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大勇者と悪意1
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そこはオーロラ輝く綺麗な世界だった
ただ、オーロラが見れるだけあってかなり寒い
「だだだだだだだいじょうぶか? 二人共」
「うううむむむむ、だだだ、大丈夫、じゃ、ない」
アイシスは一応体を温かくするための魔法を全員に施しているが、空気に多量の魔力が含まれているせいか、それが阻害してしまうためあまり効いていない
特にコルドは体温調節が苦手らしく、どんどん動きが鈍くなってきた
「く、ちょっと待ってろコルド。黄金鎧!」
鳥の黄金鎧に換装し、疑似太陽を召喚する
鳥の黄金鎧の能力の一つ。全ての幻鳥の力を使えるというもの
今は八咫烏の力である太陽を運ぶ能力、それを弱くして疑似太陽を召喚したわけだ
「お、おおお、あったかい。アイシスありがとうなのじゃ!」
こうしてみると子供っぽくてカワイイと思うアイシス
そのままコルドは初めて見る雪、氷などで遊び始めた
「つ、冷たい! 冷たいぞこれ!」
「そりゃ雪だからな」
「何で冷たいのだ?」
「知らねぇよ。俺にそう言った知識を求めないでくれ」
「バカ、なのだな」
「そうだよ!」
バカと言われてもアイシスは怒らなかった
確かに脳まで筋肉で出来ていそうな言動や行動が多いが、彼女はこれでもかなり思慮深く、動くときはちゃんと考えて動いている
それは彼女を育てた精霊たちの教育がよく行き届いていていた結果だ
ただ彼女に自信を持たせることはあまりできなかった
もともとが捨て子だったせいか、少し卑屈なのだ
面倒見もよく、その美しさから男女問わず人気があり、勇者という称号もある
人々から賞賛されるが、それでも自分はまだまだだと、常に鍛錬は怠らない
それがアイシスだった
「ねーアイシス、あれ見て。なんかこっちに来てる」
アンが指さす方向から、とんでもないスピードで何かが迫って来ていた
それは猪のように見える
「なんだ? 魔物か?」
「むぅ、魔物にしては魔力を感じんのじゃが?」
「あ、人だよあれ」
猪らしき何かは、動物の皮を被った人間だった
「ウグルゥアア!! 得物!」
突然それはアイシスに大きなこん棒を振り下ろしてきた
「うおっと、アブねぇな」
なんの力も感じない、ただのこん棒による攻撃
通常ならばアイシスに当たったとしても傷一つつかないだろう
だがアイシスはそれを避けなければならないと本能的に感じた
ズガン!!
地面に大きなクレーターができる
小さな隕石ほどの衝撃だ
「と、とんでもない筋力じゃの」
獣の皮を被った何者かは皮を脱ぎ去る
そしてその姿は、かなり際どい恰好の女性だった
「避けるな得物!」
棍棒を振り回し、アイシスたちを仕留めようと必死になっているが
「させるかっての!」
アイシスが頭に一発上段蹴りを入れ、なんとか気絶させた
ただ、オーロラが見れるだけあってかなり寒い
「だだだだだだだいじょうぶか? 二人共」
「うううむむむむ、だだだ、大丈夫、じゃ、ない」
アイシスは一応体を温かくするための魔法を全員に施しているが、空気に多量の魔力が含まれているせいか、それが阻害してしまうためあまり効いていない
特にコルドは体温調節が苦手らしく、どんどん動きが鈍くなってきた
「く、ちょっと待ってろコルド。黄金鎧!」
鳥の黄金鎧に換装し、疑似太陽を召喚する
鳥の黄金鎧の能力の一つ。全ての幻鳥の力を使えるというもの
今は八咫烏の力である太陽を運ぶ能力、それを弱くして疑似太陽を召喚したわけだ
「お、おおお、あったかい。アイシスありがとうなのじゃ!」
こうしてみると子供っぽくてカワイイと思うアイシス
そのままコルドは初めて見る雪、氷などで遊び始めた
「つ、冷たい! 冷たいぞこれ!」
「そりゃ雪だからな」
「何で冷たいのだ?」
「知らねぇよ。俺にそう言った知識を求めないでくれ」
「バカ、なのだな」
「そうだよ!」
バカと言われてもアイシスは怒らなかった
確かに脳まで筋肉で出来ていそうな言動や行動が多いが、彼女はこれでもかなり思慮深く、動くときはちゃんと考えて動いている
それは彼女を育てた精霊たちの教育がよく行き届いていていた結果だ
ただ彼女に自信を持たせることはあまりできなかった
もともとが捨て子だったせいか、少し卑屈なのだ
面倒見もよく、その美しさから男女問わず人気があり、勇者という称号もある
人々から賞賛されるが、それでも自分はまだまだだと、常に鍛錬は怠らない
それがアイシスだった
「ねーアイシス、あれ見て。なんかこっちに来てる」
アンが指さす方向から、とんでもないスピードで何かが迫って来ていた
それは猪のように見える
「なんだ? 魔物か?」
「むぅ、魔物にしては魔力を感じんのじゃが?」
「あ、人だよあれ」
猪らしき何かは、動物の皮を被った人間だった
「ウグルゥアア!! 得物!」
突然それはアイシスに大きなこん棒を振り下ろしてきた
「うおっと、アブねぇな」
なんの力も感じない、ただのこん棒による攻撃
通常ならばアイシスに当たったとしても傷一つつかないだろう
だがアイシスはそれを避けなければならないと本能的に感じた
ズガン!!
地面に大きなクレーターができる
小さな隕石ほどの衝撃だ
「と、とんでもない筋力じゃの」
獣の皮を被った何者かは皮を脱ぎ去る
そしてその姿は、かなり際どい恰好の女性だった
「避けるな得物!」
棍棒を振り回し、アイシスたちを仕留めようと必死になっているが
「させるかっての!」
アイシスが頭に一発上段蹴りを入れ、なんとか気絶させた
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