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第二章 風の世界<フーリアスター>編

40.次なる世界へ

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 賢者の転移によって、ギルド本部へ戻ってきた大原一行。
 そこで早速、依頼を受けようとしたのだが、
 「雷の世界での、仕事?」
 団長に呼ばれてきた大原達が聞いたのは雷の世界で依頼をこなすと言うものだった。
 「そうだ、本来なら私も龍救助を終え行ける手筈だったんだが…少々こちらも忙しい事案が多い。」
 副団長が依頼書を持ってきた。
 「そこで、あなた達に頼みたいのです。何しろ、ライトニングのお嬢様もいらっしゃいますし、あちらには知り合いが待っているのでしょう?」
 「まぁ確かに…」
 どこにも行かない理由はなさそうだが…
 とアリサを少し見る。
 「問題なし。あたしも強くなったからな。あんた達のお陰でな。」
 と笑顔を見せる。
 「分かりました。俺たちは雷の世界へ行きます。」
 「よしきた。では早速向かってもらおう。」
 「と、その前によろしいでしょうか?」
 と副団長が静止に入る。
 麗華さんの目の前までくると、頭を垂れた。
 「この度は、疑いの目を向けてしまい申し訳ありませんでした。」
 と謝ってきた。
 「いえいえ、そう思われるのは当然ですから…お気になさらずに。」
 「やはり、親子ですね。あなたのご両親も同じことを申しておりました。これからは、お互い協力しあっていきましょう。」
 と握手を交わした。
 そこに賢者が現れ、転移によって、セレスティアルに向かっていった。

 「これは…」
 一同が目にしたのは巨大なドーム。
 「これは、剣豪大会が行われる会場、セレスティアルドームね。広さは大体東京ドーム一個分くらい。」
 「
 「一度言って見たかったのよ。」
 「ここで、試合をするのか…」
 「でっけー、これは盛り上がるね。」
 「まぁそれは始まる時に話すとして、貴方達はこっち。」
 賢者に案内された場所は巨大な門の前だった。
 転移門。世界をつなぐ門。
 賢者の能力、転移を媒体に作られた。
 全部で五つある。
 使用方法は、門の前にいるロボットに説明すると、その世界に行けるように調整をするらしい。
 「因みに、予約制よ?」
 流石に、ぽんぽんとはいけないらしい。
 
 調整が終わったらしく、ロボットたちが門を開いた。
 そこに広がっていたのは渦巻いた真っ黒な空間。
 ブラックホールを彷彿とさせるようなものだった。
 それを、「よっと。」と軽々と入っていったアリサ。
 「あんな軽々しく行けるもんかね。」
 「一度通れば慣れるわよ。」
 確かに。そうかもしれない。
 続いて麗華さん、龍也、ユナさんと入っていく。
 残るは俺だけ、覚悟を決め渦の中に入っていく。

 その中は、ぐるぐると回るような、ぐにゃぐにゃとするような、何もかもが安定してはいないと言う表現が出てくるほどだった。
 時間は一瞬のようで一瞬でない。
 そもそも、時間という概念が無さそうだった。
 しかし、そのような空間でも、この場所に辿り着いたのなら、意味があるのだろう。
 
 目の前に広がったのは、巨大な塔。
 その周りには、空中を舞う車や、エスカレーターやエレベーターの数々。人が歩く場所は、真下に見える繁華街の道のりだけしか見えなかった。
 
 そんなこんなで周りを見ていると、二人の女の子が挨拶してきた。
 「こんにちは。貴方達がエノス団長のおっしゃっていた皆さん?」
 「はいそうですが…」
 「んな!なんでこんなとこまで!」
 とアリサが驚いていた。
 「申し遅れました、私はアーシャ・ライトニング。」
 「次女のリサ・ライトニングです。妹がいつもお世話になっております。」
 ライトニング…つまりこの二人は。
 「アリサの双子の姉…」
 「今回は、この世界、雷の世界エクスターの首都、ライトニングまでのご案内をさせていただきます。」
 そうして、俺たちはここで、雷の世界に来たことを自覚したのであった。
 
 
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