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✕✕✕✕の話 3
車内にて
しおりを挟むその黒塗りの車は、神奈川県を縦断する道路を走っていた。
車窓の外には既に海は無く、赤や青など様々な色をした屋根が並び、都会のベッドタウンらしい住宅ばかり見える景色が広がっている。
そんな平凡で特徴もない閑静な住宅街を車は静かに走っていた。
その後部座席には、少年と男の2人の人間がいた。
座る男の膝で少年は眠っている。良い夢を見ているのだろうその寝顔は穏やかで安らかだ。そんな少年の頭を男は慣れた手つきで撫でていた。
彼の穏やかな寝顔を守るように、頭の形に沿って手先を動かし、髪を梳いて、彼に尽くし甘やかし愛でている。
しかし。
その男の顔には、一切の感情が無かった。その手つきはとても優しいというのに、少年を見下ろすその表情は冷たく、淡々と少年を静かに見下ろしていた。
「……」
無音のまま、形容し難い不穏さを孕んだ歪な平穏さを持って時間だけが過ぎていく。
だが、ふと、その時だった。
「随分、可愛い子じゃないですか。貴方が面食いだったなんて知りませんでしたよ」
知的ながら飄々とした男性の声。
その声に男は一瞥もしないまま、目を細める。
その声は前の座席……運転席側から響いていた。
そう、女性が座っていたはずのその場所には、いつの間にか他の人間が座っていたのだ。
仕切り越しで、ハンドルを握る彼の姿は見えない。しかし、男は……眼鏡をかけたその男が笑っていることに気づいていた。
「……静観するという話では無かったか?」
静かな車内に男の声が響く。彼はかけている眼鏡のチェーンを揺らしながら小さく笑った。
「 折角、僕がオーナーをやってるホテルにお得意様である貴方が来たのに、顔出ししないなんて失礼でしょう?
かといって、御子息の前で、挨拶なんて僕も命が惜しいので出来ませんし、であれば、タイミングを見計らってこのようにする他ありません。
苦肉の策ですよ、えぇ、本当に……」
そう言いながらもその声音はやけに楽しげであり、その言葉は取ってつけたように軽い。
明らかに二心がある。
ずっと運転席の彼の眼鏡から垂れ下がるチェーンが揺れる微かな音とともに、彼の含み笑いが聞こえる。
男はため息を漏らし、そっと眠る少年の耳を塞いだ。
「本題に入れ」
「雑談はいけませんか? こうして監視の目もなく証拠も残らず話せるのは数年ぶりだというのに寂しいですね」
「…………」
「相変わらずの潔癖さです。ふふっ。貴方は本当昔から慎重派ですよね。
僕だってリスクはあるんですよ? 貴方と無神経に軽々しく接触するわけないじゃないですか、信頼がないですね」
その言葉尻には、ただの取引先という関係に収まらない、その独特の馴れ馴れしさはまるで男の古馴染みのようだった。
目の前で次々と青信号に変わる道路を見ながら、彼はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
「雑談もまた大切なコミュケーションですから、どうか付き合って下さいませんか。なぁに時間はとりませんとも」
「…………」
「沈黙は肯定……いえ、この場合、諦めでしょうか? ふふっ」
今、後部座席で呆れた顔をしているだろう男を思い浮かべ、彼は笑い、早速口を開けた。
平穏に生きる世間の人々、そして、今男の膝の上で眠る少年も、知らないとある重要な話をする為に。
「最近、随分と派手じゃないですか。あの情報をお渡ししたのは先々月だったような……?
恐ろしいペースですねぇ」
「…………」
「以前は、僕が依頼した分も合わせて、1ヶ月半に1回あるかないかだったのに。
……余程、その子に着いていた羽虫が気になって仕方がなかったと見えますね」
「…………」
「ふふっ、貴方が一個人にこんなに熱を上げるのを見るなんて思いませんでした。
けれど……。
貴方のそれ、愛という言葉では言い表せない程、歪みすぎているのですけど、一体何なんです?」
しかし、その問いに、男は答えない。
無言という返答に、彼は男の断固とした意志を感じ、口を閉じる。しばらく考え込みながら、ハンドルを回し道を曲がった。
道路標識には東京の2文字が粛々と並んでいた。
そこでふと彼は思いついた。
「……あぁ、分かりましたよ。
愛憎、ですね」
彼は笑ってそう答えた。
「昔の貴方は常に変数を愛する人だった」
「…………」
「だが、貴方は2度も裏切られた」
「…………」
「その結果が、今であり、その子なのでしょう?
2度も裏切れられた貴方は3度目がないように、その子をある種の定数にしようとしている。違いますか?」
そっと彼は後部座席の方を一瞥する。
すると。
「……短絡的だな、久杉」
不意に、もしくは、タイミングを見計らったように、ずっと無言だった男は口を開けた。
「……敢えて言葉にするならば、理想の為だ」
「理想? 願望ではなく?」
「願望とは、いずれ叶えるものだ。その可否はともかく、大小は問わず、普遍的にそういうものだ。
しかし、理想はそうではない。
……理想とは、追い求め続けるものだ」
「……!」
男は自身の膝にいるその少年をそっと見下ろした。
少年はまだ穏やかに眠っている。男の膝の上で男への全幅の信頼から無防備な姿を晒し夢を見ている。
それに男は、笑みを浮かべた。
……だが、その笑みには、子を見守るような穏やかさはなく、慈しみというには傲慢な、愛と言うには執念的な何かが滲んでいた。
「邪推するなら勝手にすればいい。詮索好きの君の解釈の正否を答えるつもりもない。
だが……一つ、明言しよう。
俺は、俺の定義に基づいてこの子を愛している」
その男の言葉に、彼は目を見開き、ついハンドルを強く握ってしまう。
男の言葉は誰もが理解できない意味不明なものに聞こえたが、彼は理解してしまったらしい。
正に藪から蛇だったと言わんばかりに、その口から「…………はぁ」という小さく感嘆の吐息を漏らした。
「本当、相変わらず、恐ろしい方ですね……。
それってつまり、愛憎とかとっくに通り越していて、激重激ヤバってことじゃないですか。貴方の定義は、狂ってるとか生半可な言葉では言い表せませんからね……あの数々のミレニアム懸賞問題がみみっちく見えるぐらい……。
そんな貴方に寄り添えるその子も凄いというか、なんと言いますか……」
彼は徐に眼鏡を指で押し上げ、小さく息を吐き肩を竦めた。
彼から見れば、男と少年の関係は歪の一言だ。しかし、お互いの需給が噛み合ったのか、奇跡としか言いようがないほど歪なまま完成してしまっている。
そう理解すると、ふと、彼の脳裏に素朴な疑問が浮かぶ。あの少年のことだ。
「その子、まさか、そういうのが好みのでしょうか……? もしくは、厄介な人間にばかり好かれて生きてきたが故に、そういう生き方を選んでしまうのか……どちらなんでしょうね? 相手の思うままにガチガチに縛られて生きているのに、その日々に幸せを感じているのでしたら、中々奇特で憐れな人間ですね。貴方もあの人間達も彼のそんなところに目を付けたのでしょうけど……」
「………………」
「おっと、失言でしたね。
でも、いいじゃないですか。貴方はその子に関わるあらゆる人間を、もう粗方片付けてしまったようですし。彼の中にその過去はもうないのでしょう?
それに、血の繋がりにも匹敵する程の厄介なものを手綱にして握っているのですから今更……ね? ふふふっ」
「…………」
静かな車内に彼の含み笑いがやけに大きく聞こえた。
そして。
「ところで、そんな貴方に朗報が一つ、報告が一つあるのですが……」
そこで初めて男の目が目の前の運転席へ向く。
後部座席から彼の顔は見えないが、彼がやけに機嫌がいいのに男は気づく。そして、彼はもったいぶりながら提案してきた。
「もちろん、同等の対価はいただきますが……どうされます?」
「……聞かせてもらおう」
「ありがとうございます。やはり貴方は羽振りがいいですね、ふふふっ」
閉ざされた車内、外からはそこで何が行われているかなど分かりようもない空間、そこで彼は本題を切り出した。
「まず朗報ですが。
ようやく分かりましたよ。その子の実の両親。離婚していた上に雲隠れしていて、調べるのにとても苦労しましたが……。
詳細なデータは近日中に、いつもの場所に送付させていただきます」
「………………」
「そして、報告……。
貴方とその子が出会った、1ヶ月半前のあの依頼……その捜査を担当しているの、誰だと思います?」
彼は報告しながら笑っていた。それはもう楽しそうに、嗤っていた。
「天見 絹枝」
その名を聞いた途端、男の目が細められる。
「いつぶりですかね。この名を聞くのは。貴方もはっきり覚えているでしょう?」
「…………」
「感慨深いですよね……あの人が、また貴方に関わる事件を追っているだなんて。
何せ、彼女は……」
それは、まるで時が止まったようだった。
「貴方の家族の死を、突発的な無理心中、ということにした張本人なのですから」
男の脳裏に今や色褪せた景色が過ぎる。
それは、3年前……。
今日の空のような空が広がっていた、だが、まだ肌寒い日だった。
街角にある小さな葬儀場。
そこには喪服を着た様々な人々が弔問に訪れ、並んでいた。
参列した人々の殆どが子連れだった。子どもは皆、黄色い帽子と緑色のスモックを来て、よく分からないまま不思議そうに葬儀場に入っていく一方、その親達は皆、複雑そうな顔をして、葬儀場に入っていった。
「……可哀想に。早苗ちゃん」
「あとちょっとで小学生だったのに……」
「うちの子とよく遊んでくれた、活発で良い子だったのよ、なんで……」
「幼稚園で1番元気な子だったから、よく覚えてるわ。でも、まさかこんなことなるなんて……」
「他人事に思えないわ……」
ザワザワと様々な人達の言葉が葬儀場から溢れかえる。その一つ一つに憐れみが滲んでいた。
しかし、その中には訝しげな声も混ざっていた。
「早苗ちゃんのお母さん、貴方、子ども園で見た事ある? 私見た事ないんだけど……」
「子ども園に来るのはいつもお父さんだけだったから、私、知らないんだよね」
「早苗ちゃんのお母さん、担任の林田先生もよく知らないんだって。お手紙のやり取りもした事ないって」
「近所のママさんの話だと、早苗ちゃんのお母さんって、もう何年も早苗ちゃんの面倒見ていなかったらしいじゃない。 早苗ちゃんも懐いてなかったって……。なんでこんなことに……」
「何それじゃあ、早苗ちゃんのお母さんは早苗ちゃんに興味なかったってこと? 早苗ちゃんも懐いていないなら、何でこんな事件になるのよ」
葬儀の場でありながら、そのざわめきはとても騒々しく、どこそこで発せられ、異様な空気が流れている。あまりの異様さに子どもが泣き出し、帰りたいと叫ぶが大人達は皆、列に並んだまま離れようとはしない。まだ○○が出来てない、まだ○○しなくちゃならない。それがルールだからと子どもの悲鳴を黙殺していった。
そんな世界の中に、小さな棺の傍らで、1人沈黙し、世界から取り残された男がいた。
彼の周りだけ、異様な静けさに包まれていた。
どこからか漂う灰の匂いと、菊の花の匂いだけが、彼のそばに居るが、まるで幻のように全てが薄く淡く曖昧だった。
そんな男の傍らにあるその棺の中には、溢れんばかりの花が詰められていた。ピンク、黄色、オレンジ、白、そんな色とりどりの花に埋もれるように、折り紙の鶴や亀や、使い込まれ歯が無くなった2匹の犬の人形、欠けた珊瑚と真珠の小さなネックレス、ひっくり返ったままのカエルのおもちゃ、など様々なものが入っていた。
そこに艶々な赤いランドセルがそっと添えられる。
添えたのは、ずっと棺の傍にいる男だった。
もう少し経てば、毎日背負って歩いて大切に使っていただろう、それを棺の中に入れる彼を見て、ザワついていた大人達は、皆、一斉に言葉を亡くし、その切なさと痛々しさからやがて棺に手を合わせた。
涙のない葬儀……それは、泣くことすら出来ない程、悲しい葬儀だった。
しばらくして、子どもを連れ大人達が帰っていく。子連れでは無いスーツ姿の大人もその後にやってきたが、軽く挨拶し焼香を済ませると直ぐに疎になり帰っていった。
残されたのは、男だけ。
男だけは棺の傍らに立っていたままだった。
静寂に包まれた葬儀場。
そこに、床を小突きながら歩く特徴的なヒールの音がした。
「柞木原さん」
その声に男が顔を上げると、そこには黒いスーツに身を包んだ腰までたなびく白い長髪の老女がいた。
「天見警部……」
「どうか私にもこの子の弔いをさせて貰えないだろうか……」
「……えぇ、どうぞ」
男が了承すると天見は男がいる棺の傍までやってくる。
やってきて早々、天見はそのあまりに小さい棺に、そして、顔さえ見えないほど花で満たされた中身に、息を飲み、絶句した。
「…………」
「…………」
お互いに無言の時間が過ぎ去る。
真っ赤なランドセルが明かりに照らされ、輝いている。まだ傷一つない鏡のようなその金具一つ一つに、悔しげな表情を浮かべる天見が写っていた。
「……どうして、こんな子どもが犠牲にならなくてはならなかったのか……。
この子にも未来があったろうに……何故……」
そう天見が零した時だった。
「本当に、心中だったのですか?」
唐突な問い。それに天見は絶句し、思わず、隣の男を見上げる。
男は未だ棺を見据えたまま立っていた。だが、その目には……。
「俺はあの日、定時で帰宅しました」
「…………」
「一度、アパートに帰宅してから子ども園に早苗を迎えに行こうとしました。毎週金曜日の夜は外食するのが早苗との約束でしたから……」
「…………」
「ですが、帰宅していた俺を待っていたのは、2人の死体……。
妻と子どもが折り重なって……子どもは包丁を持つ妻の腕の中で死んでいました。俺でなくとも、誰がどう見ても妻が子どもを殺したのは明らかでした……ですが……」
「…………」
「……早苗を、子ども園に迎えに行ったのは誰なのでしょうか?」
男の声は淡々としている。
淡々と平静に、平然としている。だが、その目は、棺を見つめる男の目には、光一つ無かった。
「園長先生曰く、俺が迎えに来たそうです。
通常よりかなり早い時間だったものの気にせず、早苗を渡したと言っていました。そして、車に乗り込むと早苗は笑顔で園長先生に手を振ってお別れした、と……」
「…………」
「他の先生方や早苗の同級生もそれを目撃しています。では、早苗は誰の車に乗って帰ったのでしょう? 俺はまだ勤務していたのに……誰の車に乗って、彼女は笑っていたのでしょうか」
「…………」
「その上、早苗の帽子や鞄は自宅に無く、近所の交番に拾得物として届けられていました。
……この意味が分かりますか?」
「…………」
「天見警部……本当に、唯愛と早苗は、心中だったんですか……?」
男の目が、天見の方へ向けられる。
その男の疑問は最もだった、不可解だった。だからこそ、警察の判断を訝しんだ。あれを無理心中だと乱暴に片付け、それ以上捜査することもなかった警察を、そして、天見を。
だが、その問いに、天見は……。
「柞木原さん。もうすぐ県境超えますよ」
その声に男の意識が車内に戻る。
車の外には背の高いビルが見えていた。陽に照らされ輝くそれと対照的に、彼らが乗る車に陰が差す。
犇めくように建つ背の高い建物の影の中に入り、車が影の間を縫うように走り出したのだ。
「旅も、もう終わりですね~。現実に戻る時間です。なんと短いものでしょう。
ま、1泊2日程度の旅行なんてそんなものでしょうけど」
「…………」
「さぁて、僕はこの辺で部下に代わりますよ。あまり長居しては貴方も気が気ではないでしょうし……」
「…………」
「あぁ、そうそう。次はできるだけ派手にして下さると幸いです。
知ってました? もう夏なんですよ。僕の関係者の誰にとってもびっくりしてどっきりする忘れられない夏にしたいので、お願いしますね」
「…………分かった」
「……ふふっ、期待してますよ」
車が向かう先には、東京が見えていた。
超高層ビルが立ち並ぶ日本有数の大都市……その影で、また惨劇が始まろうとしていた。
男は大都市を望みながら、膝にいる少年の丸い頭を再び撫で始める。
さらさらとした髪に指を絡め梳いていると、少年が僅かに身動ぎしたことに気づいた。
……少年の覚醒が近い……。
男はそれを待ち遠しく感じた。
ゆっくりと少年の頬を触れる。柔くまろいその頬は男の手に吸い付くように男を受け入れている。
思い出されるのは、つい数時間前の出来事。
恥ずかしそうに打ち明けられた、あのいじらしいまでに、健気で愛らしい言葉……。
『聡真さん、聡真さんのこと好きって言ったらだめ……?』
その言葉を男は内心歓喜した。だが、それは少年の初々しい告白が胸に来たからではない。
……そう、それは一言で言えば、機は熟した、と判断出来たからだった。
男は眠る彼に微笑み、その頬を撫でた。
すると、想定通り、男の手の中で、少年の安心しきった微笑みが溢れる。その次に、きっと声をかければ、少年は男の膝に頬ずりするだろう。
今や少年は男の指先一つで男の望む反応をするようになっている。
甘ったるい飴を与え、その願いを全て叶え、礼節を持って尽くし、これでもかと甘やかしながら、その裏で、少しずつその心を掴み、掌握していった結果だ。
全て計画通り。
後は、この檻の中で……。
そこまで考え、男は口角を上げた。
「……君には、何色が似合うだろうか?」
楽しげな男の独り言が車内に響く。
「やはり、王道に、赤色だろうか? もしくは、鎌倉で着たあの着物のような白色だろうか?
……君には似合うものが多い。実に悩ましいものだ。だが、まぁ、何色にしても……」
「…………君には、俺が考える、最も上等な首輪を贈ろう」
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