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魔族国再び4
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しばらく魔族国での観光を楽しんでいると、キーラちゃんの元に驚く知らせが舞い込んだ
あの勇者アイシスが大けがを負って戻って来たというのだ
アイシスは冗談抜きでこの世界でもかなり強者の部類に入る
今のハクラちゃんやクロハさんには及ばないけど、それでも上位精霊並みには強い
それも勇者の力を失っているにもかかわらずだ
そんな彼女が大けがを負うほどの存在がこの世界にまだ残ってる?
神話級の化け物がいる場所はカイトさんが見張ってるはずだし、様々な魔物を甦らせて襲わせていた生き人形はもういない・・・。いや待てよ、確かあの生き人形の目撃証言で一つ食い違いがあるんだった
目撃されていたのは小さな少女、つまりこの前倒された少女型生き人形と、もう一人、肌の黒い男だった
つまり少女型と一緒に倒した長身の女性型生き人形は目撃されていない
そう、男の方はまだ残ってるってことだ
「アイシスに会わせて」
僕はすぐに魔王城に戻ってアイシスを見舞った
すでにキーラちゃんが泣きながらアイシスの横に付いている
でもアイシスは思った以上に元気そうでちょっと安心したよ
「いやぁまさかあんな強い男がまだいたなんてな。神話級の化け物を甦らそうとしてたところを何とか食い止めたんだけどよ。この通り、片腕を失っちまった」
アイシスの右腕の肘から先が無い
それを見てキーラちゃんは余計に泣き始めた
「ほらキーラ、精霊様とアイシスはお話があるので少し向こうへ行っておきましょう」
「ぐすっ、うん・・・」
泣きじゃくって子供のようだけど、彼女はこれでも魔王だから、グッと涙をこらえて部屋を出た
「で、アイシス、その男ってどんな感じだった」
「ああ、あれはこの世界のもんじゃないな。カイトとかと同じ雰囲気だった」
「もしかして、人間の原種の黄金人とか?」
「どうだろうな。だが俺は決して油断はしてなかった。それなのにこのざまだ。いいかリディエラ、あいつはカイトと同じような力を使っていた。こっちが魔法やらスキルを使う前に描き消しちまうんだ。あれじゃあ何もできない。俺がただの女の子になっちまうくらいだからな」
最後のただの女の子っていうところはアイシスが心配させまいと冗談めかしく言ったんだろう
でもそうか、カイトさんと同じような力・・・
カイトさんの力は概念の破壊と言って、相手の攻撃やら行動原理、存在理由などあらゆる概念を砕く
ただカイトさんはかなり優しい人だから、相手の攻撃を破壊して防ぐくらいしかしてないけどね
でもそんな力を悪いやつが使うとしたらそれは恐ろしいことだ
あ、でもアイシスは殺されてはいなかった
ということはカイトさんの力ほど強力じゃないのかもしれない
「よし、僕がそいつを何とかする。因縁もあるしね」
「私も行きます!」
「ええ、私達姉妹も精霊様をお守りします」
この二人が一緒に来てくれるなら心強い。何せ鬼神はとにかく強い
多分もうカイトさんよりも強いと思うんだ
アイシスもそれを聞いて安心して僕を送り出してくれた
「あ、そうだ、今治すね」
僕はアイシスの無くなった腕に治癒魔法をかけた
すでに欠損程度なら簡単に治せるようになってるからね
「お、ありがとな! 女王様に直してもらおうと思ったけど、リディエラもできるようになってたんだな」
「まぁ長いこと会ってなかったからね。これでも僕成長したからね」
「それは見ればわかるさ。胸もでっかくなってるしな。女王様に似てきたんじゃないか?」
「ちょ、どこ見て言ってるの!」
「ハハハ、まあなんだ、お前なら大丈夫だと思うが気をつけろ。力を封じられたらお前でも危ないだろう」
「うん、気を付ける」
まだ体力の回復していないアイシスを残して、キーラちゃんに治療できたことを言ってから僕らはアイシスが敵と遭遇したというドワーフの国へと飛んだ
あの勇者アイシスが大けがを負って戻って来たというのだ
アイシスは冗談抜きでこの世界でもかなり強者の部類に入る
今のハクラちゃんやクロハさんには及ばないけど、それでも上位精霊並みには強い
それも勇者の力を失っているにもかかわらずだ
そんな彼女が大けがを負うほどの存在がこの世界にまだ残ってる?
神話級の化け物がいる場所はカイトさんが見張ってるはずだし、様々な魔物を甦らせて襲わせていた生き人形はもういない・・・。いや待てよ、確かあの生き人形の目撃証言で一つ食い違いがあるんだった
目撃されていたのは小さな少女、つまりこの前倒された少女型生き人形と、もう一人、肌の黒い男だった
つまり少女型と一緒に倒した長身の女性型生き人形は目撃されていない
そう、男の方はまだ残ってるってことだ
「アイシスに会わせて」
僕はすぐに魔王城に戻ってアイシスを見舞った
すでにキーラちゃんが泣きながらアイシスの横に付いている
でもアイシスは思った以上に元気そうでちょっと安心したよ
「いやぁまさかあんな強い男がまだいたなんてな。神話級の化け物を甦らそうとしてたところを何とか食い止めたんだけどよ。この通り、片腕を失っちまった」
アイシスの右腕の肘から先が無い
それを見てキーラちゃんは余計に泣き始めた
「ほらキーラ、精霊様とアイシスはお話があるので少し向こうへ行っておきましょう」
「ぐすっ、うん・・・」
泣きじゃくって子供のようだけど、彼女はこれでも魔王だから、グッと涙をこらえて部屋を出た
「で、アイシス、その男ってどんな感じだった」
「ああ、あれはこの世界のもんじゃないな。カイトとかと同じ雰囲気だった」
「もしかして、人間の原種の黄金人とか?」
「どうだろうな。だが俺は決して油断はしてなかった。それなのにこのざまだ。いいかリディエラ、あいつはカイトと同じような力を使っていた。こっちが魔法やらスキルを使う前に描き消しちまうんだ。あれじゃあ何もできない。俺がただの女の子になっちまうくらいだからな」
最後のただの女の子っていうところはアイシスが心配させまいと冗談めかしく言ったんだろう
でもそうか、カイトさんと同じような力・・・
カイトさんの力は概念の破壊と言って、相手の攻撃やら行動原理、存在理由などあらゆる概念を砕く
ただカイトさんはかなり優しい人だから、相手の攻撃を破壊して防ぐくらいしかしてないけどね
でもそんな力を悪いやつが使うとしたらそれは恐ろしいことだ
あ、でもアイシスは殺されてはいなかった
ということはカイトさんの力ほど強力じゃないのかもしれない
「よし、僕がそいつを何とかする。因縁もあるしね」
「私も行きます!」
「ええ、私達姉妹も精霊様をお守りします」
この二人が一緒に来てくれるなら心強い。何せ鬼神はとにかく強い
多分もうカイトさんよりも強いと思うんだ
アイシスもそれを聞いて安心して僕を送り出してくれた
「あ、そうだ、今治すね」
僕はアイシスの無くなった腕に治癒魔法をかけた
すでに欠損程度なら簡単に治せるようになってるからね
「お、ありがとな! 女王様に直してもらおうと思ったけど、リディエラもできるようになってたんだな」
「まぁ長いこと会ってなかったからね。これでも僕成長したからね」
「それは見ればわかるさ。胸もでっかくなってるしな。女王様に似てきたんじゃないか?」
「ちょ、どこ見て言ってるの!」
「ハハハ、まあなんだ、お前なら大丈夫だと思うが気をつけろ。力を封じられたらお前でも危ないだろう」
「うん、気を付ける」
まだ体力の回復していないアイシスを残して、キーラちゃんに治療できたことを言ってから僕らはアイシスが敵と遭遇したというドワーフの国へと飛んだ
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