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新世界より6

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 水は無事流れ始めたのか、村人たちは井戸の周りに集まって私達の帰りを待ってた
 水が出たことで村人たちは口々に感謝の言葉を継げてくれる
 そしてそのまま歓迎会のように私達を食事に招待してくれた
 切羽詰まっていたでしょうに、私達は断ったんだけどどうしてもと引き留められて招待に預かった
 料理は保存食をふんだんに使った野菜料理屋干し肉料理で、特に干し肉料理は干してたぶんうまみが凝縮されててすごくおいしかったわ
 でもこんなに食料を使って大丈夫なのかしら?って思ってたら、どうやら村の若い人たちが村に戻ってきたおかげで食料の確保ができたみたい
 これだけの料理をふるまっても半年以上の備蓄ができたから大丈夫って村長さんが言ってるわ
 それならと私達も遠慮なく食べさせてもらったってわけ
「これ美味しいですね。何のお肉なのでしょう?」
 リィリアちゃんは何かの干し肉をハムハムと噛みながら聞いた
「ああ、それはこの辺りに生息するレッドトードという蛙の肉です」
「なるほど、蛙ですか、干すことでここまで熟成された風味を醸し出すとは、中々侮れませんね」
 蛙かぁ、私も旅をしてた頃は食べたことあるから問題なく食べれてるけど、何やらアスティラちゃんの方は顔が青ざめてる
「す、すみません、私蛙は食べたことが無かったもので・・・。で、でも大丈夫です! 味は鳥肉のようですしすごくおいしいですよ!」
 そう言ってムシャムシャと食べ始めた
「ハハハ、都会の方には蛙肉は少しハードルが高かったですかな? いや失敬、馬鹿にしたわけではないのですが、この辺りには蛙を普通に食べる習慣がありまして、特にこのレッドトードの肉は祝いの日などにふるまわれるのですよ」
 アスティラちゃんはそれを聞いてニコリと微笑んでまた食べ始めた
 一度食べたら気にならなくなったのか、おいしそうに食べてる
 村長さんも嬉しそう
 ご飯を食べ終えるとすっかり日も暮れてて、村長さんが用意してくれた家に泊まることになった
 特に敵と戦ったわけじゃないから疲れては無いけど、ご厚意に甘えさせてもらって就寝したわ

 そして夜も更けて行って、翌朝
 大きな力の流れを察知した私は慌てて起きあがり、外に出た
 すると大きな太陽のような大きく熱い何かが上空に浮かんでいるのが見えた
 それはゆっくりとどこかに落ちているようで、私達は慌ててその熱い何かに向かったとんだ
 天使二人が一気に翼を広げたことで村人たちはかなり驚いていたけど、それは今は気にせずとにかく急ぐ
 あんなものが地面に落ちればこの辺り一帯が酷いことになるのは間違いない
 すぐにアスティラちゃんとリィリアちゃんに結界を張ってもらって、これを破壊したときに飛び散っても大丈夫なように慎重に砕いた
 結構危なかったけどなんとか間に合ったわ
 全くこんなもの落とそうとするなんて、一体どんな馬鹿よ
 そう思って今これが浮かんでいた所の少し上を見上げる
 そこには目が虚ろな少女がフワフワと浮かんでいた
「あんた一体どういうつもり? 大勢が死んでたかもしれないのよ!」
 怒って怒鳴ったけど、少女はまるで何も反応せずにこちらを一瞥すると再びあの巨大な炎の塊を召喚した
「リィリアちゃんアスティラちゃん!」
「「はい!」」
 再び結界を張ってもらうと破壊の力で炎を破壊した
 なんてこと、今の少女の攻撃でわかったんだけど、これただの魔法だわ
 しかも神の力に匹敵するほどの下級魔法
 じゃあ上級魔法を撃たれたら?
 うかうかしていられないわ
「二人とも下がってなさい!」
 これから使う力は周囲にも被害を及ぼすため二人には村に戻ってもらった
 一言言っただけだけど二人は意図を理解して急いで離れてくれる
「行くわよ、概念の破壊!」
 パキンと周囲に音が響き、この辺り一帯の概念が崩れ去った
 私が破壊した概念は魔法
 今私と少女の周囲はまったく魔法が使えない状態
 つまり少女は魔法という補助を失ってそのまま落ちて行った
 相変わらず表情はまったく崩れずそのまま少女は落下していく
 私はその少女をキャッチしてその顔を見た
 どうやら操られているようで目に光がない
「はぁ、しょうがないわね。少し頭が痛いけど我慢しなさい」
 私は少女の頭に手を置くと洗脳という概念を破壊
 これで少女の洗脳は解けたはずだわ
「う、ううん・・・。え?え? ここ、どこ? ええええ私何でこんな空中に! あなた誰!?」
「混乱してるのね可哀そうに。あなた自分の名前は分かる? 洗脳されていたことは? 洗脳前に何をしていたかは覚えてる?」
「え、えっと、えっと、その、名前はラナで、えっとその、あれ? 私確か何かと戦ってたはずなのに」
 とりあえず彼女を落ち着かせるために私は一緒に村に戻った
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