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第三章 雷の世界<エクスター>
44.さて、これから頑張るかね。
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「嘘…アリサが…こんなにも…」
「ここにいる誰よりも強くなりましたよ。」
アーシャは、呆然とした感じで十六夜さんに捕まりながら、こちらにきた。
十六夜さんから離れたアーシャは、震えていた。
恐怖からか、悔しさからかは分からない。
ただ、アリサの顔を見て、強い眼差しをしていた。
「少しやり過ぎてしまった。新技が上手く決まったから、熱くなってしまった。」
満足そうに語るアリサ。
それを見た、リサは俺に向き直る。
「では、大原さん、次は私たちがやりましょう。」
「え?」
さも当然かのようにフィールドに入っていくリサさん。
それを追いかける形で入っていく。
「急すぎません?」
「それはそうかもしれません。ですが、貴方だってうずうずしていたのでは?」
見破られていた。
アリサの強さを目の当たりにした俺は、衝動が抑えられなかった。
「それは私も同じです。それに、あなたの力も見せてもらいたいですから。」
十六夜さんが駆け足でセッティングしてくれる。
「おい!大原!」
呼ばれた方向を向くと、ミーナさんが何かを投げつけた。
それを取ると、リストバンドだった。
「お前がつけてるやつの進化系だ。細かいのはあとで言うが、きっと役に立つよ。」
「ありがとう、ミーナさん。必ず役立てて見せるよ。」
そうして、リストバンドを腕につける。
すぐに情報が流れ出る。
その内容は、段階的に魔力を増やすことができる。
一気にと言うこともできるが、大原という燃費が悪いのにはちょうどいいものだ。
「ああ、お前に使って欲しくて製作したんだ…。これからもそうしてくれないと、寂しくなっちまう。」
「いいですね。それがあれば色々と変わるのでは?」
「さあ?どうだろう。結局は使い手の問題だと思うよ。」
分かりやすい。
既に戦闘モードに入っている。
現に敬語ではなくなっている。
「では。始めますよ!」と十六夜さんが声をかける。
「いつでも」「いけます!」
「では、いきます。」
周りに透明な壁が張られる。
その瞬間にリサは距離をとった。
距離を取ると同時に3本の矢を大原の頭上に撃っていた。
「ライトニング・積雷光」
雷の矢を放ち、音速の雷に変化させる技。
本来ならこの技は不規則なのだが、リサの能力、追尾する能力は着弾地点を制御できる。
故に不意をつけば必中。
大原はそれを3発中2発くらったが、無傷であった。
「なるほどな、これが進化したリストバンドの力の一つ、魔力の受け流し。」
食らった魔力を体全体に受け流し、魔力操作で相殺させる。
「なかなか、面倒なものを。」
「というか一つだけ思ったんだけど、その喋り方デフォなんだな。」
「はい、そうですが。」
と首を傾げる。
「姉みたいなものかと。」
「私はいつも通りです。喋り方は姉よりも上です。」
「あ、はいすみません。」
そうして、大原も一段階上げる。
魔力量15万
「魔力が増えた?」
全体に魔力を注ぐ。まずは五千の魔力でやってみる。
「お、安定してるな魔力操作。」
「はい、隙がなくなりましたね。」
大原はリサに向かって駆ける。
今はまだ剣を持っていない。
遠距離から弓を構えて待つリサ。
程よく近づいたところで、音速の速さで矢を放つ。
ライトニング・ファストボルツ。
一つの矢を音速で放つ。
それを土の壁で防ぐ。
再び駆ける。
今度は1万に魔力を増やす。
2倍になった魔力操作によって、高速での移動が可能となった。
リサはそれを捉えるのではなく、炙り出すことにした。
ライトニング・サウザンドレイン
雷雲を発生させ千もの雷を落とす。
そこに追尾も発動すれば、かわすのに必死になる。
現に大原はかわすのに精一杯だった。
そこを狙う。
雷の魔力で作った弓矢を大原に向けて放つ。
死角からの一撃これを、全て防いで見せた。
「…!魔力量が…?」
二段階目リミッター解除。
魔力量30万。
風の防壁によって完璧に防いだ。
さらにそれを斬撃に変換してカウンター。
リサは雷の魔力の肉体強化で、回避する。
それは音速の速さ。
「よし、こんだけできるならあとはもう全力で…」
リミッター完全解除。魔力量100万
魔力操作は10万に上り、音速を超えて叩き伏せた。
「かはっ」
叩きつけられたリサはそのまま跳ね返り大原に抱き抱えられる。
「悪い、本気でやっちまった。」
「い、いえ…実力は分かりましたから。」
リサをおろすと、質問攻めにあった。
「魔力量が、すごいですね。どのくらいあるのでしょう?」
「100万らしいよ」
「ああ、そうですか。はあ、規格外…」
呆れ顔された。ここまでやばいとそうなるのか。
「それよりも、剣使わずに勝ったの凄いな。」
「ああ、そうですね。大原さん、武器なしで勝つのは初めてじゃないですか?」
「ああ、そうかも…」
「目も黄色くなって無かったしな。」
リサはきょとんと顔したまま、「勝ったの私が初めて?」
「そうですね、俺あんまり強くなかったので。」
「魔眼頼り。」
「うるさい」
そのまま、大原に質問攻めになってしまった。
途中から、アーシャも参加してきた。
意気消沈としていたが。
そのまま就寝時間となってしまい、ユナさん、龍也、麗華さんは明日に持ち越しとなった。
正直、ここまでになるとは思わなかった。
斬撃の剣を合わせながらなら、いけるかもしれない。
そう思ってしまった。
ことはそう甘くはないのだが。
「ここにいる誰よりも強くなりましたよ。」
アーシャは、呆然とした感じで十六夜さんに捕まりながら、こちらにきた。
十六夜さんから離れたアーシャは、震えていた。
恐怖からか、悔しさからかは分からない。
ただ、アリサの顔を見て、強い眼差しをしていた。
「少しやり過ぎてしまった。新技が上手く決まったから、熱くなってしまった。」
満足そうに語るアリサ。
それを見た、リサは俺に向き直る。
「では、大原さん、次は私たちがやりましょう。」
「え?」
さも当然かのようにフィールドに入っていくリサさん。
それを追いかける形で入っていく。
「急すぎません?」
「それはそうかもしれません。ですが、貴方だってうずうずしていたのでは?」
見破られていた。
アリサの強さを目の当たりにした俺は、衝動が抑えられなかった。
「それは私も同じです。それに、あなたの力も見せてもらいたいですから。」
十六夜さんが駆け足でセッティングしてくれる。
「おい!大原!」
呼ばれた方向を向くと、ミーナさんが何かを投げつけた。
それを取ると、リストバンドだった。
「お前がつけてるやつの進化系だ。細かいのはあとで言うが、きっと役に立つよ。」
「ありがとう、ミーナさん。必ず役立てて見せるよ。」
そうして、リストバンドを腕につける。
すぐに情報が流れ出る。
その内容は、段階的に魔力を増やすことができる。
一気にと言うこともできるが、大原という燃費が悪いのにはちょうどいいものだ。
「ああ、お前に使って欲しくて製作したんだ…。これからもそうしてくれないと、寂しくなっちまう。」
「いいですね。それがあれば色々と変わるのでは?」
「さあ?どうだろう。結局は使い手の問題だと思うよ。」
分かりやすい。
既に戦闘モードに入っている。
現に敬語ではなくなっている。
「では。始めますよ!」と十六夜さんが声をかける。
「いつでも」「いけます!」
「では、いきます。」
周りに透明な壁が張られる。
その瞬間にリサは距離をとった。
距離を取ると同時に3本の矢を大原の頭上に撃っていた。
「ライトニング・積雷光」
雷の矢を放ち、音速の雷に変化させる技。
本来ならこの技は不規則なのだが、リサの能力、追尾する能力は着弾地点を制御できる。
故に不意をつけば必中。
大原はそれを3発中2発くらったが、無傷であった。
「なるほどな、これが進化したリストバンドの力の一つ、魔力の受け流し。」
食らった魔力を体全体に受け流し、魔力操作で相殺させる。
「なかなか、面倒なものを。」
「というか一つだけ思ったんだけど、その喋り方デフォなんだな。」
「はい、そうですが。」
と首を傾げる。
「姉みたいなものかと。」
「私はいつも通りです。喋り方は姉よりも上です。」
「あ、はいすみません。」
そうして、大原も一段階上げる。
魔力量15万
「魔力が増えた?」
全体に魔力を注ぐ。まずは五千の魔力でやってみる。
「お、安定してるな魔力操作。」
「はい、隙がなくなりましたね。」
大原はリサに向かって駆ける。
今はまだ剣を持っていない。
遠距離から弓を構えて待つリサ。
程よく近づいたところで、音速の速さで矢を放つ。
ライトニング・ファストボルツ。
一つの矢を音速で放つ。
それを土の壁で防ぐ。
再び駆ける。
今度は1万に魔力を増やす。
2倍になった魔力操作によって、高速での移動が可能となった。
リサはそれを捉えるのではなく、炙り出すことにした。
ライトニング・サウザンドレイン
雷雲を発生させ千もの雷を落とす。
そこに追尾も発動すれば、かわすのに必死になる。
現に大原はかわすのに精一杯だった。
そこを狙う。
雷の魔力で作った弓矢を大原に向けて放つ。
死角からの一撃これを、全て防いで見せた。
「…!魔力量が…?」
二段階目リミッター解除。
魔力量30万。
風の防壁によって完璧に防いだ。
さらにそれを斬撃に変換してカウンター。
リサは雷の魔力の肉体強化で、回避する。
それは音速の速さ。
「よし、こんだけできるならあとはもう全力で…」
リミッター完全解除。魔力量100万
魔力操作は10万に上り、音速を超えて叩き伏せた。
「かはっ」
叩きつけられたリサはそのまま跳ね返り大原に抱き抱えられる。
「悪い、本気でやっちまった。」
「い、いえ…実力は分かりましたから。」
リサをおろすと、質問攻めにあった。
「魔力量が、すごいですね。どのくらいあるのでしょう?」
「100万らしいよ」
「ああ、そうですか。はあ、規格外…」
呆れ顔された。ここまでやばいとそうなるのか。
「それよりも、剣使わずに勝ったの凄いな。」
「ああ、そうですね。大原さん、武器なしで勝つのは初めてじゃないですか?」
「ああ、そうかも…」
「目も黄色くなって無かったしな。」
リサはきょとんと顔したまま、「勝ったの私が初めて?」
「そうですね、俺あんまり強くなかったので。」
「魔眼頼り。」
「うるさい」
そのまま、大原に質問攻めになってしまった。
途中から、アーシャも参加してきた。
意気消沈としていたが。
そのまま就寝時間となってしまい、ユナさん、龍也、麗華さんは明日に持ち越しとなった。
正直、ここまでになるとは思わなかった。
斬撃の剣を合わせながらなら、いけるかもしれない。
そう思ってしまった。
ことはそう甘くはないのだが。
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