121 / 142
第七章 地球<アースター>編
反転結界
しおりを挟む
反転結界。
簡易的な結界を張り、それを反転させる。
反転結界のイメージとしては、やぶれたせかいみたいなものをイメージして欲しい。
なので、天井に立つ事もあり得るだろう。
「さ、逆さま⁉︎」
「これは…反転してるってことかな…。」
状況を分析する者、驚く者様々である。
そして何よりも、この反転結界には、人がいない。
ショッピングモールで買い物に来るお客さんは多くいるが、この反転結界ないでは、大原達以外には存在しない。
ある種の世界を塗りつぶすのに近いのかもしれない。
そして、この結界内では現実世界とリンクしていない。
結界は解けば出れるので、問題はないだろう。
というわけで、今回の特訓は。
「魔力をたらふく撃ちまくりまくりましょー!」
「「イェーイ‼︎」」
その言葉を待っていたのか、みんなボコスカと撃ち始める。
必殺技を考えた者、試しに限界までやってみる者とみんなやることは一貫していない。
とはいえ最初はこれぐらいでいいとは思う。
が少しばかりミスをしてしまったかもしれない。
「ぎゃあ!」
「うわぁ⁉︎」
魔力をボコすか放って他者に迷惑、および魔力が当たる事を考えておくべきだった。
いや、そりゃあ魔力は当たるものだ。
俺はそれを当然のように思っていた。
当然のように思っていたということは、それが知らなかった人にとっては当然ではない事に気づいていないということだ。
魔力操作は安定して来たのだ。
けれど魔力による攻撃を防ぐという行為を教えていなかったのだ。
結果、数人が軽い怪我をしてしまった。
「ごめん。これは俺が教えていなかったからだ。」
「それは君が悪いね!俺たちは悪くないって事だな!」
その通りだけど、はっきりと言わないで欲しい。
「全く、大原君にならそれぐらい注意して教えてあげられると思ったのに。」
賢者はこちらに向かってやれやれとジェスチャーしてくる。
中学生だよ?先生の真似事みたいな事でミスがないと思うなよー?
「というわけで、私が大雑把に教えます。魔力は放出してもいいわ。けれど、少しだけ制限して行っていきましょう。」
他のみんなは賢者が指導するようだ。
おそらくは細かいことは教えないでおくのだろう。
まぁ俺も少しずつ、賢者からの知恵を貸してもらうのもありかなとは思う。
賢者がみんなの指導をする事になったので暇になった。
「暇になりましたね。では、大原さんも少し、ハメを外しませんか?」
巫女服の人が言うとちょっと違う意味に聞こえそうだけど、圧がその邪な考えから遠ざける。
「そうですね。久々に暴れたいなって思いました。」
ここでは魔力で何かをする、という行為は出来なかった。
それに本気も出せなかった。
ので、このようなイベントが少なくて退屈していた。
「やりますか。」
大原は斬撃の剣を取り出す。
「では、思い切りやりましょう。」
麗華さんも臨戦体制だ。
リミッターを解除する。
そうして二人は手合わせをする。
二人は激しい戦いの末に…。
「…ふぅ。引き分け、ですね。」
大原の剣は麗華さんの首元に、麗華の拳は大原の眼前へと向かっている途中で止められていた。
「…。」
麗華はこの結果には少しだけ不服であった。
理由は明白。引き分けなどにはなる実力差では無いからだ。
特に、大原と神谷麗華の戦力差は明白だ。
つまりそれは…。
「大原さん。何故手加減をしたのですか?」
そう捉えられてもおかしくないのだ。
「か、加減ですか?全然してませんよ!むしろ、麗華さんが強くなったんじゃないですか?」
大原は反射的に加減はしていない事を弁明する。
確かに私は強くなった。
修行も行ったし、これまで以上の力は手に入った。
だからといって、大原将希に勝てる、ましてや同等だなんて思ったことはない。
そして今回の戦いも、何度も殺されるのではと思うほどの反撃をして来ていたが、その反撃の選択を無意識に行っていないようだった。
大原は加減をしていたのではなく…。
「大原さんは人を殺すのが怖いのですか?」
という事になる。
「怖いよ。出来るならば、話し合いで解決したいよ。それに、今回のは君に怪我をさせてはいけないと思って…」
「大原さんって、嘘をつく時顔を見ませんよね?」
大原は恐る恐る麗華の顔を見る。
それは、否定がしたいがために行った、反射的なことだった。
麗華は少し驚いた顔をしたが、納得したような顔になる。
「カマをかけただけなんですけどね。ここまで反応されるとは思いませんでした。」
「…。」
「…大原さんが人を殺す覚悟が無いのは分かりました。いえ、分かっているつもりでしたと答える方がいいでしょう。ですが、自分を殺す者が現れた時に、私は必ず殺す行動をしてしまうでしょう。」
麗華はその場を立ち去る前に、一言だけ置いていった。
「私の予想ですが、今回の戦いはあのように上手くいく事はないと思います。」
それだけ言い残して、賢者様の、みんなの所へと向かっていく。
その一言は、犠牲者が出る事は当たり前と言っているようなものだった。
大原は考えないようにしていた事実を、言葉にされてしまった。
この二週間、公にするのは政府からだと思っていたが、それだけでは難しいだろう。
犠牲は出る。
それでも、自分の周りの人達だけでも、守れるようにしていこうと、大原は硬く決心した。
そうして、自身の弱さを超えていくように、一歩一歩みんなの元へと向かっていく。
「感情の我慢は必要な事だ。だが、極限状態の時に我慢する事はいただけないな。」
自分の中にいる魔王の助言を無視して、歩き続ける。
それは、今はまだ必要ないものだから。
反転結界を解除する。
みんなは賢者の指導により大幅にレベルアップしていた。
魔力の扱いに慣れたようだ。
けれど、あまり周りに迷惑をかけるやり方をしない事を約束に、この反転結界を何度も使っても良い事になった。
何度も使わせる気なかったのか…。
とも思ったが、ブラフのようだ。
この人はこういう事なら大丈夫なんだなぁと、少しだけ感心する。
全体に別れの挨拶をして、転移していった。
その流れでみんなも解散していった。
思いっきり人とは思えない跳躍をしながら帰る人もいたが、マジで大丈夫かなこれ。
とりあえずは俺も帰る事になったが、麗華さんはどうするのだろうか。
「私は賢者様が手配してくれたのがあるので。」
「…秘密基地みたいな?」
「普通のホテルですよ。貸切のですが。」
それもう最高じゃないですか。
そんな事を思いながら俺たちは、それぞれの帰路に立つ。
とりあえずは今日は色々なことがあった。
そして、これからも色々と動いていかないといけないらしい。
しかしながら、この度の戦争は、安全地帯というものはあるのだろうか。
造ることも難しいかもしれない。
なんだかなあとは思う。
けれど、そろそろこちらにもライトニングの使者がやって来てくれるのだろう。
その事に少し期待しながら、帰宅する。
夜九時
多くのメールが大原将希宛に届いていた。
部活に行っていた者たちからだ。
大まかに伝えると、魔力まとって打ったらやばかった。魔力を纏うと擦れる事なく出来る。走りながらは難しいけど、体力面はあまり関係ないのな。
等の連絡が来ていた。
流石に捌ききれないので、「報告ありがとう」とだけ打って、後の連絡はスルーした。
ごめんね。
俺はそのメールの通知オンを聴きながら、筋トレをして時間になったら眠った。
因みに現在の大原の重りは七百キログラムです。
次の日、学校での昼休みの時。
雷のような速さで俺のもとへと来てくれた。
周りには他のクラスメイトもいる、先生もいる。
このタイミングでの合流は聞いていなかった。
「アーシャさん、リサさん?どうしました?」
「どうもこうもない!あいつらはなんだ!お前たちの政府はあそこまで腐っていたのか!」
この反応は…もしかして…。
「突然すみません。ですが今はこの世界を守るために、協力をしてください。」
こうして、大原はこの世界に関して、この日本という国を知る事となる。
簡易的な結界を張り、それを反転させる。
反転結界のイメージとしては、やぶれたせかいみたいなものをイメージして欲しい。
なので、天井に立つ事もあり得るだろう。
「さ、逆さま⁉︎」
「これは…反転してるってことかな…。」
状況を分析する者、驚く者様々である。
そして何よりも、この反転結界には、人がいない。
ショッピングモールで買い物に来るお客さんは多くいるが、この反転結界ないでは、大原達以外には存在しない。
ある種の世界を塗りつぶすのに近いのかもしれない。
そして、この結界内では現実世界とリンクしていない。
結界は解けば出れるので、問題はないだろう。
というわけで、今回の特訓は。
「魔力をたらふく撃ちまくりまくりましょー!」
「「イェーイ‼︎」」
その言葉を待っていたのか、みんなボコスカと撃ち始める。
必殺技を考えた者、試しに限界までやってみる者とみんなやることは一貫していない。
とはいえ最初はこれぐらいでいいとは思う。
が少しばかりミスをしてしまったかもしれない。
「ぎゃあ!」
「うわぁ⁉︎」
魔力をボコすか放って他者に迷惑、および魔力が当たる事を考えておくべきだった。
いや、そりゃあ魔力は当たるものだ。
俺はそれを当然のように思っていた。
当然のように思っていたということは、それが知らなかった人にとっては当然ではない事に気づいていないということだ。
魔力操作は安定して来たのだ。
けれど魔力による攻撃を防ぐという行為を教えていなかったのだ。
結果、数人が軽い怪我をしてしまった。
「ごめん。これは俺が教えていなかったからだ。」
「それは君が悪いね!俺たちは悪くないって事だな!」
その通りだけど、はっきりと言わないで欲しい。
「全く、大原君にならそれぐらい注意して教えてあげられると思ったのに。」
賢者はこちらに向かってやれやれとジェスチャーしてくる。
中学生だよ?先生の真似事みたいな事でミスがないと思うなよー?
「というわけで、私が大雑把に教えます。魔力は放出してもいいわ。けれど、少しだけ制限して行っていきましょう。」
他のみんなは賢者が指導するようだ。
おそらくは細かいことは教えないでおくのだろう。
まぁ俺も少しずつ、賢者からの知恵を貸してもらうのもありかなとは思う。
賢者がみんなの指導をする事になったので暇になった。
「暇になりましたね。では、大原さんも少し、ハメを外しませんか?」
巫女服の人が言うとちょっと違う意味に聞こえそうだけど、圧がその邪な考えから遠ざける。
「そうですね。久々に暴れたいなって思いました。」
ここでは魔力で何かをする、という行為は出来なかった。
それに本気も出せなかった。
ので、このようなイベントが少なくて退屈していた。
「やりますか。」
大原は斬撃の剣を取り出す。
「では、思い切りやりましょう。」
麗華さんも臨戦体制だ。
リミッターを解除する。
そうして二人は手合わせをする。
二人は激しい戦いの末に…。
「…ふぅ。引き分け、ですね。」
大原の剣は麗華さんの首元に、麗華の拳は大原の眼前へと向かっている途中で止められていた。
「…。」
麗華はこの結果には少しだけ不服であった。
理由は明白。引き分けなどにはなる実力差では無いからだ。
特に、大原と神谷麗華の戦力差は明白だ。
つまりそれは…。
「大原さん。何故手加減をしたのですか?」
そう捉えられてもおかしくないのだ。
「か、加減ですか?全然してませんよ!むしろ、麗華さんが強くなったんじゃないですか?」
大原は反射的に加減はしていない事を弁明する。
確かに私は強くなった。
修行も行ったし、これまで以上の力は手に入った。
だからといって、大原将希に勝てる、ましてや同等だなんて思ったことはない。
そして今回の戦いも、何度も殺されるのではと思うほどの反撃をして来ていたが、その反撃の選択を無意識に行っていないようだった。
大原は加減をしていたのではなく…。
「大原さんは人を殺すのが怖いのですか?」
という事になる。
「怖いよ。出来るならば、話し合いで解決したいよ。それに、今回のは君に怪我をさせてはいけないと思って…」
「大原さんって、嘘をつく時顔を見ませんよね?」
大原は恐る恐る麗華の顔を見る。
それは、否定がしたいがために行った、反射的なことだった。
麗華は少し驚いた顔をしたが、納得したような顔になる。
「カマをかけただけなんですけどね。ここまで反応されるとは思いませんでした。」
「…。」
「…大原さんが人を殺す覚悟が無いのは分かりました。いえ、分かっているつもりでしたと答える方がいいでしょう。ですが、自分を殺す者が現れた時に、私は必ず殺す行動をしてしまうでしょう。」
麗華はその場を立ち去る前に、一言だけ置いていった。
「私の予想ですが、今回の戦いはあのように上手くいく事はないと思います。」
それだけ言い残して、賢者様の、みんなの所へと向かっていく。
その一言は、犠牲者が出る事は当たり前と言っているようなものだった。
大原は考えないようにしていた事実を、言葉にされてしまった。
この二週間、公にするのは政府からだと思っていたが、それだけでは難しいだろう。
犠牲は出る。
それでも、自分の周りの人達だけでも、守れるようにしていこうと、大原は硬く決心した。
そうして、自身の弱さを超えていくように、一歩一歩みんなの元へと向かっていく。
「感情の我慢は必要な事だ。だが、極限状態の時に我慢する事はいただけないな。」
自分の中にいる魔王の助言を無視して、歩き続ける。
それは、今はまだ必要ないものだから。
反転結界を解除する。
みんなは賢者の指導により大幅にレベルアップしていた。
魔力の扱いに慣れたようだ。
けれど、あまり周りに迷惑をかけるやり方をしない事を約束に、この反転結界を何度も使っても良い事になった。
何度も使わせる気なかったのか…。
とも思ったが、ブラフのようだ。
この人はこういう事なら大丈夫なんだなぁと、少しだけ感心する。
全体に別れの挨拶をして、転移していった。
その流れでみんなも解散していった。
思いっきり人とは思えない跳躍をしながら帰る人もいたが、マジで大丈夫かなこれ。
とりあえずは俺も帰る事になったが、麗華さんはどうするのだろうか。
「私は賢者様が手配してくれたのがあるので。」
「…秘密基地みたいな?」
「普通のホテルですよ。貸切のですが。」
それもう最高じゃないですか。
そんな事を思いながら俺たちは、それぞれの帰路に立つ。
とりあえずは今日は色々なことがあった。
そして、これからも色々と動いていかないといけないらしい。
しかしながら、この度の戦争は、安全地帯というものはあるのだろうか。
造ることも難しいかもしれない。
なんだかなあとは思う。
けれど、そろそろこちらにもライトニングの使者がやって来てくれるのだろう。
その事に少し期待しながら、帰宅する。
夜九時
多くのメールが大原将希宛に届いていた。
部活に行っていた者たちからだ。
大まかに伝えると、魔力まとって打ったらやばかった。魔力を纏うと擦れる事なく出来る。走りながらは難しいけど、体力面はあまり関係ないのな。
等の連絡が来ていた。
流石に捌ききれないので、「報告ありがとう」とだけ打って、後の連絡はスルーした。
ごめんね。
俺はそのメールの通知オンを聴きながら、筋トレをして時間になったら眠った。
因みに現在の大原の重りは七百キログラムです。
次の日、学校での昼休みの時。
雷のような速さで俺のもとへと来てくれた。
周りには他のクラスメイトもいる、先生もいる。
このタイミングでの合流は聞いていなかった。
「アーシャさん、リサさん?どうしました?」
「どうもこうもない!あいつらはなんだ!お前たちの政府はあそこまで腐っていたのか!」
この反応は…もしかして…。
「突然すみません。ですが今はこの世界を守るために、協力をしてください。」
こうして、大原はこの世界に関して、この日本という国を知る事となる。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【R18】スライムにマッサージされて絶頂しまくる女の話
白木 白亜
ファンタジー
突如として異世界転移した日本の大学生、タツシ。
世界にとって致命的な抜け穴を見つけ、召喚士としてあっけなく魔王を倒してしまう。
その後、一緒に旅をしたスライムと共に、マッサージ店を開くことにした。卑猥な目的で。
裏があるとも知れず、王都一番の人気になるマッサージ店「スライム・リフレ」。スライムを巧みに操って体のツボを押し、角質を取り、リフレッシュもできる。
だがそこは三度の飯よりも少女が絶頂している瞬間を見るのが大好きなタツシが経営する店。
そんな店では、膣に媚薬100%の粘液を注入され、美少女たちが「気持ちよくなって」いる!!!
感想大歓迎です!
※1グロは一切ありません。登場人物が圧倒的な不幸になることも(たぶん)ありません。今日も王都は平和です。異種姦というよりは、スライムは主人公の補助ツールとして扱われます。そっち方面を期待していた方はすみません。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる