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オーク族の国1
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蟲人族の国を後にしてからちょうど一日後、僕たちはオーク族の国がある、木々の少ない岩肌まみれの山の頂上付近に来ていた
「この辺りと聞いたのですが・・・。ん? 人の気配がしますね」
クロハさんが周囲を調べていると周りを囲まれる気配がした
オーク、にしては体が小さい気がする
そして岩の影からたくさんの人間が飛び出してきた
どう見ても盗賊だ
「まさか若い女がこんなところを歩いてるとは思わなかったぜ。おい野郎ども! 今日は楽しめそうだぞ!」
「何でこんなとこに人間の盗賊が?」
「分かりませんが、ハクラを見るいやらしい目つきが気にくわないですね。殺しましょう」
「お、お姉ちゃん、殺しちゃだめだよ。こういう悪い人達はちゃんと反省させないと」
二人の話を聞いて男たちはキレた
「生意気なガキどもが! 分からせてやる!」
一斉にかかってくるけど、僕らを捕まえるにはあまりにも実力がお粗末
クロハさんの呪いで動けなくされてあっけなく捕縛された
「くそ! 何なんだこれ。なんでこんな小娘どもがこんなに強いんだ!」
盗賊の皆さんは口々にギャーギャー言ってるけど、そのまま手紙をつけて人間族の国に転移で送っておいた
あとは人間が何とかしてくれるでしょ
盗賊たちの話を聞くに、この辺りは今の盗賊たちが先祖代々受け継いできた略奪地らしくて、その悪行を全部この先に住むオークたちのせいにしてたらしい
ということはだよ。今までオークが悪く言われてたのってさっきの奴らのせいってわけだ
手紙にもその旨を書いておいたから、オーク族も見直されると思う
それにしてもオーク族はなんであの盗賊たちを野放しにしてたんだろう? 自分達の評判が悪くなるって言うのに
「行ってみれば分かりますって! さぁ行きましょう精霊様!」
ハクラちゃんもそう言うことだし、僕らは頂上を目指して歩き出した
頂上までは少し遠かったけど、時間にはまだ余裕がある
オークのみんなにお土産として山に生えてた山菜を積んでからようやく到着
木で出来た門をくぐるとたくさんのオークたちが暮らす集落のような国だった
「なっ! 誰ですかあなた達は! ここはオーク族の国です! へ、平和に暮らしてるだけです! た、立ち去ってくださいぃいいい、うえええん」
入口付近にいたオーク族のお姉さんが泣いた
あれ? 猪耳の獣人? オークって猪の顔を持ってるって聞いてたんだけど・・・
「あの、驚かせてすみません。僕は精霊王女の・・・。ねえクロハさん、僕って精霊神って名乗った方がいいのかな?」
「いえ、馴染みない言葉ですので普通に精霊王女でよいかと」
「そうだよね・・・。ごめんね。僕は精霊王女のリディエラ。ここで問題が起きそうだから来たんだけど、国王はいるかな?」
「せ、精霊様!? うええええん、この国にもようやく精霊様の加護がぁあああん」
また泣きだしちゃった。どうやらこの人は泣き虫みたいだ
「王様はいませぇええん。私がこの国の代表ですぅううう」
「「え!?」」
僕達三人は見事にハモった
「えっと、あなたがここの代表、王ってことですか?」
「そうなりますぅうう。ぐすん、私、ハイオークのエニミと申しますぅうう。うえええん」
その鳴き声を聞いて周りにオークたちが集まって来た
彼らの中には獣人に近い人たちもいれば猪の頭を持った人たちもいる
どうやら獣人のような人たちがハイオークで、猪みたいな人達が通常のオークらしい
「エニミ様! 大丈夫ですか! その者たちがエニミ様をいじめたのですね! 許せません!」
盛大に勘違いされてる
「違いますぅうう。この方たちは精霊様ですぅううううええええええん」
なんでもっと泣いたんだ
でもその説明のおかげでオークたちは警戒を解いてくれた
「なんと精霊様が! これでこの国もようやく豊かに・・・。」
「うん、加護は後で振りまくから、今この国を襲おうとしてる危機について説明しておくね」
僕はここに来た理由を説明した
彼らはそれを真剣に聞いてくれてる
「そ、そんな、そのように危険なものがグリンブルスティ様を狙っているのですか!? エニミ様、一大事でございますよ!」
「ぐすんぐすん。グリンブルスティは私のおじいちゃんですぅ。もうかなり力も衰えてて、もしそのように暴走させられたら・・・。うえええええええん!!」
「エニミ様、落ち着いてください。そのようなことにならないよう精霊様とそのお付きの方々が来てくださったのですから」
「そうですよね。ぐすぐす。精霊様、どうかこの国をクスン。よろしくお願いします」
ホントに泣き虫な人だ。でもこの人がグリンブルスティの孫娘ならすぐに話は聞いてくれそうだね
そんなわけでグリンブルスティに会うためエニミさんに案内を頼んだ
とはいってもこの集落の少し奥に普通にいるらしいんだけどね
そう言えば盗賊を何で野放しにしてたのか聞いたら、どうやら彼らはオークを襲う人族の抑止力になってたらしい
オークは悪い者としてたまに勘違いした応研社がオークに危害を加えて来てたそうなんだけど
盗賊たちがあの辺りを縄張りにしてからオークは怖いと思われ、ここの平和が保たれていたみたいだ
でも今後は精霊達がそういった人族から守るから、盗賊はもう必要ないね
なんだかんだ略奪は悪いことだしね
「この辺りと聞いたのですが・・・。ん? 人の気配がしますね」
クロハさんが周囲を調べていると周りを囲まれる気配がした
オーク、にしては体が小さい気がする
そして岩の影からたくさんの人間が飛び出してきた
どう見ても盗賊だ
「まさか若い女がこんなところを歩いてるとは思わなかったぜ。おい野郎ども! 今日は楽しめそうだぞ!」
「何でこんなとこに人間の盗賊が?」
「分かりませんが、ハクラを見るいやらしい目つきが気にくわないですね。殺しましょう」
「お、お姉ちゃん、殺しちゃだめだよ。こういう悪い人達はちゃんと反省させないと」
二人の話を聞いて男たちはキレた
「生意気なガキどもが! 分からせてやる!」
一斉にかかってくるけど、僕らを捕まえるにはあまりにも実力がお粗末
クロハさんの呪いで動けなくされてあっけなく捕縛された
「くそ! 何なんだこれ。なんでこんな小娘どもがこんなに強いんだ!」
盗賊の皆さんは口々にギャーギャー言ってるけど、そのまま手紙をつけて人間族の国に転移で送っておいた
あとは人間が何とかしてくれるでしょ
盗賊たちの話を聞くに、この辺りは今の盗賊たちが先祖代々受け継いできた略奪地らしくて、その悪行を全部この先に住むオークたちのせいにしてたらしい
ということはだよ。今までオークが悪く言われてたのってさっきの奴らのせいってわけだ
手紙にもその旨を書いておいたから、オーク族も見直されると思う
それにしてもオーク族はなんであの盗賊たちを野放しにしてたんだろう? 自分達の評判が悪くなるって言うのに
「行ってみれば分かりますって! さぁ行きましょう精霊様!」
ハクラちゃんもそう言うことだし、僕らは頂上を目指して歩き出した
頂上までは少し遠かったけど、時間にはまだ余裕がある
オークのみんなにお土産として山に生えてた山菜を積んでからようやく到着
木で出来た門をくぐるとたくさんのオークたちが暮らす集落のような国だった
「なっ! 誰ですかあなた達は! ここはオーク族の国です! へ、平和に暮らしてるだけです! た、立ち去ってくださいぃいいい、うえええん」
入口付近にいたオーク族のお姉さんが泣いた
あれ? 猪耳の獣人? オークって猪の顔を持ってるって聞いてたんだけど・・・
「あの、驚かせてすみません。僕は精霊王女の・・・。ねえクロハさん、僕って精霊神って名乗った方がいいのかな?」
「いえ、馴染みない言葉ですので普通に精霊王女でよいかと」
「そうだよね・・・。ごめんね。僕は精霊王女のリディエラ。ここで問題が起きそうだから来たんだけど、国王はいるかな?」
「せ、精霊様!? うええええん、この国にもようやく精霊様の加護がぁあああん」
また泣きだしちゃった。どうやらこの人は泣き虫みたいだ
「王様はいませぇええん。私がこの国の代表ですぅううう」
「「え!?」」
僕達三人は見事にハモった
「えっと、あなたがここの代表、王ってことですか?」
「そうなりますぅうう。ぐすん、私、ハイオークのエニミと申しますぅうう。うえええん」
その鳴き声を聞いて周りにオークたちが集まって来た
彼らの中には獣人に近い人たちもいれば猪の頭を持った人たちもいる
どうやら獣人のような人たちがハイオークで、猪みたいな人達が通常のオークらしい
「エニミ様! 大丈夫ですか! その者たちがエニミ様をいじめたのですね! 許せません!」
盛大に勘違いされてる
「違いますぅうう。この方たちは精霊様ですぅううううええええええん」
なんでもっと泣いたんだ
でもその説明のおかげでオークたちは警戒を解いてくれた
「なんと精霊様が! これでこの国もようやく豊かに・・・。」
「うん、加護は後で振りまくから、今この国を襲おうとしてる危機について説明しておくね」
僕はここに来た理由を説明した
彼らはそれを真剣に聞いてくれてる
「そ、そんな、そのように危険なものがグリンブルスティ様を狙っているのですか!? エニミ様、一大事でございますよ!」
「ぐすんぐすん。グリンブルスティは私のおじいちゃんですぅ。もうかなり力も衰えてて、もしそのように暴走させられたら・・・。うえええええええん!!」
「エニミ様、落ち着いてください。そのようなことにならないよう精霊様とそのお付きの方々が来てくださったのですから」
「そうですよね。ぐすぐす。精霊様、どうかこの国をクスン。よろしくお願いします」
ホントに泣き虫な人だ。でもこの人がグリンブルスティの孫娘ならすぐに話は聞いてくれそうだね
そんなわけでグリンブルスティに会うためエニミさんに案内を頼んだ
とはいってもこの集落の少し奥に普通にいるらしいんだけどね
そう言えば盗賊を何で野放しにしてたのか聞いたら、どうやら彼らはオークを襲う人族の抑止力になってたらしい
オークは悪い者としてたまに勘違いした応研社がオークに危害を加えて来てたそうなんだけど
盗賊たちがあの辺りを縄張りにしてからオークは怖いと思われ、ここの平和が保たれていたみたいだ
でも今後は精霊達がそういった人族から守るから、盗賊はもう必要ないね
なんだかんだ略奪は悪いことだしね
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