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攫われたリディエラ1

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 メルカちゃんの様子を見ていると突如として目の前にローブを着て、フードを目深にかぶった人物が現れた
 なんだろう、懐かしいような
 そこで僕の意識は途切れた

 目を覚ますと廃墟のような場所にいた
 そして僕の横にはあのローブの誰か
「目、覚ましたのね」
「だれ?」
「そうよね、あなたはそう言う。なにせあなたは何も知らないんだもの」
「・・・。だから、誰なんです?」
 ローブの誰かはフードを取って顔を見せた
「な!? ぼ、僕・・・?」
 その顔は今の僕の顔とうり二つだった
「ねえリディエラ。あなた転生する前に両親から聞いたことが無かった? 姉がいたことを」
 知っている。僕は知っている
 両親は僕には生まれれなかった姉がいたと
 双子の姉で死産だったと
 違う、分かっていた
 お姉さんが生きていることは僕にはわかっていた
 あの頃、死ぬ間際に両親の心が見えたんだ
 そこには悲しみに暮れ、養子に出してしまった姉のことをずっと悔やんでいる両親の姿があった
「姉、さん?」
「ええそうよ、リディエラ。特に私はあなたに何かの思いがあるわけじゃない。貴方とは今会っただけの血縁関係のあるだけの他人。あなたを攫ったのは目的のため」
 嘘だ
「だいたいなに? あなた幸せだったんでしょ? まあ病気がちで大変だったんでしょうけど。心配してるわけじゃないわ」
 嘘だ
「あなたのことは本当に何とも思ってない。こうして見ると可愛い妹だなんて思ってない」
 嘘だ
 それが全部伝わってくるんだ
 姉さんは
 涙を流していた
「会いたかった。もう、たった一人の」
 姉さんは僕を、深く深く愛し抱きしめてくれた
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