716 / 1,022
守り人17
しおりを挟む
地球から離れたキキリリは綺麗な桜がところどころに生えた世界に来ていた
その桜に見惚れつつも自分の役目をしっかりと頭に置いて歩みを進める
地球には自分の知り合いが残した人々がどうやら多くいるらしい
いずれまた出会ったらそのことを伝えようと思うキキリリだった
「ふむぅ、景色は良いけど結構魔物が多いの」
桜並木の街道を歩いているのだが、近くの森からポコポコと魔物が出てきて彼女を襲ってくる
実力が分かる魔物はキキリリを襲おうとは思わないのだが、どうやらここの魔物たちはあまり考えるということができないのか、腹が減っていればその辺りの生物を喰う、ということしか頭にないらしい
キキリリはうんざりしながら数十体目の魔物を拳でわからせる
まぁ分かったところで二度と役には立たないのだが
「うーん、こんなきれいな景色に似つかわしくないの、この死体の山は」
キキリリは自らの生体武器、壊眼KKLLを発動させた
それにより死体の山はみるみる崩れ去って消えていった
「うん、これで良しなの」
パンパンと手についた埃を払うしぐさをしてからまた歩き出し、とうとう街らしきものが見えてきた
「あ、街なの! 綺麗なところなの!」
街並みは桜と調和がとれるようにできており、その奥の方に日本風の城が立っているのが見えた
かなり大きな城で、この国のリーダーが住んでいるのであろうことは間違いなさそうだ
「あそこで聞いてみるの」
城まで一直線に向かい、門の前まで来る
だがやはり門の前には何人かの門番がいて、槍を持って通せんぼをしていた
「そこのお城に用事があるの。リーダーを出すの」
「リーダー? お嬢ちゃん、ここには姫はいないんだよ。姫はもう自分の世界に帰ってしまったからね」
「姫? 自分の世界? じゃあここの姫はこの世界の人じゃないってことなの?」
「そうだよ。名前はサクラ様だ。数千年前にこの世界に来られて、全ての国を統合した後に、初代サクラ国王になられた素晴らしいお方だよ」
「そっか、いないの、だったらあなたでもいいの。キキリリの主様がここにいないか教えて欲しいの」
「主様? 奉公人か何かかい? うーん、今日商人が来る話は聞いてないから、多分いないと思うよ」
「商人じゃないの! 主様は主様なの!」
いつも言葉足らずなキキリリ、このままでは要領を得ないだろう
「騒がしいですね、どうされましたか?」
「エンリ様! この子がですね」
事情を説明する門番
「なるほど、この子はこの世界の者ではありませんね。サクラ様と同じように外界から来たのでしょう」
エンリという女性はどうやら以前サクラの側近をしていたらしく、今では二代目サクラ国国王となっている重鎮だった
だがそのことを鼻にかけることなく、市民に寄り添った政策をすることで人望に厚い人物でもあった
そしてその慧眼
一瞬でキキリリをこの世界のものではないと見抜いている
ひとまずエンリはキキリリを城へと通すと、キキリリの話をしっかり聞くことにした
これはサクラ姫から教わったことであり、彼女の原動ともなっている
見る、聞く、話す
エンリはこれでこの世界の王としてしっかりとやっていたのだ
その桜に見惚れつつも自分の役目をしっかりと頭に置いて歩みを進める
地球には自分の知り合いが残した人々がどうやら多くいるらしい
いずれまた出会ったらそのことを伝えようと思うキキリリだった
「ふむぅ、景色は良いけど結構魔物が多いの」
桜並木の街道を歩いているのだが、近くの森からポコポコと魔物が出てきて彼女を襲ってくる
実力が分かる魔物はキキリリを襲おうとは思わないのだが、どうやらここの魔物たちはあまり考えるということができないのか、腹が減っていればその辺りの生物を喰う、ということしか頭にないらしい
キキリリはうんざりしながら数十体目の魔物を拳でわからせる
まぁ分かったところで二度と役には立たないのだが
「うーん、こんなきれいな景色に似つかわしくないの、この死体の山は」
キキリリは自らの生体武器、壊眼KKLLを発動させた
それにより死体の山はみるみる崩れ去って消えていった
「うん、これで良しなの」
パンパンと手についた埃を払うしぐさをしてからまた歩き出し、とうとう街らしきものが見えてきた
「あ、街なの! 綺麗なところなの!」
街並みは桜と調和がとれるようにできており、その奥の方に日本風の城が立っているのが見えた
かなり大きな城で、この国のリーダーが住んでいるのであろうことは間違いなさそうだ
「あそこで聞いてみるの」
城まで一直線に向かい、門の前まで来る
だがやはり門の前には何人かの門番がいて、槍を持って通せんぼをしていた
「そこのお城に用事があるの。リーダーを出すの」
「リーダー? お嬢ちゃん、ここには姫はいないんだよ。姫はもう自分の世界に帰ってしまったからね」
「姫? 自分の世界? じゃあここの姫はこの世界の人じゃないってことなの?」
「そうだよ。名前はサクラ様だ。数千年前にこの世界に来られて、全ての国を統合した後に、初代サクラ国王になられた素晴らしいお方だよ」
「そっか、いないの、だったらあなたでもいいの。キキリリの主様がここにいないか教えて欲しいの」
「主様? 奉公人か何かかい? うーん、今日商人が来る話は聞いてないから、多分いないと思うよ」
「商人じゃないの! 主様は主様なの!」
いつも言葉足らずなキキリリ、このままでは要領を得ないだろう
「騒がしいですね、どうされましたか?」
「エンリ様! この子がですね」
事情を説明する門番
「なるほど、この子はこの世界の者ではありませんね。サクラ様と同じように外界から来たのでしょう」
エンリという女性はどうやら以前サクラの側近をしていたらしく、今では二代目サクラ国国王となっている重鎮だった
だがそのことを鼻にかけることなく、市民に寄り添った政策をすることで人望に厚い人物でもあった
そしてその慧眼
一瞬でキキリリをこの世界のものではないと見抜いている
ひとまずエンリはキキリリを城へと通すと、キキリリの話をしっかり聞くことにした
これはサクラ姫から教わったことであり、彼女の原動ともなっている
見る、聞く、話す
エンリはこれでこの世界の王としてしっかりとやっていたのだ
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
転生幼女は幸せを得る。
泡沫 ウィルベル
ファンタジー
私は死んだはずだった。だけど何故か赤ちゃんに!?
今度こそ、幸せになろうと誓ったはずなのに、求められてたのは魔法の素質がある跡取りの男の子だった。私は4歳で家を出され、森に捨てられた!?幸せなんてきっと無いんだ。そんな私に幸せをくれたのは王太子だった−−
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
異世界で引きこもり生活を始めたら、最強の冒険者になってしまった件
(笑)
ファンタジー
現代日本で引きこもり生活を送っていた大学生、翔太。ある日、不慮の事故で命を落とし、異世界に転生する。そこで、美しい女神から「この世界で第二のチャンスを与えます」と告げられ、強制的に「チート能力」を授けられる。翔太は引きこもり生活を続けたいと考え、異世界の小さな村の外れにある古い屋敷に住み着く。翔太は「物質生成」と「魔力操作」の能力を駆使して、屋敷を快適な引きこもり空間に改造し、理想的な生活を送る。しかし、村が魔物の襲撃を受けると、村人たちはパニックに陥り、翔太も不安になるが、彼は自らの能力を使って村を救うことを決意する。翔太の勇敢な行動により、彼は村の英雄として称えられる。その後、翔太は美しい剣士エリナと出会う。エリナは翔太の能力に興味を持ち、一緒に冒険することを提案する。最初は引きこもり生活を続けたい気持ちと、新しい仲間との冒険心の間で揺れる翔太だが、最終的にはエリナと共に旅立つ決意をする。旅の途中で翔太とエリナは謎の遺跡に辿り着く。遺跡には古代の力を持つアイテムが隠されており、それを手に入れることでさらなるチート能力を得られる。しかし、遺跡には数々の罠と強力な守護者が待ち受けており、二人はその試練に立ち向かう。数々の困難を乗り越えた翔太は、異世界での生活に次第に馴染んでいく。彼は引きこもり生活を続けながらも、村を守り、新たな仲間たちと共に冒険を繰り広げる。最終的には、翔太は異世界で「最強の冒険者」として名を馳せ、引きこもりと冒険者の二重生活を見事に両立させることになる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~
SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。
物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。
4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。
そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。
現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。
異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。
けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて……
お読みいただきありがとうございます。
のんびり不定期更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる