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神と白黒鬼神17

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 詩季さんの世界でのウル打倒も終わって仲間、というかサニアさんの天使も増えた
 天使はなった時点での成長が止まるんだけど、メトちゃんはどうなんだろう?
 すっかりサニアさんをママとしてぴったりと寄り添ってる小さな天使
 可愛い子の表現に天使って表現があるけど、本当に天使だからいくらでもいう
 この子は天使オブ天使です
 ちなみに子供が大好きなサニアさんとクロハさんのアイドルになっていることは言うまでもない
 ハクラちゃんまでもが始終顔が緩んでメトちゃんのほっぺをぷにょぷにょと触ってる
「んああああカワイイですねぇリディエラちゃん」
 すっかりふやけた顔
 メトちゃんより少し年上に見えるハクラちゃんは子供が子供を可愛がっているようにしか見えない
 そんな様子を大人な僕たちは微笑ましく見ているのです
「それじゃあ詩季さん、また会おうね」
「ええ、リディエラちゃんは世界をもう自由に飛び越えれますのよね? ならまた会えますわね」
「いいなぁ私もそう言う超能力欲しいなぁ」
「仕方ないよナツキちゃん、リディエラちゃんは女神様になってるんだもん」
「はぁ、めんどくさい力手に入れたりしないでよね。私この世界から出たくないから」
 コロコロと人格が変わって僕を見送ってくれる詩季さんズ
 賑やかでいいなぁ
 見送りに来てくれていた司さんたちとも別れを済ませるとサニアさんが転移用の扉を開いた
「それじゃあまたね!」
 扉をくぐって次なる世界への一歩を踏み出した途端のことだった
 ザブンと水に頭まで浸かる僕達
「うわっぷ」
「お、溺れますガボボボ」
「落ち着きなさいハクラ、私達は溺れないでしょう」
「はっ、そうだった」
 水から浮かび上がって見てみると、辺り一面が水でどうやら海の上みたいだ
 どこまでも続く水平線、島らしきものも見えない
「ひとまずどこか降りれる場所を見つけないとね」
 女神である僕とサニアさんは当然のこと、鬼神二人も宙に浮かべる
 そして幼天使であるメトちゃんもさも当然のように浮いていた
 まあこの子は本来の超能力でも飛べるもんね
「ちょっと見てきますね」
 サニアさんはそういってあっという間に見えなくなってしまった
 多分降りれる場所を探しに行ってくれたんだと思う
 下手に動くと目印も何もないこの場所じゃ迷子になりそうだし、仕方なく僕らは固まって宙に浮いて置いた
「大丈夫メトちゃん? 疲れてない?」
「うん大丈夫だよママ!」
 ああこの子はハクラちゃん以外をママって呼んでるんだよね
 ハクラちゃんは見た目が自分と近いくらいに見えるからか、普通にハクラお姉ちゃんって呼んでる
 妹が欲しかったハクラちゃんには絶大な効果で、それも相まってとてつもなく可愛がってるみたい
「だめです、この周囲一帯には島はありませんでした」
「うわいつの間に!」
 突然僕の後ろでサニアさんの声が聞こえたから驚いた
 もう探索が済んだみたい
「半径数キロの範囲を探してみたんですけど、何も見当たりません。島も、船も・・・。時折見えるのは鯨のような生き物や魚の群れ、それから恐らくですがクラーケンらしき影も見えました」
 生物はいるみたいだけど島がない
 もしかしたら海だけの世界なのかも
「ひとまず全員で一定方向に飛んでみましょう。それで見つからなければまた考えればいいかと」
「それもそうね」
 クロハさんの提案に乗る一向
「ではここに導を」
 クロハさんが力を使って海面に巨大な柱を立てた
 土魔法に似てるけど違う。これはまじないの力を用いて海中の地面を隆起させたんだ
 自然や生態系に配慮して壊れないように慎重にやったらしいから大丈夫だね
「では行きましょう」
 そのまま僕らはまっすぐに空を飛んで島を探すことにした
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