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妖怪族の国再び1
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翼人族の国から妖怪族の国までは転移用装置を使って一瞬だった
着実に黒族の技術提供が様々な国に進んで行ってる
ゆっくりとだけど発展していくのはいいことだと思います
それに黒族は自然にちゃんと配慮してくれているから、エネルギーにしても循環できるよう魔力や気力といった自然にあるエネルギーを使ってるんだよね
そのおかげで僕達精霊も安心安全というわけだ
「精霊様、転移装置での転移だけはまだ慣れませんねぇ」
「ねー、ちょっと頭がクラクラするからね」
「はい、うう」
転移装置のある地下から階段を上って上に出るとすぐにクノエちゃんと妖怪族女王のタマモさん、それからクノエちゃんの付き人カンナさんが出迎えてくれた
「精霊様、お久しぶりでございます」
「お久しぶりです!」
クノエちゃんは相変わらず元気だけど、成長が早いのかなんだか胸が前に見たときよりもたわわに実ってる気がする
いや実ってるね実際
「久しぶり、タマモさん、クノエちゃん」
優しく笑うタマモさんと、僕に抱き着いてくるクノエちゃん
ポヨンと胸が当たる
嬉しそうに尻尾を振ってるけど、その尻尾も数が増えたみたい
これが九本になればクノエちゃんも一人前の九尾族らしい
「お話はレコ様とポコ様に聞いております。秘迷宮で修業するそうですね」
「はい、僕とこのハクラちゃんが」
「まぁ! 妖力の流れから分かってはいましたがやはりハクラ姫なのですね?」
「お久しぶりですタマモ陛下」
「まぁまぁ、力は増しているようですが、その姿は一体」
「実は神力を使いすぎて、しばらく元に戻れそうにないのです。まぁそこまで不自由はしてませんから大丈夫ですよ」
「そうですか、体には異常がなさそうなのでよかったです」
「まぁいずれ元には戻ると思います」
ハクラちゃんはあれからずっと少女の姿のままで、僕の妹みたいなんだよね
可愛いからいいけどね
もうしばらくこのままでいて欲しいと思ってるのは内緒
はぁ、甘やかして育てたい
今ならクロハさんの気持ちがちょっとだけ分かる気がするよ
「ではこちらへ。まずは少しお話でもしましょう。お茶でも飲みながら」
「はい、ありがとうございます」
タマモさんが案内してくれたのは城の中にある来客用の部屋で、高そうな壺や綺麗な装飾がされたいすや机なんかが置かれてた
椅子はフカフカで気持ちいい
「カンナ、お茶をお願いね」
「はいタマモ様!」
「さて精霊様、レコ様から伝言があります。『この試練を終えたとき、あなたは新たな力を手にいれるでしょう』とのことです」
「新しい力ですか?」
「詳しいことは分かりませんが、レコ様はそうおっしゃっていました」
なんだろう、もうこれ以上の新しい力なんてあるのかなって思ったけど、僕が強くなれるなら望むところだね
「お茶の用意ができました」
「ありがとうカンナ、あなたもこちらに来て座りなさい」
「ほらカンナ、こっちに座って」
クノエちゃんに呼ばれてその横に座るカンナさん
こうして見ると姉妹みたいだ
カンナさんがお茶を注いで行ってクノエちゃんが配ってくれる
それと一緒にお茶菓子も用意してくれた
お茶菓子は和菓子で、とてもきれいな花の形をしてる
甘さ控えめで美味しいしお茶とよく合う
「そういえばハクラ姫、お姉さんのクロハ姫は御一緒ではないのですか?」
「あ、はい、おねえちゃ、姉は鬼ヶ島で部下の訓練をしています」
「そうですか、いつも一緒で片時も離れなかった二人が、フフ、成長したのですね」
成長、成長かぁ、うーん、クロハさん血の涙を流してハクラちゃんを見送ってたしなぁ
でも今までだったら有無を言わさずついて来てただろうし、成長したと言えば成長したのかも
それにハクラちゃんもお姉さんに頼らずに自分で考えてちゃんと行動できるようになってる
まぁ今のハクラちゃんの姿を見たらクロハさんまたブレーキが外れて暴走しそうだけどね
お茶も飲み終わってタマモさんが早速秘迷宮“狐狸の浄園”まで案内してくれた
そこは城から少し離れた民家のない広場にあって、立ち入り禁止になってる場所だった
「挑戦者は一応各族長の許可がいるのですが、今回は神様からの指示でもありますので省略し、わたくしの許可のみで入れるようになっております」
「なるほど、ありがとうございますタマモさん」
タマモさんはニコリと微笑んで広場にドデンと置かれた大きな扉に手を触れる
少し間があって扉が稼働し、ゴゴゴと大きな音をたてながら開いた
中を覗くと真っ暗
この中を進むのはちょっと怖いかも
「では精霊様、お気をつけて」
「行ってきます」
ハクラちゃんとゆっくり足を踏み出すと、暗闇に炎が灯った
炎は足を進めるごとに広がって行って、道が明るく照らされる
ここではレコ様とポコ様の力で死んでも最初からやり直せる仕様になってるみたいだ
とにかくクリアしてほしいってことなんだろうね
よし、神様の期待に応えるためにも絶対クリアしよう
着実に黒族の技術提供が様々な国に進んで行ってる
ゆっくりとだけど発展していくのはいいことだと思います
それに黒族は自然にちゃんと配慮してくれているから、エネルギーにしても循環できるよう魔力や気力といった自然にあるエネルギーを使ってるんだよね
そのおかげで僕達精霊も安心安全というわけだ
「精霊様、転移装置での転移だけはまだ慣れませんねぇ」
「ねー、ちょっと頭がクラクラするからね」
「はい、うう」
転移装置のある地下から階段を上って上に出るとすぐにクノエちゃんと妖怪族女王のタマモさん、それからクノエちゃんの付き人カンナさんが出迎えてくれた
「精霊様、お久しぶりでございます」
「お久しぶりです!」
クノエちゃんは相変わらず元気だけど、成長が早いのかなんだか胸が前に見たときよりもたわわに実ってる気がする
いや実ってるね実際
「久しぶり、タマモさん、クノエちゃん」
優しく笑うタマモさんと、僕に抱き着いてくるクノエちゃん
ポヨンと胸が当たる
嬉しそうに尻尾を振ってるけど、その尻尾も数が増えたみたい
これが九本になればクノエちゃんも一人前の九尾族らしい
「お話はレコ様とポコ様に聞いております。秘迷宮で修業するそうですね」
「はい、僕とこのハクラちゃんが」
「まぁ! 妖力の流れから分かってはいましたがやはりハクラ姫なのですね?」
「お久しぶりですタマモ陛下」
「まぁまぁ、力は増しているようですが、その姿は一体」
「実は神力を使いすぎて、しばらく元に戻れそうにないのです。まぁそこまで不自由はしてませんから大丈夫ですよ」
「そうですか、体には異常がなさそうなのでよかったです」
「まぁいずれ元には戻ると思います」
ハクラちゃんはあれからずっと少女の姿のままで、僕の妹みたいなんだよね
可愛いからいいけどね
もうしばらくこのままでいて欲しいと思ってるのは内緒
はぁ、甘やかして育てたい
今ならクロハさんの気持ちがちょっとだけ分かる気がするよ
「ではこちらへ。まずは少しお話でもしましょう。お茶でも飲みながら」
「はい、ありがとうございます」
タマモさんが案内してくれたのは城の中にある来客用の部屋で、高そうな壺や綺麗な装飾がされたいすや机なんかが置かれてた
椅子はフカフカで気持ちいい
「カンナ、お茶をお願いね」
「はいタマモ様!」
「さて精霊様、レコ様から伝言があります。『この試練を終えたとき、あなたは新たな力を手にいれるでしょう』とのことです」
「新しい力ですか?」
「詳しいことは分かりませんが、レコ様はそうおっしゃっていました」
なんだろう、もうこれ以上の新しい力なんてあるのかなって思ったけど、僕が強くなれるなら望むところだね
「お茶の用意ができました」
「ありがとうカンナ、あなたもこちらに来て座りなさい」
「ほらカンナ、こっちに座って」
クノエちゃんに呼ばれてその横に座るカンナさん
こうして見ると姉妹みたいだ
カンナさんがお茶を注いで行ってクノエちゃんが配ってくれる
それと一緒にお茶菓子も用意してくれた
お茶菓子は和菓子で、とてもきれいな花の形をしてる
甘さ控えめで美味しいしお茶とよく合う
「そういえばハクラ姫、お姉さんのクロハ姫は御一緒ではないのですか?」
「あ、はい、おねえちゃ、姉は鬼ヶ島で部下の訓練をしています」
「そうですか、いつも一緒で片時も離れなかった二人が、フフ、成長したのですね」
成長、成長かぁ、うーん、クロハさん血の涙を流してハクラちゃんを見送ってたしなぁ
でも今までだったら有無を言わさずついて来てただろうし、成長したと言えば成長したのかも
それにハクラちゃんもお姉さんに頼らずに自分で考えてちゃんと行動できるようになってる
まぁ今のハクラちゃんの姿を見たらクロハさんまたブレーキが外れて暴走しそうだけどね
お茶も飲み終わってタマモさんが早速秘迷宮“狐狸の浄園”まで案内してくれた
そこは城から少し離れた民家のない広場にあって、立ち入り禁止になってる場所だった
「挑戦者は一応各族長の許可がいるのですが、今回は神様からの指示でもありますので省略し、わたくしの許可のみで入れるようになっております」
「なるほど、ありがとうございますタマモさん」
タマモさんはニコリと微笑んで広場にドデンと置かれた大きな扉に手を触れる
少し間があって扉が稼働し、ゴゴゴと大きな音をたてながら開いた
中を覗くと真っ暗
この中を進むのはちょっと怖いかも
「では精霊様、お気をつけて」
「行ってきます」
ハクラちゃんとゆっくり足を踏み出すと、暗闇に炎が灯った
炎は足を進めるごとに広がって行って、道が明るく照らされる
ここではレコ様とポコ様の力で死んでも最初からやり直せる仕様になってるみたいだ
とにかくクリアしてほしいってことなんだろうね
よし、神様の期待に応えるためにも絶対クリアしよう
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