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守り人4
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ニニミミがため息をついているころ、三女シシララは棒をくるくる回して目の前にいる敵を屠っていた
敵はまるで霧が形を成したかのような人型の化け物で、この世界ではウィスパーと呼ばれているらしい
そのささやきに耳を傾けるとささやかれた者もウィスパーになってしまうという
「ああもうめんどくさいのだ。いったい何匹いるのだこいつらは」
普通この魔物は物理攻撃が効かない
その姿の通り霧のように不安定で、攻撃してもまるで当たらないからだ
だがシシララの持つ生体武器SSRRは叩くことで何もかもを狂わせる
当然敵の攻撃が当たらないという特性を狂わせて攻撃が当たるという事象に変えて攻撃している
「あと何匹なのだ? まったくもう、ほら治ったなら皆家に帰るのだ!」
ウィスパーが人間から魔物になったのなら、その事象を狂わせて元に戻せばいい
そう、彼女はウィスパーを人間に戻してそのまま家に帰しているのだ
「さてと、もう終わりかな? ほれ終わったのだ。報酬をよこすのだ」
「ありがとうございます旅人さん!」
シシララは村人らしき男性から報酬の金が入った袋を受け取り中身を見た
「何なのだこれは。シシララはこんなものが欲しいなんて言ってないのだ。あそこの畑にある芋を食べさせてほしいと言っただけなのだ!」
プンスカと怒るシシララ
彼女はこの世界に来てから一番に目についた芋を見て、それを食べたくなった
だから村人に頼んだところ、武器を持っていたことから冒険者だと勘違いされて今のウィスパー退治を引き受けたというわけだ
だが村人は相当困っていた上に、全てのウィスパーをあっという間に退治し終えたことで、貧相な芋料理が報酬というのは割に合わないと思ったのだ
だがそれはシシララの欲しいものではない
「で、ですが」
「いいから早く芋料理をよこすのだ! シシララに食べさせるのだぁ!」
地団太を踏む様子は完全に駄々っ子の子供だ
村人たちは慌てるように芋料理を一皿持ってきた
それはただ芋を似ただけのシンプルなものだったが、彼女はそれをぺろりと平らげてお腹をポンポンと叩くと満足そうに村を去った
彼女は本当に欲しいものしか求めない
そもそも金の使い方が全く分からなかった
満腹でご機嫌なシシララは棒をくるくるとまわしながら愛しい主を探し歩いた
敵はまるで霧が形を成したかのような人型の化け物で、この世界ではウィスパーと呼ばれているらしい
そのささやきに耳を傾けるとささやかれた者もウィスパーになってしまうという
「ああもうめんどくさいのだ。いったい何匹いるのだこいつらは」
普通この魔物は物理攻撃が効かない
その姿の通り霧のように不安定で、攻撃してもまるで当たらないからだ
だがシシララの持つ生体武器SSRRは叩くことで何もかもを狂わせる
当然敵の攻撃が当たらないという特性を狂わせて攻撃が当たるという事象に変えて攻撃している
「あと何匹なのだ? まったくもう、ほら治ったなら皆家に帰るのだ!」
ウィスパーが人間から魔物になったのなら、その事象を狂わせて元に戻せばいい
そう、彼女はウィスパーを人間に戻してそのまま家に帰しているのだ
「さてと、もう終わりかな? ほれ終わったのだ。報酬をよこすのだ」
「ありがとうございます旅人さん!」
シシララは村人らしき男性から報酬の金が入った袋を受け取り中身を見た
「何なのだこれは。シシララはこんなものが欲しいなんて言ってないのだ。あそこの畑にある芋を食べさせてほしいと言っただけなのだ!」
プンスカと怒るシシララ
彼女はこの世界に来てから一番に目についた芋を見て、それを食べたくなった
だから村人に頼んだところ、武器を持っていたことから冒険者だと勘違いされて今のウィスパー退治を引き受けたというわけだ
だが村人は相当困っていた上に、全てのウィスパーをあっという間に退治し終えたことで、貧相な芋料理が報酬というのは割に合わないと思ったのだ
だがそれはシシララの欲しいものではない
「で、ですが」
「いいから早く芋料理をよこすのだ! シシララに食べさせるのだぁ!」
地団太を踏む様子は完全に駄々っ子の子供だ
村人たちは慌てるように芋料理を一皿持ってきた
それはただ芋を似ただけのシンプルなものだったが、彼女はそれをぺろりと平らげてお腹をポンポンと叩くと満足そうに村を去った
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