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勇者の成長9
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どうやら転移はすぐにうまく使えるようになったようで、酔い止めの薬を飲まなくても自由自在に簡易転移はできるようになった
瞬間的に自由にどこにでも行けるので、人々の救済活動もスムーズになったようだ
「すごいよアイシス、私はね、浄化の魔法が使えるようになったの。でねでね、筋がいいってほめられたよ!」
「すごいじゃないかキーラ! この調子で最高の魔王になろうぜ」
この日はアイシスもキーラもリドリリも休みを取った
このところ根を詰めすぎていたため疲れが出てきていたためだ
この後三人でアイシスの転移の元鬼ヶ島に行く予定である
「鬼ヶ島かぁ、私初めてなんだよね」
「俺は十回目かな? ハクラ姫とクロハ姫は今リディエラと一緒に旅に出てるからいないけどさ、確か鬼神何人かは残ってるらしいから、そいつらには会えるはずだぜ」
「うん、楽しみ!」
その後用意を済ませた三人は旅行気分で鬼ヶ島へと転移した
転移してすぐに目の前に可愛らしい子犬のような少女が三人にまとわりつき、脛あたりを必死になってこすり始めた
「うわ、なんだ君は」
「ふひゅ、脛! いい脛ですよこれは! 最高ですよ! 少し筋肉で堅いですけど、すべすべで触りがいがあるです! こっちのお姉さんは柔らかいですよ。うんうん、リディエラ様に引けを取らないと思いますです。おや魔王ですか? なんとまぁまぁ、これはやばいです。癖になりそうなのですよ」
突然まくしたてるように三人の脛についての評論を始める少女
彼女こそハクラのお付きにして鬼ヶ島のアイドルにして歌姫のスネコスリ族、ネネコだった
「ふひゅひゅ、失礼しましただよ。私はスネコスリのネネコ! この度勇者と魔王の案内を仰せつかっているのですよ! どうぞこちらへその素敵な脛を動かして来てくださいな」
ネネコは三人の脛ばかりを見ていて涎まで垂らしている
スネコスリとは歩いていると急に足に何かが触れた気配がする
足元を見ても何も見えないが、確かに触られた感触がある
これをスネコスリの仕業だと言う逸話を持つ妖怪だ
彼女はそのスネコスリ族なのだが、本来のスネコスリは妖怪族の国カゲミヤにいる
しかし彼女は両親を亡くしており、それを拾ったのがハクラの両親であるキンゲツとギンカだった
そのためハクラとは姉妹のように育っており、ハクラとクロハを姉として慕っているのだ
そして今回三人の案内役に抜擢された
「ありがとうなのだネネコちゃん、我は同じ年くらいの友人がいなかったから是非友達になってほしいのだ」
「もちろんなのですよ! こんないい脛の友達ができるなんてネネコは幸せ者なのですよ!」
二人は意気投合したのか、すぐに仲良くなりお互いの話をし始めた
魔王口調になっていたキーラだったが、すでにいつもの口調に戻っていることからも打ち解けていることがよくわかる
「さてまずは鬼神の皆さんに会っていただくですよ。皆さん良い人達ばかりなので国民に愛されているのですよ。かなり強いのでもしかしたら神力にあてられちゃうかもしれないですけど、皆さんちゃんと力の制御はできてるのでそこまでの影響はないと思うですよ」
「そ、そんなに強いのか?」
「もちろんですよ! ハクラ様やクロハ様には及びませんけど、そんじょそこらの魔物には負けないですし、実力で言えばそうですね、Sランクの冒険者が数人がかりでも勝てないと思いますよ」
Sランクはこの世界の最高峰だが、そんな冒険者よりもはるかに強い鬼神たち
アイシスもあったことはあるが、まだその頃は鬼神にはなっていなかった
三人はかなり緊張しつつその鬼神たちが待つ純和風の大部屋へと通された
そして広がる圧倒的な力を放つ九柱の鬼神の気配
それに圧倒されたことでキーラとリドリリはその場にへたり込んだ
「あらら、これでも抑えてるんだけど魔王ちゃんにはまだ早かったっすかね。それでもしゃんとしてるほうっすよ」
一番に立ち上がったのは全体的に赤い印象の鬼神、炎王朱鬼神であるアカネだった
アカネは力強いながらも優しい暖かさを持つ炎を纏っていた
それに安心したキーラは微笑んでアカネの手をとり立ち上がり、三人は一斉に席に着いた
瞬間的に自由にどこにでも行けるので、人々の救済活動もスムーズになったようだ
「すごいよアイシス、私はね、浄化の魔法が使えるようになったの。でねでね、筋がいいってほめられたよ!」
「すごいじゃないかキーラ! この調子で最高の魔王になろうぜ」
この日はアイシスもキーラもリドリリも休みを取った
このところ根を詰めすぎていたため疲れが出てきていたためだ
この後三人でアイシスの転移の元鬼ヶ島に行く予定である
「鬼ヶ島かぁ、私初めてなんだよね」
「俺は十回目かな? ハクラ姫とクロハ姫は今リディエラと一緒に旅に出てるからいないけどさ、確か鬼神何人かは残ってるらしいから、そいつらには会えるはずだぜ」
「うん、楽しみ!」
その後用意を済ませた三人は旅行気分で鬼ヶ島へと転移した
転移してすぐに目の前に可愛らしい子犬のような少女が三人にまとわりつき、脛あたりを必死になってこすり始めた
「うわ、なんだ君は」
「ふひゅ、脛! いい脛ですよこれは! 最高ですよ! 少し筋肉で堅いですけど、すべすべで触りがいがあるです! こっちのお姉さんは柔らかいですよ。うんうん、リディエラ様に引けを取らないと思いますです。おや魔王ですか? なんとまぁまぁ、これはやばいです。癖になりそうなのですよ」
突然まくしたてるように三人の脛についての評論を始める少女
彼女こそハクラのお付きにして鬼ヶ島のアイドルにして歌姫のスネコスリ族、ネネコだった
「ふひゅひゅ、失礼しましただよ。私はスネコスリのネネコ! この度勇者と魔王の案内を仰せつかっているのですよ! どうぞこちらへその素敵な脛を動かして来てくださいな」
ネネコは三人の脛ばかりを見ていて涎まで垂らしている
スネコスリとは歩いていると急に足に何かが触れた気配がする
足元を見ても何も見えないが、確かに触られた感触がある
これをスネコスリの仕業だと言う逸話を持つ妖怪だ
彼女はそのスネコスリ族なのだが、本来のスネコスリは妖怪族の国カゲミヤにいる
しかし彼女は両親を亡くしており、それを拾ったのがハクラの両親であるキンゲツとギンカだった
そのためハクラとは姉妹のように育っており、ハクラとクロハを姉として慕っているのだ
そして今回三人の案内役に抜擢された
「ありがとうなのだネネコちゃん、我は同じ年くらいの友人がいなかったから是非友達になってほしいのだ」
「もちろんなのですよ! こんないい脛の友達ができるなんてネネコは幸せ者なのですよ!」
二人は意気投合したのか、すぐに仲良くなりお互いの話をし始めた
魔王口調になっていたキーラだったが、すでにいつもの口調に戻っていることからも打ち解けていることがよくわかる
「さてまずは鬼神の皆さんに会っていただくですよ。皆さん良い人達ばかりなので国民に愛されているのですよ。かなり強いのでもしかしたら神力にあてられちゃうかもしれないですけど、皆さんちゃんと力の制御はできてるのでそこまでの影響はないと思うですよ」
「そ、そんなに強いのか?」
「もちろんですよ! ハクラ様やクロハ様には及びませんけど、そんじょそこらの魔物には負けないですし、実力で言えばそうですね、Sランクの冒険者が数人がかりでも勝てないと思いますよ」
Sランクはこの世界の最高峰だが、そんな冒険者よりもはるかに強い鬼神たち
アイシスもあったことはあるが、まだその頃は鬼神にはなっていなかった
三人はかなり緊張しつつその鬼神たちが待つ純和風の大部屋へと通された
そして広がる圧倒的な力を放つ九柱の鬼神の気配
それに圧倒されたことでキーラとリドリリはその場にへたり込んだ
「あらら、これでも抑えてるんだけど魔王ちゃんにはまだ早かったっすかね。それでもしゃんとしてるほうっすよ」
一番に立ち上がったのは全体的に赤い印象の鬼神、炎王朱鬼神であるアカネだった
アカネは力強いながらも優しい暖かさを持つ炎を纏っていた
それに安心したキーラは微笑んでアカネの手をとり立ち上がり、三人は一斉に席に着いた
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