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法則外の妖精1

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 フェアリスちゃんと出会ってから早数週間
 彼女の言ってることは完全に理解できるようになった
 ちなみにだけど、彼女の言葉がサニアさんによって理解された為、この言葉は言語理解の能力を持つ人ならだれでも使えるようになった
 さすが能力の女神、おそるべき改変能力だ
 
 さてこの世界は一応フェアリスちゃんの感覚で来た世界なんだけど、とてつもなく寒い!
 いやまあ僕らは精神生命体だから感覚をシャットアウトしてればいいだけなんだけど、僕だけでも感覚をオンにしておかないと、フェアリスちゃんやメトちゃんが危ないからね
 二人の感覚は常人と同じだからね
「私! なんだかとっても気分がいいです! うひょあああああ!! みなぎってきましたァアアア!!」
 そしてヤバい子がいる
 ハクラちゃんは豪雪の中まるで酔っぱらっているかのようにはしゃぎまわっている
 氷雪系の鬼神だから多分力が増して本当に酔ったようになってるんだろう
 クロハさんはハクラちゃんがこの視界の悪い中遭難しないよう必死で押さえてるんだけど、力が増し増しになってるハクラちゃんはジッとさせるだけでも一苦労だ
「こらハクラ! おとなしくしなさい!」
「やだやだー! お姉ちゃんのバカーーー!!」
「ば、バカ・・・」
「ちょ、クロハさん! ハクラちゃん放さないで!」
 僕は駆けて去って行こうとするハクラちゃんを慌てて捕まえてそのまま拘束しておいた
「す、すみませんリディエラ様」
 駄目だこりゃ、ハクラちゃんは力酔いで完全に子供に戻ってるし、ハクラちゃんにバカって言われたクロハさんはショックで固まってる
「ハ、ハクラちゃん、こっちで一緒に遊ぼ」
 なんとそこで助け舟を出したのはメトちゃんだった
 普段はハクラちゃんはお姉さんのようにメトちゃんを面倒を見ているけど、今は頭の中まで子供に戻ったハクラちゃんとその見た目も相まって、完全に立場が逆転していた
「わーいあそぶー!」
 ハクラちゃんと雪合戦をし始めたメトちゃん
 因みになんだけどメトちゃんとフェリアスちゃんの体には僕の魔法で暖かくなる処理を施してある
 そのおかげか二人共元気にハクラちゃんと遊べてる
「ふぅ、助かったメトちゃん」
 取りあえずは二人にハクラちゃんは任せれそうだ
 これ後で正気に戻ったら、恥ずかしさで悶えるんだろうなぁ

 気を取り直して探索再開
 一応常時探知モードで歩いてるけど、この大雪じゃ探知してても視界が悪すぎてよくわからないなぁ
 雪に強い肝心のハクラちゃんがこの調子じゃどうしようもない
 にしてもだよ。たかだか大雪でどうしてここまで力酔いをしちゃったんだろう?
 普段のハクラちゃんならこんな雪でも冷静なはずなのに
「どうやらこの雪には高濃度の妖力が宿っているようです。つまり何者かがこの大雪を降らせている可能性が高い」
「なるほど、さすがサニアさん」
 ハクラちゃんの超強力になった妖力に交じって分からなかったけど、よくよく観察すると雪の一粒一粒にかなりの魔力が込められていた
 これのせいでハクラちゃんがおかしくなっちゃったのか
 てことはこの雪を降らせている誰かを見つけてやめさせればハクラちゃんも元に戻るはずだね
 よし、目的は決まった
 幸い探知を集中させることで、雪の中心らしき場所が分かった
 これからそこにゆっくり向かおう
 誰もはぐれないようにね
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