記憶喪失になったヒロインは強制ハードモードです
ミアリーが学園の保健室で目覚めたその瞬間、彼女は人生最大のピンチに陥った。
目の前には、ミアリーをうっとりとした目で見つめる少年が5人と……その後ろには、ミアリーを血走った目で睨みつける少女が5人がいた。
惚気と殺気が交互に渦巻くカオスな状況に、ミアリーの思考は目覚めて早々硬直した。
しかし、ミアリー最大の問題はそれではない。
「皆様……どなた様でしょうか……?」
階段から落ちたショックからか目覚めたミアリーは記憶を失っていた。
そう、ミアリーは全て忘れたのだ。
この世界がとある恋愛ゲームの世界であることも。
自分がそのゲームのヒロインにあたる存在なのも。
そして、ヒロインであることを鼻にかけて階段から落ちる直前まで調子に乗っていたことも。
調子に乗った結果、めぼしい貴族令息次々と攻略して最終的に5股しただけでなく、何人もの貴族令嬢と様々なトラブルを起こしていたことも……全て。
その結果、真人間になってしまったミアリーを待っていたのは、黒歴史だらけのハードモードな未来。
ミアリーの人生は今後どうなるのか? はたして幸せな未来はあるのか……?
「あるわけねぇだろ。お前、数々の婚約を破談にし様々な貴族令息令嬢の経歴に傷をつけた悪女だぞ。もう終わってる」
「以前の君はアバズレで性悪な上にどうしようもないくらい馬鹿な子だったからねぇ〜。恋人以外は敵しか作っていないし、もう無理なんじゃないかなぁ」
「初っ端から絶望しかないんですけど!? お義兄様達!!!」
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