精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

最終決戦3

「だ、め、リディエラ、ちゃん」
　ハクラが立ち上がり、リディエラの元へ歩き出す
「駄目よハクラ！　これ以上動いたら核が壊れる！　安静にしてなさい！」
　クロハが呪いでハクラを縛ってその場に座らせる
「私が行く。あなた達の時間は動かすからその間にリディエラちゃんを止めて」
　詩季は自分の力を最大限に引き出すため、四つの人格の力を統合し始めた
「よし、三人ともありがとう。いくよ、時間停止！」
　詩季ナンバー４のハルナに集まったそれぞれの力は、ハルナの時間操作能力を高めた
　そして仲間以外の時間を止めた
　アウル、生田目、そしてリディエラは時間を止められ動かなくなってしまった
「やっぱり、これなら、止めれた」
　ハルナは自分の力が通じないと聞いた時すでに他人格の力を借りることを考えていた
　もしかしたら人格統合により他人格は消えてしまうかもしれないリスクがあった
　だが他人格のナツミ、フユノ、アキナは快く了承した
「ありがとう・・・。皆！　おねがい！」
　力を使い果たした詩季はその場に倒れ込む
「いきますよシェイナ！」
「うん！　リディエラちゃんを助けよう！」
　イアは天使から天神へと進化を果たす
　天の神ラシュアの天使であったためか、天の力を持った神へ
　そしてシェイナの方は繭になった
　短時間で妖精の姿から新たな妖精種へと進化するシェイナ
　イアが翼を広げると周囲の空間が歪んだ
「リミドアプス」
　グニャリと曲がった空間にリディエラが飲み込まれる
　そこにシェイナが攻撃を加えた
「ホーリーアーサード」
　たくさんの光の剣がグニャグニャに曲がったリディエラの体を貫く
「もう抑えれない、時間が動くよ！」
　グキュキュキュという激しい音をたて、リディエラが倒れる
　光の剣によって身動き一つ取れないはずだった
　しかしリディエラの力は予想の遥か上だったようだ
　進化を果たした二人の最大攻撃を何食わぬ顔でグチャグチャになった体を元に戻す
「そんな」
「だめ、か・・・」
　二人は絶望した