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猿人族の国14
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「いやぁ頑張ったであるなお前たち」
扉をくぐった瞬間そう声がかけられた
逆光でよく見えなかったけど、次第に目が慣れて見えた姿はボーイッシュな顔に一文字の傷がある女の子だった
短めのショートボブにだるそうに開かれた目、Tシャツにかなり際どいホットパンツを履いていて、胸はペタンコ
一見すると少年みたいだけど、一応、本当に一応胸があるから女の子だと分かった
「あのあなたは? ここでエコ様が待ってると聞いたんですけど」
「な!? 目の前にいるである! ミーがエコであるぞ!」
「そ、そうなんですか!? すみません」
「うむ、分かればいいである。さてリディエラ、ハク・・・。何だハクラは気絶してるであるか。無理に起こすこともないであるからして、あとで伝えておいてほしいである」
「分かりました」
「さてリディエラ、恐怖というのは時に人を脅かし使い物にならなくすることがある。しかしながらそれを克服し、おのれのセンサーとしたときはこれほど頼りになるものはないである。突き詰めればこれはおのずと予知の類となり、やがて動きを読むための力となるである。どうだね? 君は何か掴めたと思うかね?」
「分からないですが、でも恐怖がセンサーになるって言うのはよくわかりました。僕は今まで恐怖をただ恐怖として捉えていたんです。でもここで学びました。恐怖というものを感覚として認識し、センサーにする。エコ様が言わんとしていることの糸口がつかめた気がします」
「うむ、それでいいである。要はその感覚を掴んで欲しかったのであるからして、ミーの目的の一つは成せたのである。それとハクラに伝えることを今から言うである。しっかり心に留めて伝えて欲しいである」
「はい」
エコ様は嬉しそうに僕に語って、それでこの試練を終えた
「よしよしである。次は翼人族の国へ行くといいである。ヤコという鳥神が待ってるのである」
「ヤコ様ですか?」
「うむ、奴は真面目な性格であるからして、そこまで変な試練は与えてこないはずである。気負いせず頑張るであるぞ」
「はい!」
エコ様に見送られながら扉をくぐると外に出た
眠っているハクラちゃんをルカナさんが背負ったままルカナさんの家へと戻る
「姫、目覚めないヨ。だいじょぶかヨ?」
「まぁあれだけ魔力を喪失したからね。三日は目が覚めないかも」
「わかたヨ! 私がしっかり面倒見るヨ! 着替えから下の世話まで!」
「いや下の世話はいらないよ。ハクラちゃん精神生命体だからトイレしないよ?」
「だいじょぶヨぐへへ、任せて欲しネ」
「やっぱり僕も一緒に見るから」
この人に任せてたら危険だと思った
悪い人じゃないんだけど、どうにもこう欲望が前面に出すぎてて危ない
見ておかないと何をするかわかったもんじゃない
そう思ってたけど、案外ちゃんとしてた
「冗談ヨ。私だて寝てる娘襲うほど落ちぶれてないネ」
「起きてたら襲うの?」
「了解得たらいただくネ」
「絶対そうしてね」
まぁこれなら安心かな? 真面目にやってくれてるしね
それから三日が経って、ハクラちゃんは目を覚ました
まるで眠り姫
あ、眠ってたし姫だから間違ってはいないのか
違うところは王子のキスじゃなくて普通に目覚めたってとこかな
「あうう、ずいぶん寝ていましたがその、迷宮はどうなりました?」
「大丈夫、無事クリアしたよ」
「それは良かったです! あとエコ様には会えました?」
「うん、あ、そのエコ様から伝言があるよ」
「伝言ですか?」
「えっとね、ハクラちゃんにはまだまだ解放できてない力があるから、それを解放して精進すればあの絶桜鬼さんと同じくらい強くなれるみたい」
「なんと! それは本当ですか!?」
「うん、でね、絶桜鬼さんって神様よりも強いらしくて、ハクラちゃんにそこまでの伸びしろを見いだせたから日々努力を続けるようにって言ってたよ」
「うう、なんと嬉しいお言葉。早くお姉ちゃんに報告したいです」
「試練が終わってからね。クロハさんもきっと喜ぶよ」
「はい!」
「目、覚めたかヨ姫! 心配したヨ!」
水汲みから帰って来たルカナさんがハクラちゃんに抱き着いた
「あうう、うう、いい匂いヨ。花の香りヨ。たまんないネ」
ハクラちゃんの胸に顔をうずめて思いっきり息を吸い込んでる
単純にセクハラなのですぐ引きはがしておいた
「ハァハァ、姫、もう動けるのかヨ?」
「ええ、エコ様に言われた通り日々精進です。体を動かしたくてしょうがないんです!」
「汗かいたら私が拭き取ってあげるネ。全身を、くまなく、ハァハァ」
「汗かかないから遠慮しておきます」
その後ここに一週間ほど滞在して、僕らはまた旅立つことになった
次なる目的地は翼人族の国サリーシアで、一度行ったことがあるところだ
あの時はあまり見て回れなかったけど、今回はちょっと見てみようかな?
早く強くならないととは思うけど、息抜きは必要だと思うんだ
ということで僕とハクラちゃんはルカナさんに別れを告げた
「うう、きっとまた来て欲しヨ。精霊様、姫ぇ」
「うんうん、また絶対来るから、ね」
「私もまた来ます。今度はお姉ちゃんたちも一緒に! あ、お姉ちゃんに変なことしちゃだめですよ? 殺されちゃいますから」
「う、それは肝に銘じておくネ」
ルカナさんは最後にハクラちゃんに抱き着いて腋の匂いを思いっきり吸い込んでいた
「ハァハァ、スーーーーー!! ハァハァハァ」
「そういうとこですよ!」
頭をパチンとはたかれてルカナさんは嗅ぐのをやめた
あれ確かにクロハさんにやったら殺されそう
ルカナさんとワスカさん、それにラカンさんに手を振って猿人族の国を後にした
扉をくぐった瞬間そう声がかけられた
逆光でよく見えなかったけど、次第に目が慣れて見えた姿はボーイッシュな顔に一文字の傷がある女の子だった
短めのショートボブにだるそうに開かれた目、Tシャツにかなり際どいホットパンツを履いていて、胸はペタンコ
一見すると少年みたいだけど、一応、本当に一応胸があるから女の子だと分かった
「あのあなたは? ここでエコ様が待ってると聞いたんですけど」
「な!? 目の前にいるである! ミーがエコであるぞ!」
「そ、そうなんですか!? すみません」
「うむ、分かればいいである。さてリディエラ、ハク・・・。何だハクラは気絶してるであるか。無理に起こすこともないであるからして、あとで伝えておいてほしいである」
「分かりました」
「さてリディエラ、恐怖というのは時に人を脅かし使い物にならなくすることがある。しかしながらそれを克服し、おのれのセンサーとしたときはこれほど頼りになるものはないである。突き詰めればこれはおのずと予知の類となり、やがて動きを読むための力となるである。どうだね? 君は何か掴めたと思うかね?」
「分からないですが、でも恐怖がセンサーになるって言うのはよくわかりました。僕は今まで恐怖をただ恐怖として捉えていたんです。でもここで学びました。恐怖というものを感覚として認識し、センサーにする。エコ様が言わんとしていることの糸口がつかめた気がします」
「うむ、それでいいである。要はその感覚を掴んで欲しかったのであるからして、ミーの目的の一つは成せたのである。それとハクラに伝えることを今から言うである。しっかり心に留めて伝えて欲しいである」
「はい」
エコ様は嬉しそうに僕に語って、それでこの試練を終えた
「よしよしである。次は翼人族の国へ行くといいである。ヤコという鳥神が待ってるのである」
「ヤコ様ですか?」
「うむ、奴は真面目な性格であるからして、そこまで変な試練は与えてこないはずである。気負いせず頑張るであるぞ」
「はい!」
エコ様に見送られながら扉をくぐると外に出た
眠っているハクラちゃんをルカナさんが背負ったままルカナさんの家へと戻る
「姫、目覚めないヨ。だいじょぶかヨ?」
「まぁあれだけ魔力を喪失したからね。三日は目が覚めないかも」
「わかたヨ! 私がしっかり面倒見るヨ! 着替えから下の世話まで!」
「いや下の世話はいらないよ。ハクラちゃん精神生命体だからトイレしないよ?」
「だいじょぶヨぐへへ、任せて欲しネ」
「やっぱり僕も一緒に見るから」
この人に任せてたら危険だと思った
悪い人じゃないんだけど、どうにもこう欲望が前面に出すぎてて危ない
見ておかないと何をするかわかったもんじゃない
そう思ってたけど、案外ちゃんとしてた
「冗談ヨ。私だて寝てる娘襲うほど落ちぶれてないネ」
「起きてたら襲うの?」
「了解得たらいただくネ」
「絶対そうしてね」
まぁこれなら安心かな? 真面目にやってくれてるしね
それから三日が経って、ハクラちゃんは目を覚ました
まるで眠り姫
あ、眠ってたし姫だから間違ってはいないのか
違うところは王子のキスじゃなくて普通に目覚めたってとこかな
「あうう、ずいぶん寝ていましたがその、迷宮はどうなりました?」
「大丈夫、無事クリアしたよ」
「それは良かったです! あとエコ様には会えました?」
「うん、あ、そのエコ様から伝言があるよ」
「伝言ですか?」
「えっとね、ハクラちゃんにはまだまだ解放できてない力があるから、それを解放して精進すればあの絶桜鬼さんと同じくらい強くなれるみたい」
「なんと! それは本当ですか!?」
「うん、でね、絶桜鬼さんって神様よりも強いらしくて、ハクラちゃんにそこまでの伸びしろを見いだせたから日々努力を続けるようにって言ってたよ」
「うう、なんと嬉しいお言葉。早くお姉ちゃんに報告したいです」
「試練が終わってからね。クロハさんもきっと喜ぶよ」
「はい!」
「目、覚めたかヨ姫! 心配したヨ!」
水汲みから帰って来たルカナさんがハクラちゃんに抱き着いた
「あうう、うう、いい匂いヨ。花の香りヨ。たまんないネ」
ハクラちゃんの胸に顔をうずめて思いっきり息を吸い込んでる
単純にセクハラなのですぐ引きはがしておいた
「ハァハァ、姫、もう動けるのかヨ?」
「ええ、エコ様に言われた通り日々精進です。体を動かしたくてしょうがないんです!」
「汗かいたら私が拭き取ってあげるネ。全身を、くまなく、ハァハァ」
「汗かかないから遠慮しておきます」
その後ここに一週間ほど滞在して、僕らはまた旅立つことになった
次なる目的地は翼人族の国サリーシアで、一度行ったことがあるところだ
あの時はあまり見て回れなかったけど、今回はちょっと見てみようかな?
早く強くならないととは思うけど、息抜きは必要だと思うんだ
ということで僕とハクラちゃんはルカナさんに別れを告げた
「うう、きっとまた来て欲しヨ。精霊様、姫ぇ」
「うんうん、また絶対来るから、ね」
「私もまた来ます。今度はお姉ちゃんたちも一緒に! あ、お姉ちゃんに変なことしちゃだめですよ? 殺されちゃいますから」
「う、それは肝に銘じておくネ」
ルカナさんは最後にハクラちゃんに抱き着いて腋の匂いを思いっきり吸い込んでいた
「ハァハァ、スーーーーー!! ハァハァハァ」
「そういうとこですよ!」
頭をパチンとはたかれてルカナさんは嗅ぐのをやめた
あれ確かにクロハさんにやったら殺されそう
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