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危機6

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「なんだもう気づいちゃったか。でも想定内だし、それに気づかれたとしても、再生を上回る速度で壊す? 無理無理、なにせ僕のナノボットは有機物さえあれば一秒で数億に分裂できるからね」
 そう言った通りナノボットはまるで無限かのように増殖し続ける
「今、あなたはいいましたね?」
 メルカはニタリと笑ってプロフェッサーが言ったことを思い返す
「有機物があればと言いました。確かに言いました!」
 メルカの力が増幅し、ロボットを丸々囲める無の空間を創り出した
 そしてロボットの体を少しずつ消していった
「だから無駄だってば・・・。あれ? おかしい、これ、なんで、再生しない!?」
「そりゃそうですよ。全部消しちゃってるんですから。壊れたナノボットすら使えませんよ」
「ふん、だからどうした。ならこっちも奥の手を使うまでだ」
 ナノボットを自ら消し去るプロフェッサー
 そして自らが大地に立つ彼は、白衣のポケットから小さなカプセルを取り出すと、それを床に放った
「行け、セイヌヴィータ」
 カプセルから液体がこぼれると、それはウゾウゾと動いて人型になる
 女性を素体とした何かが現れた
「僕の最高傑作さ」
 そして完全に人型になると、それは涙を流しながら訴えかけた
「助け、て」
「この非道!!」
 女性は意識を残されたまま化け物へと改造されているようだ
「ほらヴィータ、あいつらを、殺せ」
 ヴィータと呼ばれた女性は右腕を居合抜きのような構えで左手で押さえると残像すら見せることなくルニアの胴を横なぎに斬った
「え?」
 見えないなんて言うものじゃない
 何もしていない
 彼女はただ構えただけで、それ以上何もしていないのだ
 上半身と下半身で分かれてしまったルニアは、すぐに再生を始めたのだが、何かがそれを阻害している
「く、ごめんメルカちゃん、ちょっと動けないかも」
 死にはしなかったものの、しばらくの間戦闘不能となった
 ヴィータは相変わらず涙を流し、構えの姿勢を崩さない
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