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逸脱した女神11
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次に襲ってきたのは泥を大きな塊にした巨大隕石のような攻撃
広範囲に広がるその攻撃は完全に建物を破壊し、街に降り注いだ
急いでヒーローたちが建物から飛び出してその隕石群を協力して防ぐ
硬くはなっているが幸いにも燃えたり硬すぎるということはなく、ヒーローたちが協力したことで建物や人々に多少の被害は出たものの、死者は一人も出なかった
「えげつないことするわね!」
ルニアはすぐに反撃に転じ、手に異放者の力を集めて剣のようなものを作り出した
「弱いっていやだよな。だったら強くなったらいい。そしたらみんな俺の思い通りなんだ」
男も泥で剣を作り出す
二人による剣の打ち合いが始まった
クレイドールの剣はルニアの剣と交差する度に壊れるが、その都度高速で剣を作り出して再び打ちあう
泥の剣だが硬度は銅の剣くらいには硬い
対するルニアの剣は圧倒的な硬度を誇っている
それでも打ち合えるのはクレイドールの剣術が優れているからだった
ルニアはお世辞にも剣術の達人とは言えず、素人に毛が生えた程度
動体視力が神そのものであるためクレイドールとまともに戦えている
「く、やっぱり剣って苦手だわ」
一旦離れて剣を消すと魔力を溜め始めた
「やっぱ私はこっちでしょ」
手を空に向けるとたくさんの紋章が現れてそこから火がいっきにクレイドールに降り注ぐ
「泥って乾かすと壊れやすくなるのよね」
ダメージを与えられないまでもクレイドールの弱点を的確に突いた攻撃
「ああ確かに泥ってのは固まる。でもさ、俺って土のクレイドールって言ったよな?」
パキパキに乾いた泥が崩れ落ち、彼自身も崩れた
だがその崩れた砂が流動して人型になる
「さあ第二ラウンドと行こうか。流砂大道!」
地面が砂となって崩れていき、それが激流のように流れ始めた
ルニアや天使たち、空を飛べるヒーローなどは流砂を避けることができたが、飲み込まれた人々もいる
このままでは窒息死するだろう
「私が助けます! 女神様は戦いに集中してください!」
えりかが流砂を凍らせることで流れをとめ、そこから流された人々を助け出した
「任せたわえりかさん!」
まさに流砂のようになったクレイドールの体を光の矢で撃ち抜いてみるがまるで効果がない
「ならこれでどう!」
今度は体を超高温の炎に変えてクレイドールに突っ込む
ルニアが当たったクレイドールの体表が焼け、ガラス質に変わって行った
「ぐ、なるほどなるほど、砂は高温でガラスになるのか、まあそれでどうと言うこともないんだけどね」
ガラスになった部分を崩してさらさらと流れて今度は霧のようになった
「これは、黄砂?」
「そう! 俺はありとあらゆる土属性に成れる! フハハハ! なあなああ、俺の弱さはもう強さになったんだ。だからお前は負けるんだ。弱さを知らないお前は負けるんだ」
「弱さなら痛いほど知ってるわよ。だから私も強くなるために頑張ってるんだっての!」
霧のようになった体では普通の攻撃も魔法も効かないだろう
「ねえツキ、協力してくれるわよね?」
(もちろんだよ。僕は君の一部だからね)
ルニアは異放の力を解放しきる
体は光の粒子となって黄砂の霧を包み込んだ
「なんだこれは! こんなもの!」
クレイドールはその粒子から抜け出そうとするが、まるで網にかかった魚のように身動きが取れなくなり、段々と狭まって行く光の粒子によって小さくまとめられていった
「はいこれで終わり!」
ルニアの体が元に戻り、その手には泥団子が握られていた
「うぐ、ああ、体が、動かない」
泥団子からクレイドールの声がする
彼は体を粒子にかためられて形態変化も出来なくなっている
(ふう、勝ったね。最も君がもっと早く僕を頼っていれば)
「はいはい分かってるわよ。ありがと」
(ふふ、またいつでも頼ってくれていいからね)
大幹部クレイドールを倒したことでこの世界の危機も去った
広範囲に広がるその攻撃は完全に建物を破壊し、街に降り注いだ
急いでヒーローたちが建物から飛び出してその隕石群を協力して防ぐ
硬くはなっているが幸いにも燃えたり硬すぎるということはなく、ヒーローたちが協力したことで建物や人々に多少の被害は出たものの、死者は一人も出なかった
「えげつないことするわね!」
ルニアはすぐに反撃に転じ、手に異放者の力を集めて剣のようなものを作り出した
「弱いっていやだよな。だったら強くなったらいい。そしたらみんな俺の思い通りなんだ」
男も泥で剣を作り出す
二人による剣の打ち合いが始まった
クレイドールの剣はルニアの剣と交差する度に壊れるが、その都度高速で剣を作り出して再び打ちあう
泥の剣だが硬度は銅の剣くらいには硬い
対するルニアの剣は圧倒的な硬度を誇っている
それでも打ち合えるのはクレイドールの剣術が優れているからだった
ルニアはお世辞にも剣術の達人とは言えず、素人に毛が生えた程度
動体視力が神そのものであるためクレイドールとまともに戦えている
「く、やっぱり剣って苦手だわ」
一旦離れて剣を消すと魔力を溜め始めた
「やっぱ私はこっちでしょ」
手を空に向けるとたくさんの紋章が現れてそこから火がいっきにクレイドールに降り注ぐ
「泥って乾かすと壊れやすくなるのよね」
ダメージを与えられないまでもクレイドールの弱点を的確に突いた攻撃
「ああ確かに泥ってのは固まる。でもさ、俺って土のクレイドールって言ったよな?」
パキパキに乾いた泥が崩れ落ち、彼自身も崩れた
だがその崩れた砂が流動して人型になる
「さあ第二ラウンドと行こうか。流砂大道!」
地面が砂となって崩れていき、それが激流のように流れ始めた
ルニアや天使たち、空を飛べるヒーローなどは流砂を避けることができたが、飲み込まれた人々もいる
このままでは窒息死するだろう
「私が助けます! 女神様は戦いに集中してください!」
えりかが流砂を凍らせることで流れをとめ、そこから流された人々を助け出した
「任せたわえりかさん!」
まさに流砂のようになったクレイドールの体を光の矢で撃ち抜いてみるがまるで効果がない
「ならこれでどう!」
今度は体を超高温の炎に変えてクレイドールに突っ込む
ルニアが当たったクレイドールの体表が焼け、ガラス質に変わって行った
「ぐ、なるほどなるほど、砂は高温でガラスになるのか、まあそれでどうと言うこともないんだけどね」
ガラスになった部分を崩してさらさらと流れて今度は霧のようになった
「これは、黄砂?」
「そう! 俺はありとあらゆる土属性に成れる! フハハハ! なあなああ、俺の弱さはもう強さになったんだ。だからお前は負けるんだ。弱さを知らないお前は負けるんだ」
「弱さなら痛いほど知ってるわよ。だから私も強くなるために頑張ってるんだっての!」
霧のようになった体では普通の攻撃も魔法も効かないだろう
「ねえツキ、協力してくれるわよね?」
(もちろんだよ。僕は君の一部だからね)
ルニアは異放の力を解放しきる
体は光の粒子となって黄砂の霧を包み込んだ
「なんだこれは! こんなもの!」
クレイドールはその粒子から抜け出そうとするが、まるで網にかかった魚のように身動きが取れなくなり、段々と狭まって行く光の粒子によって小さくまとめられていった
「はいこれで終わり!」
ルニアの体が元に戻り、その手には泥団子が握られていた
「うぐ、ああ、体が、動かない」
泥団子からクレイドールの声がする
彼は体を粒子にかためられて形態変化も出来なくなっている
(ふう、勝ったね。最も君がもっと早く僕を頼っていれば)
「はいはい分かってるわよ。ありがと」
(ふふ、またいつでも頼ってくれていいからね)
大幹部クレイドールを倒したことでこの世界の危機も去った
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