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序章 この世界を知る

5.修行、そして…

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 次の日、「魔力」の分野。魔力の使い方にも慣れてきた。少ない魔力を使用する際は、指を銃のようにすると抑えられた。人殺し対策も出来たところで次のステップ、「魔力操作」に移行した。

 「魔力操作」とは、自身の身体に魔力を纏わせるというものだ。賢者曰く、魔力の鎧と考えるといいらしい。また、これは武器にも纏わせることが出来るらしく、これを利用して剣舞は行われるらしい。

 実際にやってみたが、出来るは出来るが、持続はしないし、魔力も安定していない。それに何よりも、纏うまでが遅いのだ。いくら魔力が多くても、扱えなければ宝の持ち腐れというものだ。練度を上げていくしかない。

 「能力」の分野では、ある実験を行った。それは能力を取り出せるかだ。ある意味卑怯な手だが、知るのと知らないのとでは、知識として差が出るということでやってみた。結論からいうと成功した。が、すぐに戻っていった。しかし、数秒でも取り出せたのは、やばいとは思う。そこからは、イメージを具体的にして、取り出す作業だ。段々と細かくしていくらしい。

 「剣術」は素振りをしながら、形を整えていく。エノス団長曰く、形はいいが、キレが無いと言われた。一日二日では出来ないだろう。精進していこう。

 三日目からは、賢者、アリシアが説明をしていこうと思いまーす。
 さて、大原君の成長はというと、とても早いです。悪く言うと異常者です。それもそのはず、昨日あれだけ苦戦していた魔力操作を、持続して使えていたんだから。まだ少し纏うには時間はかかっているけど、昨日とは見違えて成長している。私こんな早くコツを掴んだかな?

 次に「能力」だけど、大体のものは取り出せることが分かったわ。体の中のものは見れば取れるという見解がなされているわ。流石に殺傷性が強いからやらないみたいだけど、相当強い能力になってしまっているわね。

 「剣術」の方は実剣になったようね。切り方を教えているみたいだけど、私は専門外なので、夕飯を作りまーす。さて、何にしようかなぁ。

 四日目朝、ここまで出て来なかったミーちゃ…ミーナは、大原君の調査をしてまとめてくれたらしいわ。所謂ステータスってやつね。私もちょっと気になるから見よーっと。

 大原 将希
 能力  取り出す能力
 属性  全属性
 魔力量 100万
    攻撃力    S
    防御力 D~S
    素早さ D~S
 行動判断 B

 というのが今現在の大原君の実力ね、防御力、素早さは魔力操作を含めた予想、というところかしら。後は、やっぱり属性かしら、威力がほとんど変わらなかったからもしやとも思ったけど、スペックは最強に近いけど、しっかり鍛錬はさせないとね。

 四日目から、七日目までは同じ内容だから、話すことは無いです!
 あ、後、七日目の翌日はテストです。大原君、頑張れー!

 と言われた。筋肉痛のオンパレードだがやるしかない。この痛みも取り出せたらいいのに。

 「…ふう。もうすぐで完成だ。」
 と真っ暗な部屋の中で一人言葉をこぼすミーナ。「あいつの魔力は大きいからな、少しでも抑えないと」と作業を続けていると、ノックをされ、
 「ご飯出来ましたよ。」と大原が呼びかける。そんなこんなで、今日でこの家との最後の晩餐だ。たらふく食べよう。と階段を降りていく。
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