上 下
851 / 1,022

守り人39

しおりを挟む
 テテネネは急いでいた
 自分の姉妹の居場所は分からないが胸騒ぎがする
 段々と力を取り戻してきているためか、彼女の探知も戻ってきているようだ
 姉の危機を知らせるシグナル
 それが警鐘の用に鳴り響いている
「とにかく急がなくてはなりませんね。私の姉様たち、どうかご無事で」
 継承のなる方向へとにかく急ぐ
 やたらめったらに世界を超えて、やがてたどり着いた
「城、城、ですわね」
 そこはただ城があるだけの世界
 その城から姉の気配がより強く感じられた
「ここに姉様がいますのね」
 間違いなかった
 姉に近づいたことでさらに力を取り戻すテテネネ
 そして今や全盛期の力すら取り戻して来ていた
「ああ、感じますわ、ここに主様も、お母様、お母様」
 テテネネが来たことは恐らく向こうも感じているだろう
 フーッと息を吐き、顔をはたくと気合を入れて城の中へと入った

 ヴィータと対峙するザザビビとメメナナの集合体メメビビ
「さあゆきましょう、あなたはやりすぎました」
「ふは、フアハハハハハ!! そんなこともできるのかい! これは増々力を手に入れるのが楽しくなってきたよ! これなら負けない、誰にも! 世界全ては私のものになる! あのアウルですら私には勝てなくなるだろうねぇ!」
 大笑いしてヴィータは白衣をガバッと脱ぎ捨てた
 本気になったヴィータ
 分体とはわけが違う
「さぁその力、私にくれぇええ!!」
 歓喜からか涎を垂らし、目をギラギラとぎらつかせてメメビビを攻撃する
 避けた、避けたはずだったが何故かメメビビは倒れる
「う、なにが」
「それそら! 踊れ踊れ!」
 地面に手を突くヴィータ
 するとメメビビは吹き飛ばされ、また別の場所から攻撃が来て吹き飛ばされる
 それが恐ろしい速さで行なわれ、メメビビは空中でズタボロにダメージを受け続けた
「ぐ、う、あぐ!」
 そして地面に転がるメメビビ
「あ、ああ」
「弱いねぇ、でもその力は私の糧になる。嬉しいねぇ楽しいねぇ」
「ぐふっ、ああ、この」
 立ち上がろうとするが、頭を踏まれて立ち上がれない
「やめなさい!」
 そこをリルカが攻撃したが、なぜか攻撃は彼女の体を素通りして当たらなかった
「あんたさ、こいつらの主なんだってねぇ。でもさ、弱いよねぇ? それって力、かなり失ってんじゃない? 資料で読んだよ。あんた娘がいるだろう? そっちにだいぶ力、行ってんじゃないかってね。私は思ってるんだ。つまり娘から力を奪えば、もっと私は力を得れる!」
 リルカを突き飛ばし、転がした
「あ、主、様、申し訳、ありません、敵は思ったより、強く」
「く、うう、心配ありませんメメビビ、彼女が、来ます!」
 扉がガーンと壊され、怒りに満ちたテテネネがそこに立っていた
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】魔力・魔法が無いと家族に虐げられてきた俺は殺して殺して強くなります

ルナ
ファンタジー
「見てくれ父上!俺の立派な炎魔法!」 「お母様、私の氷魔法。綺麗でしょ?」 「僕らのも見てくださいよ〜」 「ほら、鮮やかな風と雷の調和です」 『それに比べて"キョウ・お兄さん"は…』 代々から強い魔力の血筋だと恐れられていたクライス家の五兄弟。 兄と姉、そして二人の弟は立派な魔道士になれたというのに、次男のキョウだけは魔法が一切使えなかった。 家族に蔑まれる毎日 与えられるストレスとプレッシャー そして遂に… 「これが…俺の…能力…素晴らしい!」 悲劇を生んだあの日。 俺は力を理解した。 9/12作品名それっぽく変更 前作品名『亡骸からの餞戦士』

転生幼女は幸せを得る。

泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!? 今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

異世界転生したら何でも出来る天才だった。

桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。 だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。 そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。 =========================== 始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...