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無能の異世界人5
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レノンナは極々普通の少女だった
特に秀でたこともないが、しいて言えばスポーツが少し得意で、バスケットボールに励んでいたくらい
ルックスは良く、気さくで、少し口は悪いが男女共に人気だった
成績は中の上で悪いわけでもとびぬけているわけでもないが、そこも親しみやすさを与えている一因と言える
レノンナと言う名前は本名ではあるが、それは名前だけで姓は名乗っていない
それは彼女の姓が長いからである
普通に姓を名乗ると二十文字以上になるため、普段はレノンナと名前だけ名乗っているのだった
彼女が得た能力は反転
全ての事象を反転することができる力
制限はいろいろとあるが、それでも強力な力には違いない
例えば相手が攻撃したとすると、その攻撃を反転させ相手に返す、もしくは攻撃そのものが反転して攻撃ではなくなる
先ほど次元の扉を開くときも空間が開かないという事象を反転させて開くという事象に書き換えたのだった
ただそれはエーテの力でうまく制御できたため無事開けている
しかしそもそもの話、アモンの力を使えばそう言ったまどろっこしいこともなかったのだが
調査を始めてから二日ほど経った
ウルの姿はないが、原生生物がよく襲ってくるため、りえがいなかったら夜もおちおち寝ていられなかっただろう
「それでなんだけどねぇ、私の感知結果だとウルの気配やらなんやらはこの世界には皆無! はずれってことだわね」
「なによ、はずれだったってこと?」
「そうなるわねぇ」
エーテの感知は普通の感知ではない
どんな隠匿や隠ぺいだろうと彼女の前では無意味だ
それ故にウルのほんの些細な痕跡までをも見逃さない
つまり彼女がいないと言えばここにはいないのだ
「さて、この世界もほぼ調べれたことだし、私はもう発ってもいいと思うんだよね」
「良しじゃあ片付けて行こっか」
エーテの意見に同意するアーキア
「食料は保存食にしておいたからいつでも行けるよ」
アモンもしっかりと与えられた仕事をこなして保存食をせっせと作っていたようだ
主に干し肉だが、もともとそう言ったものを作ったことのあるアモンにとっては簡単な作業だった
そもそも彼の能力を使えばそう言った作業も一瞬で終わるのだが、アモンは能力を使わずに作ることにこだわっていた
旅立つ準備が終わるとまたあの時の用量で次元の扉を開いた
そしてくぐる順番も同じ
アモンがしんがりを務めて扉をしめた
今度の世界にはどうやら知的生命体がいるようで、街がすでに目の前にあった。というより街のど真ん中に出てきてしまった
「まずっ、注目されちゃうんじゃ」
レノンナが慌てているとそこに警備のような制服を着た二人組の男が走ってきた
「こらこら君たち! 街中での転移はあぶないだろ!」
男たちは一番年を取っているように見えたエーテの前に立った
「ほらそこの保護者さん? 何か個人の証明ができるものは?」
「いやぁそう言われても持ってないわねぇ。失敬失敬」
「はぁ、そうか、まあ初めてみたいだから今回は見逃すけど、次はないからね!」
そう言って厳重注意をすると男たちはどこかへと戻って行った
「ここ、どうやら転移が普通にできる世界みたいだねぇ。それにほら見てみなさいよ。あれも、あれもあれもあれもこれもどれもそれも、発展しているねぇ」
空を飛ぶ車のような円盤型の乗り物、ボックス型の建物に入っては消え、またいきなり現れる人たち、ホログラムのようなものが表示される携帯の小さな端末
高層ビルはなく、建物は二階建てが多いのだが、それはどうやら地下に施設があるかららしい
五人はそれぞれが興味津々で街を見て回ることにした
特に秀でたこともないが、しいて言えばスポーツが少し得意で、バスケットボールに励んでいたくらい
ルックスは良く、気さくで、少し口は悪いが男女共に人気だった
成績は中の上で悪いわけでもとびぬけているわけでもないが、そこも親しみやすさを与えている一因と言える
レノンナと言う名前は本名ではあるが、それは名前だけで姓は名乗っていない
それは彼女の姓が長いからである
普通に姓を名乗ると二十文字以上になるため、普段はレノンナと名前だけ名乗っているのだった
彼女が得た能力は反転
全ての事象を反転することができる力
制限はいろいろとあるが、それでも強力な力には違いない
例えば相手が攻撃したとすると、その攻撃を反転させ相手に返す、もしくは攻撃そのものが反転して攻撃ではなくなる
先ほど次元の扉を開くときも空間が開かないという事象を反転させて開くという事象に書き換えたのだった
ただそれはエーテの力でうまく制御できたため無事開けている
しかしそもそもの話、アモンの力を使えばそう言ったまどろっこしいこともなかったのだが
調査を始めてから二日ほど経った
ウルの姿はないが、原生生物がよく襲ってくるため、りえがいなかったら夜もおちおち寝ていられなかっただろう
「それでなんだけどねぇ、私の感知結果だとウルの気配やらなんやらはこの世界には皆無! はずれってことだわね」
「なによ、はずれだったってこと?」
「そうなるわねぇ」
エーテの感知は普通の感知ではない
どんな隠匿や隠ぺいだろうと彼女の前では無意味だ
それ故にウルのほんの些細な痕跡までをも見逃さない
つまり彼女がいないと言えばここにはいないのだ
「さて、この世界もほぼ調べれたことだし、私はもう発ってもいいと思うんだよね」
「良しじゃあ片付けて行こっか」
エーテの意見に同意するアーキア
「食料は保存食にしておいたからいつでも行けるよ」
アモンもしっかりと与えられた仕事をこなして保存食をせっせと作っていたようだ
主に干し肉だが、もともとそう言ったものを作ったことのあるアモンにとっては簡単な作業だった
そもそも彼の能力を使えばそう言った作業も一瞬で終わるのだが、アモンは能力を使わずに作ることにこだわっていた
旅立つ準備が終わるとまたあの時の用量で次元の扉を開いた
そしてくぐる順番も同じ
アモンがしんがりを務めて扉をしめた
今度の世界にはどうやら知的生命体がいるようで、街がすでに目の前にあった。というより街のど真ん中に出てきてしまった
「まずっ、注目されちゃうんじゃ」
レノンナが慌てているとそこに警備のような制服を着た二人組の男が走ってきた
「こらこら君たち! 街中での転移はあぶないだろ!」
男たちは一番年を取っているように見えたエーテの前に立った
「ほらそこの保護者さん? 何か個人の証明ができるものは?」
「いやぁそう言われても持ってないわねぇ。失敬失敬」
「はぁ、そうか、まあ初めてみたいだから今回は見逃すけど、次はないからね!」
そう言って厳重注意をすると男たちはどこかへと戻って行った
「ここ、どうやら転移が普通にできる世界みたいだねぇ。それにほら見てみなさいよ。あれも、あれもあれもあれもこれもどれもそれも、発展しているねぇ」
空を飛ぶ車のような円盤型の乗り物、ボックス型の建物に入っては消え、またいきなり現れる人たち、ホログラムのようなものが表示される携帯の小さな端末
高層ビルはなく、建物は二階建てが多いのだが、それはどうやら地下に施設があるかららしい
五人はそれぞれが興味津々で街を見て回ることにした
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