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守り人19

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 シシララはたんたんと世界を渡っては主がいないことを確認するとまた別の世界へと渡る
 そんなことを繰り返していた
 ただそんな中でも大食いはやめず、ありとあらゆる大食い大会を総なめにしてきている
 賞金などを一切受け取らずにいなくなるため大会関係者にとっては溜まったものではないが・・・
 そんな彼女は現在大食いの後、食後の運動と称して自分に絡んできた盗賊団、しかも数百人規模の大盗賊団のアジトをつぶしていた
 彼女の生体武器、狂棒SSRRは叩いたとたんに全てが狂う破滅型の武器で、それによって盗賊たちは頭を狂わされ自滅していった
 全ての盗賊たちが自滅して死に絶えたのを確認すると、シシララは盗賊たちの持っていた食べ物をすべて平らげてからアジトを後にした
「なかなかいい干し肉を持っていたのだ。ムシャリ、うまいのだ」
 大量の干し肉を手に持ってムシャムシャと食べながら主の手掛かりがないかと街から街へ飛び回る
 干し肉を加えて聞き込みをする小さな少女に街の人々は微笑みつつ教えてくれるが、主であるメルカの情報は皆無だった
「ここも外れなのだ。次の世界へ行くのだ」
 そう思って転移しようとした中、嗅ぎ覚えのある匂いが彼女の花を突いた
「クンカクンカ、これは!」
 その匂いのする場所へと走って行くシシララ
 そしてそこには懐かしい、もう会えないと思っていた顔があった
「おお、おお、おおおおお、まさか、こんな、あり得ないのだ・・・。でも確かにいるのだ。主様、主様がいるのだ」
 ポロポロと涙を流してソレに近づくシシララ
 しかし目の前に来て気づいた
「む! お前、主様じゃないのだ! お前は何者なのだ! 同じ顔に同じ匂い、同じ気配、主様、リルカ様と同じなのだ。でも違う。主様はそんなに邪悪じゃないのだ!」
 目の前にいる、かつての主と同じ顔を持った少女
 リルカクローン
 彼女は表情を変えることなくいきなり世界を消す光を放った
 それを狂棒SSRRで叩いて狂わせ、ベクトルを変えてただの光に変える
「この! いきなり何をするのだ!」
 リルカクローンはシシララに向き直ると首を傾け不思議そうな顔をする
 そしてまた光を放った
 今度は先ほどよりも強力で、確実にシシララを消そうとする意志が感じ取れた
 だがシシララも同じ質量の力でまたしてもベクトルを普通の光へと変質させる
「主様の顔をして非道なのだ! お前は、絶対に止めてみせるのだ!」
 シシララは本気で戦闘態勢に入った
 生体武器の形は変化し、周囲が狂ったようにグネグネと空間が捻じ曲がる
 かくして二人の戦いの火ぶたが切って落とされた
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