上 下
812 / 1,022

想像で創造する女神15

しおりを挟む
 到着した猫の国の使者
 丸眼鏡に細い目、何か企んでいそうなにやけた顔
 彼はネコの国の大臣で、政治の勉強中である殿のミケに変わって政治をまとめるブチという青年だ
「これはこれはハタ様、本日はお日柄もよく・・・」
「要件は?」
「フフ、これはまた手厳しい」
 見るからにハタはブチのことが嫌いなようだ
 あからさまに敵意をむき出しにしている
「本日はこの書状を持ってまいりました」
 ブチは懐から巻物を取り出して渡す
 そこにはこう書かれていた
「本日牛の月、七の日をもってネコの国とネの国の同盟を破棄することとする、ミケ・・・。そんな、嘘です! ミケちゃんがそんなこと言うはずないです!」
「そうは言われましても、ミケ様のご意思ですので私には何とも。そうですよねミケ様?」
 ブチの後ろにフードを目深にかぶった小さな少女がいた
 フードを取る少女
「ミケちゃん!」
 どうやらその少女がミケだったようだ
「ハタ、これは私の意思なの。だから、明日から戦争なの。あなたの領地、ぜーんぶもらってやるの。あなたはその後私のペットになるの!」
 ミケの様子は明らかにおかしかった
 目は虚ろで焦点が合っていない
「ミケちゃん・・・。ブチ! ミケちゃんに何をしたの!?」
「言いがかりはおよしなさい。全てミケ様のご意思によるもの、私は何もしておりません」
「しらじらしい嘘を!」
 ハツカがクナイを構えてとびかかる
 しかしあっさりと後ろにいた護衛に止められ、蹴りを腹部に入れられて倒れ込んだ
「うぐ」
「さて、私達は戦争の準備で忙しいのでこれで。あ、今襲うのは条例違反ですよ。ここは正々堂々、正面からやり合おうではありませんか」
 ニタニタと笑いながらブチはミケを連れ、護衛と共に帰ってしまった
「大丈夫、ハツカ」
「はい、しかし一体何が起こっているのでしょう? あのお優しいミケ様があのように戦争を望まれるなど」
「わかんない。でも、ブチがきっと何かしたんだ。やっぱりあいつは怪しいと思ってた!」
「これから戦争になります。女神様、女神様はどうかお逃げください。この国は、まもなくなくなります」
「私達も精いっぱい抵抗するつもりだけど、十中八九負けちゃう。だから、女神様は他の国にでも行って観光を楽しんでください」
「それはできません」
「ですが」
「ここまで聞いてしまったのです。本来世界の事情に介入するのは女神のすることではありませんが、あの様子、どうやら私達の知る者の手でやられている可能性があります」
「ウルっすね!」
 プリシラはブチを見たときから感じていた
 この世界にはないはずの魔法の気配を
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。

みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ! そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。 「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」 そう言って俺は彼女達と別れた。 しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

今度のヒーローは……悪の組織の戦闘員!?

marupon_dou
ファンタジー
時は現代。世には悪の秘密結社"フェイスダウン"が夜の闇に潜み人々を襲っていた。 人造人間"フェイス"戦闘員を擁し、人間が持つ感情エナジーを奪う彼らと戦うのは―― その"フェイス"戦闘員だった! 精霊の力を宿した、不屈の戦士《ヒーロー》・アルカー。 彼と肩を並べ戦う、正義に目覚めた悪の戦闘員《ヒーロー》、ノー・フェイス! 人々を守り、フェイスダウンに狙われた少女を守る戦闘員の物語が今、始まる――。 ※最初の五話は挿絵がつきますが、以後は不定期(ときたま)になります。 ※第一部は毎日連載します。 ※90~00年代のライトノベルの作風を目指して執筆中です。 ※イメージの源流は特撮ヒーローですが、パロディ・オマージュ作品ではありませんので  パロディ・オマージュ・お約束などは非常に薄めです。 ※第一章~第二章は以下のサイトでも公開しております。 カクヨム:https://kakuyomu.jp/works/1177354054883360465 エブリスタ:http://estar.jp/_novel_view?w=24664562 Pixiv:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8269721

異世界転生したら何でも出来る天才だった。

桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。 だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。 そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。 =========================== 始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~

SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。 物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。 4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。 そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。 現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。 異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。 けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて…… お読みいただきありがとうございます。 のんびり不定期更新です。

僕の従魔は恐ろしく強いようです。

緋沙下
ファンタジー
僕は生まれつき体が弱かった。物心ついた頃から僕の世界は病院の中の一室だった。 僕は治ることなく亡くなってしまった。 心配だったのは、いつも明るく無理をして笑うお母さん達の事だった。 そんな僕に、弟と妹を授ける代わりに別の世界に行って見ないか?という提案がもたらされた。 そこで勇者になるわけでもなく、強いステータスも持たない僕が出会った従魔の女の子 処女作なのでご迷惑かける場面が多数存在するかもしれません。気になる点はご報告いただければ幸いです。 --------------------------------------------------------------------------------------- プロローグと小説の内容を一部変更いたしました。

処理中です...