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世界に選ばれし者たち9
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少女には名前もなく、なぜここにいるのかも自分で理解していない
幼いだけではなく記憶もないようだ
気づいたらこの街のこの場所にいたらしく、誰に話しかけてもまるで無視されるために途方に暮れていたらしい
「ふふふ、面白いことになってるわねこの子。頭に魔術がかけられてる。しかも記憶を粉々に砕かれるような特別な魔術よ。アモン様、この子を連れて行ってもいいですよね?」
「いやまあ僕は構わないんだけど、この子の親とかいた場合どうするのさ?」
「いませんよ。この子の親は絶対にいません。何せここはこの子の世界ではないのですから」
少女はどうやらどこかの世界から流されてここに来ていたらしく、しかもその流された理由は恐らく誰かの手によるものだということだ
魔術によって砕かれた記憶がその答えだろうが、砕けた記憶を元に戻すには並大抵のことでは不可能である
もちろんライナにもアモンにも難しい
アモンによる悪魔の契約なら可能性はあるかもしれないが、それはいたずらに魂を縛ることに繋がる
命が危ないのならともかく、記憶ならば他の可能性が見いだせるはずだと考えた
「取りあえずこの子を連れて行きましょう。エーテなら何か分かるかもしれないですし」
ライナの提案はレノンナも受け入れた
この哀れな少女に同情したからもあるだろうが、この少女に何か引っかかるものがあったからだ
アモンたちは少女を連れ、待ち合わせ場所にまで戻った
一方同時刻、エーテたちは街の観光を楽しんでいた
この街、様々な娯楽があるようで、エーテはその後楽に興じていたためアーキアやりえに必死に止められていた
「もう少し、もう少しだけ!」
「もういいだろエーテ! 待ち合わせの時刻になったんだから早くいかないと!」
「ああああん」
りえに笑われ、アーキアに引っ張られながらエーテは待ち合わせ場所へと連れていかれた
そして中央広場の噴水前、そこではすでにレノンナ達が待っていた
「おそい! 何してたのよ」
「情報収集をだね」
「いや遊んでたよねエーテ!」
「ちょ、なぜばらすかねぇ!」
「ほーらやっぱりね。てか遊んでもいいけど時間は守りなさいよ」
「はいすいません」
叱られてしおらしく謝るエーテ
「でもだよ、私はちゃんと情報も手に入れてるからねぇ。それよりもだよ、そこの怯える少女は誰かねぇ?」
「この子は異世界から飛ばされた記憶をなくした少女よ。エーテさん、あなたの力でこの子の記憶を取り戻す手がかりって見つけられないかしら?」
「ふむ、魔術による記憶の破壊ねぇ。聞いたことないけどまあ見てみるさね」
エーテはその目でしっかりと少女を見つめる
見つめられた少女は怯えつつも自分のためにやってくれているのだと理解し、しっかりと目を見つめ返した
エーテの目が青く光り少女の詳細を見抜いて行った
「ふむ、名前は分かる。マリー・デレクレア・ホスファムタ。仰々しい名前さねぇ。いや待てよ、この名前、プロテクトがかかってるねぇ。正しい名前じゃない。なんだこれは、どれだけ複雑な魔術がかかってるんだよ。おかしい、おかしいよこれは、こんな歳はも行かない少女にかけるような魔術じゃないよぉ。神が真名を知られないようにかけるような部類さね。いやこれはそれ以上かもしれないねぇ・・・。すまない、これ以上は何もわからないさねぇ」
ハァハァと息荒く少女を見終わるとエーテは倒れた
それほどまでに強力な魔術がかけられていたのだ
ただ名前だけは少しわかった
マリー
ひとまずはその少女をマリーと呼ぶことにした
幼いだけではなく記憶もないようだ
気づいたらこの街のこの場所にいたらしく、誰に話しかけてもまるで無視されるために途方に暮れていたらしい
「ふふふ、面白いことになってるわねこの子。頭に魔術がかけられてる。しかも記憶を粉々に砕かれるような特別な魔術よ。アモン様、この子を連れて行ってもいいですよね?」
「いやまあ僕は構わないんだけど、この子の親とかいた場合どうするのさ?」
「いませんよ。この子の親は絶対にいません。何せここはこの子の世界ではないのですから」
少女はどうやらどこかの世界から流されてここに来ていたらしく、しかもその流された理由は恐らく誰かの手によるものだということだ
魔術によって砕かれた記憶がその答えだろうが、砕けた記憶を元に戻すには並大抵のことでは不可能である
もちろんライナにもアモンにも難しい
アモンによる悪魔の契約なら可能性はあるかもしれないが、それはいたずらに魂を縛ることに繋がる
命が危ないのならともかく、記憶ならば他の可能性が見いだせるはずだと考えた
「取りあえずこの子を連れて行きましょう。エーテなら何か分かるかもしれないですし」
ライナの提案はレノンナも受け入れた
この哀れな少女に同情したからもあるだろうが、この少女に何か引っかかるものがあったからだ
アモンたちは少女を連れ、待ち合わせ場所にまで戻った
一方同時刻、エーテたちは街の観光を楽しんでいた
この街、様々な娯楽があるようで、エーテはその後楽に興じていたためアーキアやりえに必死に止められていた
「もう少し、もう少しだけ!」
「もういいだろエーテ! 待ち合わせの時刻になったんだから早くいかないと!」
「ああああん」
りえに笑われ、アーキアに引っ張られながらエーテは待ち合わせ場所へと連れていかれた
そして中央広場の噴水前、そこではすでにレノンナ達が待っていた
「おそい! 何してたのよ」
「情報収集をだね」
「いや遊んでたよねエーテ!」
「ちょ、なぜばらすかねぇ!」
「ほーらやっぱりね。てか遊んでもいいけど時間は守りなさいよ」
「はいすいません」
叱られてしおらしく謝るエーテ
「でもだよ、私はちゃんと情報も手に入れてるからねぇ。それよりもだよ、そこの怯える少女は誰かねぇ?」
「この子は異世界から飛ばされた記憶をなくした少女よ。エーテさん、あなたの力でこの子の記憶を取り戻す手がかりって見つけられないかしら?」
「ふむ、魔術による記憶の破壊ねぇ。聞いたことないけどまあ見てみるさね」
エーテはその目でしっかりと少女を見つめる
見つめられた少女は怯えつつも自分のためにやってくれているのだと理解し、しっかりと目を見つめ返した
エーテの目が青く光り少女の詳細を見抜いて行った
「ふむ、名前は分かる。マリー・デレクレア・ホスファムタ。仰々しい名前さねぇ。いや待てよ、この名前、プロテクトがかかってるねぇ。正しい名前じゃない。なんだこれは、どれだけ複雑な魔術がかかってるんだよ。おかしい、おかしいよこれは、こんな歳はも行かない少女にかけるような魔術じゃないよぉ。神が真名を知られないようにかけるような部類さね。いやこれはそれ以上かもしれないねぇ・・・。すまない、これ以上は何もわからないさねぇ」
ハァハァと息荒く少女を見終わるとエーテは倒れた
それほどまでに強力な魔術がかけられていたのだ
ただ名前だけは少しわかった
マリー
ひとまずはその少女をマリーと呼ぶことにした
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