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第六章 魔王軍襲来 風の世界<フーリアスター>編
82.作戦概要
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アリサの脳内ではここまでは予想通りの展開であった。
今回はどちらかといえば防衛戦。
こちら側から攻める理由はない。
目的もある程度分かっている。
大原将希を殺すことだ。
しかしながら、大部隊でこちら側に攻めてきている。
そして惨劇の愚者のみで大原に攻め込んだ。
ここから予想するに、相手は全体に語らず、惨劇の愚者のみに語った形だろう。
他の者には風の世界に攻め込むと吹き込んだのだろう。
「まぁ、今は挟み撃ちにできてるから…。」
なんとかなるか。今のところは。
作戦の変更点は今の所はない。
今回の作戦は三パターン用意している。
まずは今展開している、ライトニング。
奇襲部隊と、本隊での挟み撃ちを行う。
地の利はこちらにある。
惨劇の愚者が現れても所定のポイントまでにいければなんとかなるだろう。
しかも、まだあいつらがきていないからな。
残り二つは後々に使う時に話すとしよう。
ただ、この作戦は大原にはあまり意味がない。
必ず惨劇の愚者が相手になるからだ。
殺しに来るのなら加減はないだろう。
だが、逆にありがたい。
戦力は分散できた。
それに大原は死なない。
こと殺し合いにおいて、大原以上にうざいものはないだろう。
悲しいかな、ただの時間稼ぎにしかなり得ないことを相手は知らないのだから。
これを踏まえて、相手はどう出てくるのか…。
正直に言おう。
あまりに違いすぎる。
タイムズは、思案していた。
今のところ同じような展開にはなってはいるが、大原将希が五体満足だとは思わなかった。
これは、良いことなのか?
強いことはいいことだ。
だが、それでは届かない。
彼は一度死ななければならない。
彼が悪でもあればまだ満足に殺せた者だが、賢者の話によれば、これ以上ない最高の条件だ。
ここだ。この時に終わらせる。
まだ残っている感情が俺を焚きつけてくる。
しょうがない。
彼の仲間はとてもありがたい存在だが、邪魔をするなら殺してでも突破するしかない。
生き残るには、戦いしかないが、相手はどうするのか…。
「…ミスターO。貴方も攻めに転じてくれ。」
「?ここで俺を入れるの?」
「貴方なら俺の考えが分かるだろう?」
「…やってみるさ。ここの事は魔王軍の誰よりも知ってる。」
ミスターOという男はやれやれと言わんばかりに戦艦から外に向かっていった。
「タイムズ。」
リザーグ様が私の名前を呼ぶ。
「問題ないでしょう。今回は大原将希の周りの戦力の確認に転じましょう。そして、次の布石に転じましょう。」
正直、作戦は最初ので狂った。
しょうがないので、なるようになるしかない。
さぁここからは少し、諦めの戦いとなるだろう。
そして場面は移り変わり、大原 対 ディサップに移る。
「大原」
アリサからリストバンドに通信が送られる。
「そっちは任せた。増援は望めないと思ってくれ」
「了解。俺のことはいいから、アリサは他のことに集中しといてくれ。」
「分かってるよ。だってお前、そんな状況でもなんとかできそうだしな。」
「それは分からないけど、まぁ上手くやってみるさ。」
「ああ、頼んだ!」
通信が切れる。
アリサは少しだけ安堵する。
大原のあの言葉は信頼できる。
あたしはあたしのできることをしよう。
「…なんで攻撃しなかったんだ?」
「遺言は必要だろ?これから死にゆくお前にはな。」
まぁ魔力は使えないからね。
その辺に落ちている木の枝を取り出す。
能力は使える。
「魔力がなくても、戦えないことはない。ここで俺は死なないよ。」
「ならば、足掻いてみろ。この状況で。」
「馬鹿だな。足掻くんじゃなくて、この状況を上手くやり切るんだよ!」
圧倒的なハンデを加えながら、死闘が始まった。
今回はどちらかといえば防衛戦。
こちら側から攻める理由はない。
目的もある程度分かっている。
大原将希を殺すことだ。
しかしながら、大部隊でこちら側に攻めてきている。
そして惨劇の愚者のみで大原に攻め込んだ。
ここから予想するに、相手は全体に語らず、惨劇の愚者のみに語った形だろう。
他の者には風の世界に攻め込むと吹き込んだのだろう。
「まぁ、今は挟み撃ちにできてるから…。」
なんとかなるか。今のところは。
作戦の変更点は今の所はない。
今回の作戦は三パターン用意している。
まずは今展開している、ライトニング。
奇襲部隊と、本隊での挟み撃ちを行う。
地の利はこちらにある。
惨劇の愚者が現れても所定のポイントまでにいければなんとかなるだろう。
しかも、まだあいつらがきていないからな。
残り二つは後々に使う時に話すとしよう。
ただ、この作戦は大原にはあまり意味がない。
必ず惨劇の愚者が相手になるからだ。
殺しに来るのなら加減はないだろう。
だが、逆にありがたい。
戦力は分散できた。
それに大原は死なない。
こと殺し合いにおいて、大原以上にうざいものはないだろう。
悲しいかな、ただの時間稼ぎにしかなり得ないことを相手は知らないのだから。
これを踏まえて、相手はどう出てくるのか…。
正直に言おう。
あまりに違いすぎる。
タイムズは、思案していた。
今のところ同じような展開にはなってはいるが、大原将希が五体満足だとは思わなかった。
これは、良いことなのか?
強いことはいいことだ。
だが、それでは届かない。
彼は一度死ななければならない。
彼が悪でもあればまだ満足に殺せた者だが、賢者の話によれば、これ以上ない最高の条件だ。
ここだ。この時に終わらせる。
まだ残っている感情が俺を焚きつけてくる。
しょうがない。
彼の仲間はとてもありがたい存在だが、邪魔をするなら殺してでも突破するしかない。
生き残るには、戦いしかないが、相手はどうするのか…。
「…ミスターO。貴方も攻めに転じてくれ。」
「?ここで俺を入れるの?」
「貴方なら俺の考えが分かるだろう?」
「…やってみるさ。ここの事は魔王軍の誰よりも知ってる。」
ミスターOという男はやれやれと言わんばかりに戦艦から外に向かっていった。
「タイムズ。」
リザーグ様が私の名前を呼ぶ。
「問題ないでしょう。今回は大原将希の周りの戦力の確認に転じましょう。そして、次の布石に転じましょう。」
正直、作戦は最初ので狂った。
しょうがないので、なるようになるしかない。
さぁここからは少し、諦めの戦いとなるだろう。
そして場面は移り変わり、大原 対 ディサップに移る。
「大原」
アリサからリストバンドに通信が送られる。
「そっちは任せた。増援は望めないと思ってくれ」
「了解。俺のことはいいから、アリサは他のことに集中しといてくれ。」
「分かってるよ。だってお前、そんな状況でもなんとかできそうだしな。」
「それは分からないけど、まぁ上手くやってみるさ。」
「ああ、頼んだ!」
通信が切れる。
アリサは少しだけ安堵する。
大原のあの言葉は信頼できる。
あたしはあたしのできることをしよう。
「…なんで攻撃しなかったんだ?」
「遺言は必要だろ?これから死にゆくお前にはな。」
まぁ魔力は使えないからね。
その辺に落ちている木の枝を取り出す。
能力は使える。
「魔力がなくても、戦えないことはない。ここで俺は死なないよ。」
「ならば、足掻いてみろ。この状況で。」
「馬鹿だな。足掻くんじゃなくて、この状況を上手くやり切るんだよ!」
圧倒的なハンデを加えながら、死闘が始まった。
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