狙撃をする。
「このまま守っていてもいいが、攻める奴らはまばらすぎる。富士山とやらに向かえばいいのは分かってもペース配分が分からないのでは…。」
「なら私一人でここを守るわよ。」
賢者は最優先事項を終わらせた。
だが…「賢者様が前に出るべきでは?」
その疑問は当然だ。
賢者が前に出れば策が広がる。
「それもいいけど、麗華の魔力が持たないわ。私なら一人でなんとかなる。この場は質よりも量が優先されると、私は読んでいるわ。それに、避難が終わったみたいだから、ここの戦力も問題なさそうよ。」
校門前に群がっていた魔族たちが、浮き始める。
突然の事で何が起こったのか理解できない。
なので、理解される前に討伐する。
「やっぱり無重力空間って制御が難しいのね。」
「慣れたもんだよな俺たち。」
「作戦通りいった。俺たちは通用するぞ!」
「行くぞ!絶対に守り抜く!死ぬんじゃないぞ!」
「お前たち…。」
「エオスさん。ここは、私たち「躍動」に任せてください!」
この話は少しだけ遡る。
「部隊名?」
「そう。本来ならそれぞれの部隊につけたいが、流石に俺たちが覚えられないから一つだけで。」
大原から急にそんな事を言われた。
「部隊名ね…センスのある奴がいいわよね?」
「ジ・アースとか?」
「まんまじゃねーか。」
「なんかこう…躍動感が欲しいよなあ。」
「躍動でいいだろ。」
「…え?」
という感じに軽い感じで決まった。
そして現在。
家族の避難を終え、結界の守備につく。
「私もいるならここは確実でしょ?」
「…なら任せます。」
「頼んだわよ。」
賢者はエオスに肩を叩きながら麗華の元に向かう。
「分かりました。エオスさん、いきましょう。」
「了解した。」
二人は結界の外に出て富士山頂を目指す。
「けど、ここからよね。まだ惨劇の愚者はフラミリア、ライン以外前に来ていない。難しいわね。」
いまだに最高戦力を戦場に出してきていない。
それに魔族たちの統率が取れていない。
予想できるのは、消耗戦。
となると今の展開はまずいかもしれない。
「賢者様。大原さんが…。」
フレンが連絡して来た。
「大原さんが、惨劇の愚者と…。」
周りにいる魔族は視界に入った瞬間に殺している。
無作為なる蹂躙。
心は最早ここにはなかった。
富士山頂までもう少しだ。
山登りしている暇はない。
飛んでいって一気に終わらせる。
瞬間、大原将希は吹き飛ばされていた。
地面に叩きつけられた。
衝撃の痛みよりも瞬時にかわす。
逃れさせまいと追撃してくる。
なんとか防ぐ。
「よお、いい顔になったじゃねぇか、人殺し。」
「なんだよ。自分に返って来る言葉が得意なら、ブーメラン投げる練習でもして来たらどうだよ。」
「ああ、悪かった。俺も頭に血が上っててよ。お前の愚行が気に食わなくてな。」
フードの男、ミスターOは大原と相対する。
そして、海外の転移門から日本に上陸したという情報が入ってくる。
「こちら無風の夜叉。これより暗殺を開始する。」
「よっしゃあ!俺たちギルド部隊も行くぜ!」
「おおおお!!!!!」
「よし、私らも行こう。リサ。」
「はい。ここで終わらせます。」
「さてと、わしはゆっくりと向かう。あとは頼んだぞ、イノス。」
「はい。ここからが本番ですね。」
それぞれの転移門から日本に集結し始める。
「魔族たちには申し訳ないが次に協力はしてもらうとして、やられたままでは終われない。建前の理由としては充分か。次の計画のためにも、減らしておかないといけない。まさか、この戦争も誰も死なない、なんて事があると思っているのかな。」
世界はそこまで妄想的ではない。
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