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第一章 風の世界<フーリアスター>仲間集め編

12.作戦会議

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 アリサとウオラさんを含めた8人で作戦会議が始まる。
 「というわけで、どうするのだ、ライトニングの娘よ。」
 「いきなり丸投げかよ…。まぁいいや。それでどのエレメンタルドラゴン属性龍を救うんだ?」
 あ、確かにどの属性をやるのか決まっているのだろうか?
 「火属性のドラゴンだよ。」
 「火属性か…。あれは硬いよ。」
 火属性なのに硬いの?もっと火力でゴリ押しぃ!って感じじゃないのか?
 「正直言ってこのメンツじゃ火力が足りないと思うのだけど…。それもあたしが考えるのか?」
 と全任せかよ…と少しキレ気味ではあるけど、楽しそうなアリサ。本当にこういうの好きなんだと思った。

 「それに関しては問題ないさ。こちらには化け物がおるからね。」とこちらを見てくる。化け物だと?この細い身体で?スケルトンかな?
 「…確かに大原?だっけ、は魔力量は高い水準だけど、あたしの姉ばりの魔力量ではあれを貫くのは、はっきり言って無理だぞ。」
 姉さんもすごい魔力持ってるな。まぁ俺も魔力量をどれだけ抑えられているのか分からないのだけど。
 「確かに、アリス様と大原は同じくらいかもしれませんが、それは私めが開発した物を外せば分かります。」
 と言われたので外す。なんか恥ずかしい。

 すると、体からふつふつと力が湧いてくる。あまり慣れないな、この感じ。
 「な、なんだこれ…。こ、これは、人が持つ魔力量じゃない⁉︎異常だ!しかし、これなら貫通は出来るかもしれない。」
 俺の魔力量凄いんだなとこれをするたび思う。宝の持ち腐れとも同時に思ってしまうのだが。
 「ちょっとだけ待っててくれ、作戦と陣形を考える。」とアリサがルミナさんから紙をもらい、ペンで作戦を書き出した。
 その間に、今回救うドラゴンの情報を知りたいと思ったのだ。
 物知りユナさんはこう語った。
 火の属性龍エレメンタルドラゴン、その名をフレアドラゴワール。灼熱の球体の結界を展開して、球体から攻撃を仕掛ける。本体は球体の中にいるため、ダメージを与えるには、結界を破らなければならない。
 あの、賢者でも単体では破れないほど硬いらしい。
 「その結界を俺が破る訳か。」
 「そのためのその膨大な魔力だろうね。」とグリムがそれ以外に何があるという目線をしてきた。
 ごめんて。俺は技術も経験も足りませんよ。

 「そういえば、なんで光の使者は属性龍エレメンタルドラゴンを救おうとしたんです?」

 一番重要なことを聞くのを忘れていた。

 アリサが作戦を考えているうちに聞いておこうと思ったのだ。

 「それは、僕の魔力に由来しているんだ。」

 魔力?エクスカリバーは使えていたはず…。

 「僕の魔力は属性がないらしいんだ。」

 属性が、ない?

 「そんなことがあるの?」

 「いるにはいますが、大抵は最前線には出てこない人達が多いので…」

 「んで、それと今回のドラゴン救出にどう関係が」

 「龍の証さ。それを貰うと手の甲に紋様が出て、炎の属性を持つものは十倍の火力を、持っていないものは炎の魔力を龍の証のある手の方で炎の魔力を使うことが出来る。」

 なるほど。つまり、この人たちの目的は。

 「僕の魔力に属性をつけるためだ。単純だろう?」

 「けど、そのためにきたんでしょう?やってやりましょうよ。」

 「全く、ありがたいものだね。」
 
 「出来た!大体こんなもんだろう。一応確認してくれ。」
 とアリサに言われたので見てみると、とても細かく説明されているため机の上に一つの紙ではこの人数だと見づらい。
 そのため、俺はホワイトボードを取り出して設置する。そこに作戦の紙を貼り、アリサの説明を受けた。

 「まずは陣形だ。光の使者は前衛に、中距離に大原、遠距離にミーナ、ユナで行こうと思うけど…異論はあるか?」みんな異論はないらしい。
 「では、作戦の話をする。まず、あの結界が…。」
 と話が続く。作戦は大元が決まっているから大丈夫として、俺が結界を壊せるかどうかだ。破らない限り、本体には会えないのだからなんとかしないと…。
 そんな感じで考えていると作戦の説明が終わった。
「何が質問は?」とアリサが聞く。するとルミナさんが手を挙げる。
 「その作戦だと大原さんの負担が大きいと思います。何故なら、大原さんの魔力消費量が他の人と比べて多いのです。」
 そうなの?とミーナの方に向く。コクリと頷いた。
 「なるほど、つまり結界まで行くのに結構魔力が減るから、そこまで行く何か、機動力が必要ってことか。」
とアリサが納得する。
 「そこで提案なのですが、私の能力で大原さんを結界まで連れて行こうと思うのですが…どうでしょう?」とルミナさんがアリサに提案する。
 アリサは少し考えた後に、「当てはあるの?」と問う。「私は紙を操れますから大丈夫ですよ。」と言いきった。
 「よし、それで行ってみよう。他に無いかい?…よしじゃあ明日に向けて、各自休もう。」
 というわけで晩飯まで時間があるので、休憩という名の温泉に行くことになったのだった。
 
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