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イレギュラーメルカの冒険2

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 世界ってなんて広くて綺麗なのかしら
 一つ一つが宝石のように輝いているわ
 今いるこの世界はたくさんの人種がいて、仲良く暮らしてるみたい
 魔族は、いないのね
 科学が発展した国で、自然と調和がなされている綺麗な世界
 中心となってるのはエルフたちかしら。若干エルフの数が多いわね
 私は能力を使って世界の情勢を見てみた
 一気に情報が流れ込んでくるけど、私の頭なら十分に対処可能
 普通の人間がこれをやったら多分脳がオーバーヒートを起こして一気に壊れちゃうはず
 何せ世界中の人々の考えやら思い出やらまでが流れ込んでくるもの
 変な思い出やら気持ちの悪い思いやらも入ってくるけど、それは脳内でシャットダウン
 始めのうちはそれもできなかったから苦労したんだけどね
 で、案の定この世界はエルフの女王が管理してる世界で、国はたった一つ
 統一国家レイヴァーノ
 自然と人々が共存して暮らし、さらには人間族の技術者によって化学も発展してる世界
 しかもこの科学がすごいのなんのって、発展している割に自然に全く影響を与えてなくて、むしろ調和がとれて自然が生き生きしてる
 素晴らしい世界だわ
 ウキウキしながら街を見て回ってると突然大きな爆炎が上がって悲鳴が起こった
 おかしい、私の能力で危険が察知できてないなんてどういうことなのかしら
 急いでその爆炎が上がった方向へ向かうと数人の男女が高笑いしながら人々を殺していた
 殺していたの、私の目の前で
 死してすぐならまだ、大丈夫!
 私は急いで倒れ、死にゆく人たちに力を使った
「早くしなきゃ!」
 死んだ人たちを一瞬で一か所に並べると一気に蘇らせて結界を張った
「なに、こいつ、せっかくあたしらが殺した獲物を何蘇らせてくれちゃってんの」
 人々を殺していたやつらのうちの女が私の前に立った
「なーんか嫌な目つきね。生意気、殺すわ、いいでしょジエン」
「いや、そいつの能力は仕えるかもしれん、連れて帰るから半殺し程度にしておけ」
「めんどくさいわね」
 そいつらは私を取り囲んでそれぞれの能力を発揮した
「回復能力しか使えないなら楽でいいじゃん。とっとと縛って連れて、ブギャァ!!」
 とりあえず一番腹が立った奴から殴っておいた
 ほんの少し撫でた程度だったけど、あんなに吹っ飛んでいくとは思わなかったわ
 まぁ多分死んでないでしょう
「馬鹿な、ラペルが一撃だと!?」
 かなり驚いたみたい。一斉に襲い掛かって来たわ
「空間切除!」
「オーバーレイ!」
「腐撃!」
 残る三人が能力を使ってきたけど、それらすべては私に全く効かない
 全てを受けてなおぴんぴんしている私に三人はさらに驚愕の表情を浮かべてる
「嘘でしょ、なんで私の力喰らって手足がもげてないのよ!」
「それは、あなたの力があまりにも弱いからですね」
 女の背後に回り込むと背中を思いっきり蹴り上げた
 メキメキと音が鳴って背骨が折れる
 動けなくなるけど死にはしない程度の攻撃ね
 次に残り二人の男の手足の骨を粉々に砕いておいた
 力なんて使わなくてもこのくらいはできるわ
「さてと、さっきの男も回収しておいて」
 全員気絶してるから自分達で元居た世界には帰れないでしょう
 私の優しさね。元の世界に返してあげる
 空間を切り裂いて扉を作るとそこに放り投げておいた
 とはいっても普通に狭間の世界に放り投げたら死んじゃうだろうから、ちゃんとこの子たちが来たと思われる世界に投げて置いたわ
「ふぅ、えっと、もう死んでる人はいないわね」
 蘇らせた人達を包んでいた結界を解くと私はすぐにその場を去った
 何せたくさんの人達が私に向かってきて喜びを伝えようとしてくるんだもの
 嬉しいけど長くなりそうだからしょうがないわよね
 そのままこの世界の別の場所に行ってみることにした
 エルフの女王がいる場所ね
 でも座標を見誤ったわ。まさかその女王の目の前に出ちゃうなんて
「あらぁ、あなたは誰かしらぁ」
「え、えっとごめんなさい。急に現れちゃって」
「いいのよぉ、あなた、さっきこの世界の危機を救ってくれたでしょぉ」
「え、なんで知ってるんですか?」
「わたくしの目はぁ、特別製でこの世界で起こることを見ることができるのですぅ」
 なるほど、それで私がさっきの異世界人を倒したことを知ってたのね
「歓迎しますぅ。どうぞゆっくりしていってくださいねぇ」
 そう言えば突然現れたって言うのに周りの護衛エルフたちはまったく騒いでない
 聞いてみたら私が来る前にすでにここに私が来るってことを察知して護衛たちに言ってたみたい
 それでみんな落ち着いてたのね
 ああなんて素晴らしいのかしら。この世界の女王は母の愛に満ちているわ
 国民すべてを愛している立派な方
 その日はたくさんの人達に囲まれて歓迎されてお話をして、とても楽しく過ごせたわ
 こんな世界ばかりならいいのに
 そして私はもうあんな異世界人が来れないようにかなり大掛かりな結界を施して、悪意ある者が外から来れないようにしておいた
 それにしてもなんで私の力があったのにあの異世界人たちが来ることが分からなかったのかしら
 この謎は早いうちに解いた方が良さそうね
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