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守り人17

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 地球から離れたキキリリは綺麗な桜がところどころに生えた世界に来ていた
 その桜に見惚れつつも自分の役目をしっかりと頭に置いて歩みを進める
 地球には自分の知り合いが残した人々がどうやら多くいるらしい
 いずれまた出会ったらそのことを伝えようと思うキキリリだった
「ふむぅ、景色は良いけど結構魔物が多いの」
 桜並木の街道を歩いているのだが、近くの森からポコポコと魔物が出てきて彼女を襲ってくる
 実力が分かる魔物はキキリリを襲おうとは思わないのだが、どうやらここの魔物たちはあまり考えるということができないのか、腹が減っていればその辺りの生物を喰う、ということしか頭にないらしい
 キキリリはうんざりしながら数十体目の魔物を拳でわからせる
 まぁ分かったところで二度と役には立たないのだが
「うーん、こんなきれいな景色に似つかわしくないの、この死体の山は」
 キキリリは自らの生体武器、壊眼KKLLを発動させた
 それにより死体の山はみるみる崩れ去って消えていった
「うん、これで良しなの」
 パンパンと手についた埃を払うしぐさをしてからまた歩き出し、とうとう街らしきものが見えてきた
「あ、街なの! 綺麗なところなの!」
 街並みは桜と調和がとれるようにできており、その奥の方に日本風の城が立っているのが見えた
 かなり大きな城で、この国のリーダーが住んでいるのであろうことは間違いなさそうだ
「あそこで聞いてみるの」
 城まで一直線に向かい、門の前まで来る
 だがやはり門の前には何人かの門番がいて、槍を持って通せんぼをしていた
「そこのお城に用事があるの。リーダーを出すの」
「リーダー? お嬢ちゃん、ここには姫はいないんだよ。姫はもう自分の世界に帰ってしまったからね」
「姫? 自分の世界? じゃあここの姫はこの世界の人じゃないってことなの?」
「そうだよ。名前はサクラ様だ。数千年前にこの世界に来られて、全ての国を統合した後に、初代サクラ国王になられた素晴らしいお方だよ」
「そっか、いないの、だったらあなたでもいいの。キキリリの主様がここにいないか教えて欲しいの」
「主様? 奉公人か何かかい? うーん、今日商人が来る話は聞いてないから、多分いないと思うよ」
「商人じゃないの! 主様は主様なの!」
 いつも言葉足らずなキキリリ、このままでは要領を得ないだろう
「騒がしいですね、どうされましたか?」
「エンリ様! この子がですね」
 事情を説明する門番
「なるほど、この子はこの世界の者ではありませんね。サクラ様と同じように外界から来たのでしょう」
 エンリという女性はどうやら以前サクラの側近をしていたらしく、今では二代目サクラ国国王となっている重鎮だった
 だがそのことを鼻にかけることなく、市民に寄り添った政策をすることで人望に厚い人物でもあった
 そしてその慧眼
 一瞬でキキリリをこの世界のものではないと見抜いている
 ひとまずエンリはキキリリを城へと通すと、キキリリの話をしっかり聞くことにした
 これはサクラ姫から教わったことであり、彼女の原動ともなっている
 見る、聞く、話す
 エンリはこれでこの世界の王としてしっかりとやっていたのだ
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