精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

芽吹き1

　種だった力が芽吹いたエーテ、彼女は今再生したりえとマリーの介抱をしていた
　二人共すでに命に別条がないレベルにまで回復しており、あとは目を覚ますのを待つばかりだ
「エーテ、二人の様子は？」
「ぐっすり眠ってるねぇカワイイねぇ」
　周囲の探索から戻ってきたアモン
　この世界はすでにただの土くれだけの世界となった
　子供達は全員助け出せており、大勇者アイシスの手引きで救世界へ送る準備もできている
「ねぇこっちは準備できたわよ。いつでも送れる」
　レノンナとライナが戻ってきた
　子供達が無事に救世界へ渡れるよう準備してきたらしい
「よし、私が送ってくるねぇ。レノンナ、ライナ、この子達を頼むねぇ」
「ええ」
　エーテは立ち上がり子供達の元へ歩き出した
　捕らえられていた大勢の子供達
　彼らの中には幼い者もいるため、鳴き声も聞こえる
「さてみんな、皆を返してあげたいけど、一旦ある世界に行ってもらうよ。そこでそれぞれ何処の世界なのかを聞いて返してあげるからねぇ」
　優しいお姉さん
　そんな彼女を見て子供達も落ち着いた
　何人かは疑い深く睨んでいたが、そんな彼らを優しき抱きしめていくエーテ
　それで疑っていた子供達も涙を流してエーテを信じた
「さぁ行こう」
　エーテは救世界へと繋がるゲートを開いて子供達を送り出した
　ざっと二百人を超える子供達は無事救世界へと送り届けられた
　大勇者からは連絡が行っているためすぐにでも対応してくれるだろう
「よしっと」
　エーテは仲間の元へ戻る
　その際地面に何かが落ちているのを見つけた
「これは」
　キラキラと輝いている何かの種
「世界の種、間違いない。あの時あの男に植え付けられたやつだ。なんでこれがここに」
　拾った種をポケットにしまう
「そう言えば資料に何か書いてあったねぇ。あとで読むか」
　エーテは急ぎ足で戻る
　戻ってきたエーテを出迎えたのは子供二人だった
「エーテさん！」
「エーテぇ！」
　二人を抱きしめるエーテ
「ああよかった、よかったよ。戻ったんだねぇ」
　二人の首には傷痕が残ってしまった
　だが無事に生還し、ようやく仲間たちは揃ったのだった