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大勇者と従者7
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攻撃を受けて戦闘不能になったはずのエーテが輝きながら再び立ち上がった
アイシスは自分の目を歌がった
先ほどまでは確かに人間だったはずのエーテから、何か得体の知らない力を感じる
まるで世界そのものが自我を得て立っているかのような感覚
「何が起こってるんだ!? アン、分かるか?」
「うーう」
どうやらこの事象はアンにもわからないらしく、うろたえて右往左往している
「とにかく離れるぞ!」
アンを抱きかかえてその場から走り去り、エーテの仲間の元へ合流した
「大勇者ちゃん、あれ、本当にエーテなのかな?」
アーキアが疑問を投げかけるが、アイシスに分かるわけがない
「お前らが知らないんなら俺もわからねぇ。だがともかくだ、今は見守るしかねぇだろ」
光るエーテとそれに相対するヴィータ
二人はこれからやるのは姉妹喧嘩などという生易しいものではない
生死を駆けた命の取り合いだ
「愚妹、その力、なんなんだ?」
「知らないねぇ。でもあんたを殺せる力だってことはわかるさね」
ヒュッと手をヴィータに向ける
するとヴィータの腕が分解されて崩れた
「ふん、やることは一緒か。何の面白みも・・・。再生、しない? 何故だ! 僕様は最適解によって傷なんてなくなるはずなんだ!」
消えた左腕の傷口を治そうと必死になっているが、ピクリとも動かなかった
「あんたが最適解を導くなら、私は本当の終わりを与える。トゥルーエンド、それが私の力さね!」
この能力によって与えられた事象は覆ることはない
もはやヴィータの腕は、どんな力によるものだろうと元に戻ることはないだろう
「ま、待ってくれエーテ、昔はほら、よく遊んであげただろう? それに可愛がってあげた。いいお姉ちゃんだっただろう?」
「はん! あんたは周りに自分は天才だが害のない存在だってことを私を利用して演じてただけだろう? 人間を解体して絶頂している本性を見せないために」
「エーテ! エーテ! 愛しい妹よ。僕様を殺せば兄上は悲しむさね。僕様を目に入れても痛くないくらいに可愛がってたんだから」
「兄様なら分かってくれてるさね。私が証拠を集めて王に進言したとき、兄様もいたんだからねぇ。悲しそうだったけど、あんたはやりすぎた。兄様の信頼を裏切るほどに!」
段々と近づいてくるエーテ
それに恐怖したのか、ヴィータは失禁しながら後ろに後ずさって行く
今まで自分を脅かす者はウルのリーダーアウルのみだと思っていた
それが、目の前にいる妹
何の力もなく、才能もない持たざる者だった妹が、自分を殺すために向かってきていた
「ああ、エーテ、待て、待ってくれ」
「問答無用です、姉様。せめて最後は、家族として」
「ふひゅ、ハヒャヒャヒャハ、エーテ、可愛いエーテ、最高だよエーテ。僕様をみじめに、無様に殺してくれ。ああ、あの時の泣き顔も、悔しそうな顔も、大好きだったよエーテ! 僕様は、そんな君に、殺されるんだ、今から! 見てくれ! みっともなく失禁して震えるこの姿を! アヒャヒャヒャヒャ! まずは四肢をすべてもいでくれ。そしてみっともなく転がる僕様を殺して、いい絶頂ができそうだ」
狂っていた
始めから分かっていたことだったが、彼女は自分が無様に殺されることですら、自分の快楽としていた
「姉様、もし次に生まれる時は、きっと善人として」
エーテは四肢をもぐこともなく、一瞬でヴィータを消した
アイシスは自分の目を歌がった
先ほどまでは確かに人間だったはずのエーテから、何か得体の知らない力を感じる
まるで世界そのものが自我を得て立っているかのような感覚
「何が起こってるんだ!? アン、分かるか?」
「うーう」
どうやらこの事象はアンにもわからないらしく、うろたえて右往左往している
「とにかく離れるぞ!」
アンを抱きかかえてその場から走り去り、エーテの仲間の元へ合流した
「大勇者ちゃん、あれ、本当にエーテなのかな?」
アーキアが疑問を投げかけるが、アイシスに分かるわけがない
「お前らが知らないんなら俺もわからねぇ。だがともかくだ、今は見守るしかねぇだろ」
光るエーテとそれに相対するヴィータ
二人はこれからやるのは姉妹喧嘩などという生易しいものではない
生死を駆けた命の取り合いだ
「愚妹、その力、なんなんだ?」
「知らないねぇ。でもあんたを殺せる力だってことはわかるさね」
ヒュッと手をヴィータに向ける
するとヴィータの腕が分解されて崩れた
「ふん、やることは一緒か。何の面白みも・・・。再生、しない? 何故だ! 僕様は最適解によって傷なんてなくなるはずなんだ!」
消えた左腕の傷口を治そうと必死になっているが、ピクリとも動かなかった
「あんたが最適解を導くなら、私は本当の終わりを与える。トゥルーエンド、それが私の力さね!」
この能力によって与えられた事象は覆ることはない
もはやヴィータの腕は、どんな力によるものだろうと元に戻ることはないだろう
「ま、待ってくれエーテ、昔はほら、よく遊んであげただろう? それに可愛がってあげた。いいお姉ちゃんだっただろう?」
「はん! あんたは周りに自分は天才だが害のない存在だってことを私を利用して演じてただけだろう? 人間を解体して絶頂している本性を見せないために」
「エーテ! エーテ! 愛しい妹よ。僕様を殺せば兄上は悲しむさね。僕様を目に入れても痛くないくらいに可愛がってたんだから」
「兄様なら分かってくれてるさね。私が証拠を集めて王に進言したとき、兄様もいたんだからねぇ。悲しそうだったけど、あんたはやりすぎた。兄様の信頼を裏切るほどに!」
段々と近づいてくるエーテ
それに恐怖したのか、ヴィータは失禁しながら後ろに後ずさって行く
今まで自分を脅かす者はウルのリーダーアウルのみだと思っていた
それが、目の前にいる妹
何の力もなく、才能もない持たざる者だった妹が、自分を殺すために向かってきていた
「ああ、エーテ、待て、待ってくれ」
「問答無用です、姉様。せめて最後は、家族として」
「ふひゅ、ハヒャヒャヒャハ、エーテ、可愛いエーテ、最高だよエーテ。僕様をみじめに、無様に殺してくれ。ああ、あの時の泣き顔も、悔しそうな顔も、大好きだったよエーテ! 僕様は、そんな君に、殺されるんだ、今から! 見てくれ! みっともなく失禁して震えるこの姿を! アヒャヒャヒャヒャ! まずは四肢をすべてもいでくれ。そしてみっともなく転がる僕様を殺して、いい絶頂ができそうだ」
狂っていた
始めから分かっていたことだったが、彼女は自分が無様に殺されることですら、自分の快楽としていた
「姉様、もし次に生まれる時は、きっと善人として」
エーテは四肢をもぐこともなく、一瞬でヴィータを消した
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