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利善とレイドの異世界旅8
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城に到達してから数日が経過した
その間ティーリーは目覚めたものの、辺りをキョロキョロと見渡して泣くばかりで何も覚えていないようだった
この子はどうやら頭に機械を取り付けられた時の記憶が残っているらしく、相当な恐怖だったのだろう
震えてただただ泣きじゃくっていた
本当にただの普通の少女であるティーリー
面倒見のいいレイドがなだめることでようやく落ち着いた
ティーリ―もそうだが、テトラもまだ十五歳にも満たない子供だ
二人共レイドに懐き、心を開いているようである
二人と話をしていると利善がこちらに走ってきた
「おいレイド、あの氷漬けの少女が目覚めたんだが様子がおかしい、もしもの時のために一寸来てくれないか?」
「は、はい! 二人共、少しここで待っててね」
レイドは二人を利善に相手するよう頼んでから立ち上がり、王の間へ急いだ
部屋に入ったとたん凍り付きそうなほどの冷気が襲い掛かって来た
「レ、レイドか! 頼む、このウルの大幹部を速く倒してくれ! 俺たちの能力じゃ何もできないんだ!」
レイダスの完全獣化では凍えてまともに動けず、モーリスの鎧では冷気が防げず、楓の力ではガムが凍ってしまう
利善の空間で覆い囲もうと試みたが、それすらあっさり壊されてしまった
しかしレイドの力ならば可能性があった
レイドは巨人となる力の持ち主ではあるが、彼女の本質は雨を支配する力
そしてそれは突き詰めると水を操る力でもある
彼女のその力は温度すらも支配し、凍らせられることなどない
「私が止めます!」
レイドが雨を周囲に振らせ始めた
これは巨人化するための雨ではない。絶対零度に対抗するために降らせた雨だった
「ホットレイン!!」
その雨は火傷するほどの熱を持つ雨
周囲が蒸気で温かくなり、部屋の温度が上昇していった
その蒸気の中、氷少女の姿が見えた
彼女はかなり苦しんだ表情をしており、頭を抱えて叫んでいた
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 助け、痛い、痛いよぉ! 頭が痛い! お、お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃんんんん!!」
レイドはその声を聞いてさらに雨を強め、彼女の脳へと雨を侵入させた
それはしっかりと細胞にまで浸透していき、少女の頭を蝕むモノをあぶりだした
侵入したレイドの雨はそれを脳内から外へと排出させるとそのまま破壊した
「これは、小さな機械?」
どうやらティーリーについていた洗脳用機械よりも極小な機械により、彼女はずっと洗脳を受けていたようだ
ウルに連れ去られた彼女はそれによりずっと悪逆の限りを尽くさせられ、様々な世界を永久凍土の世界へと変えてきている
それ故に大幹部としてこの世界を任されていたのだった
ティーリーの洗脳とは違い、脳を直接洗脳するため、外部から破壊することは難しく、また破壊しようにも脳を傷つけては元も子もない
レイドの力はそれで言えば彼女の力とも洗脳とも相性がばっちりだったのだ
「モーリスさん! 受け止めてください!」
宙に浮かび冷気を放っていた少女は気を失い、このままでは頭から落ちる
モーリスはレイドに言われ急いで少女の落下地点へと走り込み、ギリギリでキャッチすることができた
「ふぅ、そうか、この子も犠牲者なのか・・・」
抱えられた少女はすぐに目を開けてモーリスやレイドの顔を見る
どうやらうまく体が動かせないらしい
長い間脳に異物が入り込んでいたせいだろう
「あ、えう・・・」
言葉もうまく話せないらしく、動くこともままならない少女をモーリスが優しい目で見つめ、もう大丈夫だと安心させた
それを聞いて少女はゆっくりとうなづき、スーッと眠りについた
その間ティーリーは目覚めたものの、辺りをキョロキョロと見渡して泣くばかりで何も覚えていないようだった
この子はどうやら頭に機械を取り付けられた時の記憶が残っているらしく、相当な恐怖だったのだろう
震えてただただ泣きじゃくっていた
本当にただの普通の少女であるティーリー
面倒見のいいレイドがなだめることでようやく落ち着いた
ティーリ―もそうだが、テトラもまだ十五歳にも満たない子供だ
二人共レイドに懐き、心を開いているようである
二人と話をしていると利善がこちらに走ってきた
「おいレイド、あの氷漬けの少女が目覚めたんだが様子がおかしい、もしもの時のために一寸来てくれないか?」
「は、はい! 二人共、少しここで待っててね」
レイドは二人を利善に相手するよう頼んでから立ち上がり、王の間へ急いだ
部屋に入ったとたん凍り付きそうなほどの冷気が襲い掛かって来た
「レ、レイドか! 頼む、このウルの大幹部を速く倒してくれ! 俺たちの能力じゃ何もできないんだ!」
レイダスの完全獣化では凍えてまともに動けず、モーリスの鎧では冷気が防げず、楓の力ではガムが凍ってしまう
利善の空間で覆い囲もうと試みたが、それすらあっさり壊されてしまった
しかしレイドの力ならば可能性があった
レイドは巨人となる力の持ち主ではあるが、彼女の本質は雨を支配する力
そしてそれは突き詰めると水を操る力でもある
彼女のその力は温度すらも支配し、凍らせられることなどない
「私が止めます!」
レイドが雨を周囲に振らせ始めた
これは巨人化するための雨ではない。絶対零度に対抗するために降らせた雨だった
「ホットレイン!!」
その雨は火傷するほどの熱を持つ雨
周囲が蒸気で温かくなり、部屋の温度が上昇していった
その蒸気の中、氷少女の姿が見えた
彼女はかなり苦しんだ表情をしており、頭を抱えて叫んでいた
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! 助け、痛い、痛いよぉ! 頭が痛い! お、お兄ちゃん、助けて、お兄ちゃんんんん!!」
レイドはその声を聞いてさらに雨を強め、彼女の脳へと雨を侵入させた
それはしっかりと細胞にまで浸透していき、少女の頭を蝕むモノをあぶりだした
侵入したレイドの雨はそれを脳内から外へと排出させるとそのまま破壊した
「これは、小さな機械?」
どうやらティーリーについていた洗脳用機械よりも極小な機械により、彼女はずっと洗脳を受けていたようだ
ウルに連れ去られた彼女はそれによりずっと悪逆の限りを尽くさせられ、様々な世界を永久凍土の世界へと変えてきている
それ故に大幹部としてこの世界を任されていたのだった
ティーリーの洗脳とは違い、脳を直接洗脳するため、外部から破壊することは難しく、また破壊しようにも脳を傷つけては元も子もない
レイドの力はそれで言えば彼女の力とも洗脳とも相性がばっちりだったのだ
「モーリスさん! 受け止めてください!」
宙に浮かび冷気を放っていた少女は気を失い、このままでは頭から落ちる
モーリスはレイドに言われ急いで少女の落下地点へと走り込み、ギリギリでキャッチすることができた
「ふぅ、そうか、この子も犠牲者なのか・・・」
抱えられた少女はすぐに目を開けてモーリスやレイドの顔を見る
どうやらうまく体が動かせないらしい
長い間脳に異物が入り込んでいたせいだろう
「あ、えう・・・」
言葉もうまく話せないらしく、動くこともままならない少女をモーリスが優しい目で見つめ、もう大丈夫だと安心させた
それを聞いて少女はゆっくりとうなづき、スーッと眠りについた
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