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法則外の妖精10

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 二人はすごいべちょべちょになってたけど、ニュール姉さんの力ですぐに拭い去れた
 ニュール姉さんはこれからもこの世界をちゃんと見ていける気力をもらえたと、すごく喜んでた
 この世界はこれからもニュール姉さんによって守られるだろうね
 そしていずれ
 この世界には神様がいない
 精霊は僕みたいに神になる可能性があるんだ
 彼女は信仰されている
 それがどんどん強くなって、信仰する人が増えて行けば、ニュール姉さんも神様になると思う
 粘液の女神ニュールになるってことだね
「それではニュール、リディちゃん、私は戻るわね。テュネとアスラムに色々任せてきちゃってるから」
「うん、ありがとう母さん」
「あの、お母様、その、もう一度だけ」
「ええ、おいでニュール」
 もう一回母さんはニュール姉さんを抱きしめて、元の世界へと帰って行った
「ありがとうリディちゃん。これで私ももっと頑張れる!」
 姉さんはぎゅっと僕を抱きしめた
 あったかい
 実は姉さんの粘液には回復やリラックス効果があるらしい
 この世界の住人が怪我をしても、姉さんが分泌している粘液を塗れば治るし、飲めば病気にも効くんだ
 味はオレンジのような甘酸っぱい味だった
 それにべとべとしない
 乾いたらさらっとして、香りもいいんだ
「この世界の浄化が終わったらまた来てねリディちゃん。待っているわ」
「うん、姉さんも元気で。それと、姉さんにも加護を」
「ありがとう!」
 精霊の加護よりも強い女神の加護
 それを姉さんに与えればきっと女神になる時期も早まるはず
 そうなれば今のように浄化が進まないなんてこともなくなるはず
 この世界はきっとよくなるはずだ
 姉さんと再会の約束をして、僕らは次の世界へ渡った
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