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神と白黒鬼神21
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ローブを着た何者かが動き出した。そう僕達に連絡が入った
そいつはウキウキとした様子で街の外に出て行ったらしい
荷物は宿に置いてあるから恐らく戻ってくるだろうとのことだけど、僕はそいつを尾行することにした
あやしすぎるけど悪い気配はしないから多分ウルとは関係ない
だってウルの奴らは無理やり従わされている人たち以外かなり嫌な気配があるんだもん
報告してくれた人に案内されつつ道中街に出てた屋台でちょっとした食べ物を買いつつ後を追う
どう考えても観光気分です
「街の外には危険な海獣がいるのであまりお勧めしていないのですが、あの子は平気でいつも出て行くのです」
この街と女王のいる街は海中馬車と呼ばれる馬車があって、それは女王の眷属である海竜が引いている
だから安全なんだけど、強い人は自らの力で移動することもあるらしい
ただその条件は海竜を倒せるほどの実力を持っていること
そう、あのローブの子はそれだけの実力があるってことだね
「あ、早くいかないと見失ってしまいます」
案内をしてくれてるマーメイドの女性に言われるがまま僕らは急いで泳いだ
ハクラちゃんなんか泳ぎ方が溺れてるみたいだけど、なぜか驚くほど速く泳げてる・・・、なんだあれ
ローブを追って行くと海中洞窟についた
「ここはかつてこの辺りの主が住んでいた場所です。主は女王様に倒されて今は首都を守っているのですが・・・。ここにはもう何もいないはずです」
僕らはローブにばれないようにこっそりと泳ぎつつその様子を眺めた
すると何やら光が漏れていて奥が見えてきた
そこにはローブと戯れる可愛い首長竜がいた
大きさは十メートルはありそうだけど、まだまだ子供のようだ
「なんということでしょう! あの竜の特徴は間違いありません! ここに住んでいた主の子供に間違いありません! しかもあの色、突然変異種です!」
興奮した様子の案内のお姉さん
確かにきれいな色で少し虹色に見える鱗
目はくりくりとしてて思わず抱きしめたくなるくらい可愛い
そんな竜とローブは非常に仲良しに見える
ローブが懐から魚を何匹も取り出して与えていた
「ほらニコニコ、美味しい? そう、よかった」
声からしてやっぱり女の子だ
ローブの女の子はその深くかぶったローブを脱ぐと竜に頬ずりし始めた
少女の特徴は真っ赤な髪に黄色い目、背中にヒレがある事からこの世界の住人だ
その少女を見て案内のお姉さんは驚嘆の声をあげた
「なんということでしょう! そんな、そんなまさか」
「どうしたんです?」
「あの子は、いえ、あの方は・・・、アディシア様、ああ、生きていらしたのですね!」
お姉さんは驚くべき速さで泳ぎ、少女を思いっきり抱きしめた
「うわ! 何!? 誰なの?」
「アディシア様! 私です、コーリアです! 貴方の付き人だったコーリアですよ!」
少女は目をぱちくりさせて首をかしげる
「コーリア? 誰? 知らないよ」
「そ、そんな、アディシア様が私をお忘れになるなんて・・・」
コーリアさんは大粒の涙をこぼしつつその少女を抱きしめ続けた
少女は何が何やら分かっていない様子で困惑していて、その横で竜の子供もどうしていいのか分からず右往左往していた
落ち着いたコーリアさん、少女と共に街に戻るとすぐに少女を連れて城に入ってレッディアさんの元へ
報告がなされるとほぼ時を同じくしてレッディアさんは僕らが待っていた部屋へと飛び込んできた
「アディシア! 本当にアディシアなの!?」
レッディアさんが少女を見るなり大泣きし始めた
「ああよかった、アディシア、私の可愛い妹、生きていた。生きていてくれたのね」
何が何やらまったく事情が掴めていない僕らにコーリアさんが過去を語り始めた
そいつはウキウキとした様子で街の外に出て行ったらしい
荷物は宿に置いてあるから恐らく戻ってくるだろうとのことだけど、僕はそいつを尾行することにした
あやしすぎるけど悪い気配はしないから多分ウルとは関係ない
だってウルの奴らは無理やり従わされている人たち以外かなり嫌な気配があるんだもん
報告してくれた人に案内されつつ道中街に出てた屋台でちょっとした食べ物を買いつつ後を追う
どう考えても観光気分です
「街の外には危険な海獣がいるのであまりお勧めしていないのですが、あの子は平気でいつも出て行くのです」
この街と女王のいる街は海中馬車と呼ばれる馬車があって、それは女王の眷属である海竜が引いている
だから安全なんだけど、強い人は自らの力で移動することもあるらしい
ただその条件は海竜を倒せるほどの実力を持っていること
そう、あのローブの子はそれだけの実力があるってことだね
「あ、早くいかないと見失ってしまいます」
案内をしてくれてるマーメイドの女性に言われるがまま僕らは急いで泳いだ
ハクラちゃんなんか泳ぎ方が溺れてるみたいだけど、なぜか驚くほど速く泳げてる・・・、なんだあれ
ローブを追って行くと海中洞窟についた
「ここはかつてこの辺りの主が住んでいた場所です。主は女王様に倒されて今は首都を守っているのですが・・・。ここにはもう何もいないはずです」
僕らはローブにばれないようにこっそりと泳ぎつつその様子を眺めた
すると何やら光が漏れていて奥が見えてきた
そこにはローブと戯れる可愛い首長竜がいた
大きさは十メートルはありそうだけど、まだまだ子供のようだ
「なんということでしょう! あの竜の特徴は間違いありません! ここに住んでいた主の子供に間違いありません! しかもあの色、突然変異種です!」
興奮した様子の案内のお姉さん
確かにきれいな色で少し虹色に見える鱗
目はくりくりとしてて思わず抱きしめたくなるくらい可愛い
そんな竜とローブは非常に仲良しに見える
ローブが懐から魚を何匹も取り出して与えていた
「ほらニコニコ、美味しい? そう、よかった」
声からしてやっぱり女の子だ
ローブの女の子はその深くかぶったローブを脱ぐと竜に頬ずりし始めた
少女の特徴は真っ赤な髪に黄色い目、背中にヒレがある事からこの世界の住人だ
その少女を見て案内のお姉さんは驚嘆の声をあげた
「なんということでしょう! そんな、そんなまさか」
「どうしたんです?」
「あの子は、いえ、あの方は・・・、アディシア様、ああ、生きていらしたのですね!」
お姉さんは驚くべき速さで泳ぎ、少女を思いっきり抱きしめた
「うわ! 何!? 誰なの?」
「アディシア様! 私です、コーリアです! 貴方の付き人だったコーリアですよ!」
少女は目をぱちくりさせて首をかしげる
「コーリア? 誰? 知らないよ」
「そ、そんな、アディシア様が私をお忘れになるなんて・・・」
コーリアさんは大粒の涙をこぼしつつその少女を抱きしめ続けた
少女は何が何やら分かっていない様子で困惑していて、その横で竜の子供もどうしていいのか分からず右往左往していた
落ち着いたコーリアさん、少女と共に街に戻るとすぐに少女を連れて城に入ってレッディアさんの元へ
報告がなされるとほぼ時を同じくしてレッディアさんは僕らが待っていた部屋へと飛び込んできた
「アディシア! 本当にアディシアなの!?」
レッディアさんが少女を見るなり大泣きし始めた
「ああよかった、アディシア、私の可愛い妹、生きていた。生きていてくれたのね」
何が何やらまったく事情が掴めていない僕らにコーリアさんが過去を語り始めた
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