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芽吹き5

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 エンシンの話を聞いてみると、彼はなぜこの星にいるのか分からないそうだ
 襲ってきた何者かにこの星に置き去りにされたのだろう
 彼はたった一人でこの人工太陽の中でこの数ヵ月、震えながら暮らしていた
 この人工太陽の動かし方もわからないらしい
「そうか、それなら私が多分動かせそうだねぇ」
 人工太陽を覆っていた熱源は、切り方を知っていたエンシンによって止められている
 そのおかげでエーテたちを呼び寄せることができた
 エーテは人工太陽に入ったとたん解析して星の操り方を理解してしまった
 ただ一人で動かすことはどうしてもできない
 そのため人工太陽自体はこの星に置いておき、エンシンは大勇者が紹介してくれた救世界へ送ることにした
 そこならば子供達も何不自由なく暮らしている
 親がウルに攫われたりした子供達もいるため同じ境遇うの仲間もいる
「わかった! 僕そこでお父さんとお母さんの帰りを待つよ!」
「うむ、いい子だねぇ」
 エーテは優しくエンシンを抱きしめた
 余談だが、初めて触れる優しいお姉さんの香りにエンシンはここで初恋を迎えた

 それからマーマンたちに話をし、理解してもらって人工太陽を管理してもらうことができた
「わかった。この子も被害者なんだものな。この星は俺たちが責任を持って管理しておく。お父さんやお母さんたちに会えたらいつでも戻ってくるといい。今度は歓迎するから」
 マーマンたちも快く引き受け、エンシンは救世界へと送り出せた
「それにしてもウルはなぜ彼らを攫ったんだ? エンシンが言うには不思議な力を持った者は誰一人としていないそうじゃないか」
「たぶん労働力だろうねぇ。エンシンも機械の扱いは少しわかっていただろう? 恐らく大人たちはもっと知っているはずだねぇ。だから労働力さね」
「なるほど、そう言うこともあるのか」
 アーキアは納得する
 そして静かに怒っていた
 子供を不幸にする者を許せないアーキア
 やはりウル、滅ぶべしと拳を強く握った
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