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桃源郷17
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第十四階層
長い、この迷宮結構長いよ
本来はここまで長いものじゃないらしいんだけど、ニャコ様の力で他世界とつながっているため長く感じるんだと思う
それにこの十四階層もやっぱり他世界と繋がってるのか、辺りはうっそうとした茂みに覆われていてあまり前が見えない
あとところどころから視線を感じるんだよね
多分この世界の住人だと思うんだけど、敵意はまだ感じない。警戒しているみたいだけどね
「あ、精霊様、住人がこちらに来たようです。あら可愛い」
「わぁ、小っちゃーい、小人族かな?」
こちらに視線を向けていた正体、そこにいた住人は恐らくコロポックル族だと思う
雪を少し操ることができる精霊に近い種族で、その大きさは手のひらくらいで可愛い
彼らは僕達を囲むと何やら歓迎してくれているみたいだ
ちっちゃな体で一所懸命に喜びを表現してくれてる
「精霊様だぁ! すごーい」
「おっきい、こっちの人間もおっきいよー。あれ? でもこの人人間?」
「ちがーう、人間じゃないー」
「人間みたいなのに人間じゃなーい、ふっしぎー」
僕はコロポックル達に挨拶してみた
「こんにちは。僕はリディエラ、こっちはマコさんで、仙人だよ」
「わーい、精霊様ー!」
「仙人!? ホントにいたんだー」
「人間が進化したって言うー? すっごーい」
コロポックル達はわらわらと僕達に群がってきてじゃれてる
やばい、可愛い、キュン死しそう
「精霊様ー、私達困ってるー」
「精霊様ー、僕らを助けてー」
突然コロポックル達は泣きそうな顔でそう言った
そう言えば、彼らの中には何人か怪我をしている者もいる。一体何があったんだろう?
「僕らずっと平和だったー」
「だけどちょっと前からおっきな獣が自然壊し始めたのー」
「だからあたしたちー必死で抵抗したー」
「でも勝てないー。あいつらは強いー」
「わたちたち、住処追われたー。故郷帰れないー」
「クスンクスン、お願い精霊様ー、私たちの故郷、取り戻してー」
みんな泣きながら訴えかけてくる
これは放っておけないってことで、早速彼らの案内でその故郷へ行ってみることにした
そこは徒歩で三十分ほどの距離にあった
広い広い湖と水連畑。そこにあったはずの彼らの故郷は大きな重機で踏み荒らされ、見るも無残な光景になっていた
「これは、酷いです。自然を何だと思っているのでしょう!」
「うん、この光景は・・・」
前世でもこういったことは問題視されていたらしい。人が住む領域を増やすために自然を壊し、生態系を破壊していく
これは、難しい問題だ
いくらこの土地を人間から取り返したとしても、また別の人間が来るかもしれない。どうすればいいのかな?
しばらく考えて、一つ思いついた
「そうだ! 僕らの世界にこの子たちを連れて帰ればいいんだ! たしかコロボックル族ってあの世界にもよね?」
「はい、人間族と仲良く暮らしているようですよ」
「それなら、どうかな? 僕らと一緒に来ない? 元のここと同じで素晴らしい自然が広がってるよ? 人間族も君たちを守ってくれるし」
そう聞くと、彼らは少し考えて顔を輝かせた
「ほんとー? 行ってもいいのー?」
「わーい、精霊様と一緒だー」
「人間って怖くないー?」
「守ってくれるー?」
「大丈夫だよ、僕の世界の人間族は自然と共存できてるから、君たちと同じコロポックル族ともすごく仲が良いんだ」
「やったー! 行きたいー」
「行きたい行きたいー!」
「連れてってー精霊様ー!」
「僕ら精霊様と一緒に行くー!」
うんうん、こうして頼られるのも悪くないね。可愛い
僕は彼らを迷宮の外にメッセージカードを持たせて転移させた
ちゃんと転移できるかな?って心配はあったけど、なんだかニャコ様の力が作用したらしくて、迷宮の外にいたテュネから念話で連絡があったよ
彼女がしっかりとこの世界のコロポックル族の元へ連れて行ってくれたみたい
そうそう、彼らはこの世界に来たとたん雪の力がものすごく強くなったみたいで混乱してたんだけど、テュネが雪の精霊セツを呼んでその扱い方を教えるってことで落ち着いた
そっか、この世界って、精霊が少ないんだ。いや、というよりこれは、絶滅しちゃってるのかも
精霊の気配を全く感じない
もしかしたら世界中探せばどこかに隠れているのかもしれないけど、すでに次の階層への扉が開いているので先に進まないといけない
もし精霊がいなくなれば、この世界もやがて衰退して消えちゃう
ここまで自然を壊したんだ、当然そのつけは回ってくる
悲しいけど、その世界はその世界の人達で回さないといけないんだ
長い、この迷宮結構長いよ
本来はここまで長いものじゃないらしいんだけど、ニャコ様の力で他世界とつながっているため長く感じるんだと思う
それにこの十四階層もやっぱり他世界と繋がってるのか、辺りはうっそうとした茂みに覆われていてあまり前が見えない
あとところどころから視線を感じるんだよね
多分この世界の住人だと思うんだけど、敵意はまだ感じない。警戒しているみたいだけどね
「あ、精霊様、住人がこちらに来たようです。あら可愛い」
「わぁ、小っちゃーい、小人族かな?」
こちらに視線を向けていた正体、そこにいた住人は恐らくコロポックル族だと思う
雪を少し操ることができる精霊に近い種族で、その大きさは手のひらくらいで可愛い
彼らは僕達を囲むと何やら歓迎してくれているみたいだ
ちっちゃな体で一所懸命に喜びを表現してくれてる
「精霊様だぁ! すごーい」
「おっきい、こっちの人間もおっきいよー。あれ? でもこの人人間?」
「ちがーう、人間じゃないー」
「人間みたいなのに人間じゃなーい、ふっしぎー」
僕はコロポックル達に挨拶してみた
「こんにちは。僕はリディエラ、こっちはマコさんで、仙人だよ」
「わーい、精霊様ー!」
「仙人!? ホントにいたんだー」
「人間が進化したって言うー? すっごーい」
コロポックル達はわらわらと僕達に群がってきてじゃれてる
やばい、可愛い、キュン死しそう
「精霊様ー、私達困ってるー」
「精霊様ー、僕らを助けてー」
突然コロポックル達は泣きそうな顔でそう言った
そう言えば、彼らの中には何人か怪我をしている者もいる。一体何があったんだろう?
「僕らずっと平和だったー」
「だけどちょっと前からおっきな獣が自然壊し始めたのー」
「だからあたしたちー必死で抵抗したー」
「でも勝てないー。あいつらは強いー」
「わたちたち、住処追われたー。故郷帰れないー」
「クスンクスン、お願い精霊様ー、私たちの故郷、取り戻してー」
みんな泣きながら訴えかけてくる
これは放っておけないってことで、早速彼らの案内でその故郷へ行ってみることにした
そこは徒歩で三十分ほどの距離にあった
広い広い湖と水連畑。そこにあったはずの彼らの故郷は大きな重機で踏み荒らされ、見るも無残な光景になっていた
「これは、酷いです。自然を何だと思っているのでしょう!」
「うん、この光景は・・・」
前世でもこういったことは問題視されていたらしい。人が住む領域を増やすために自然を壊し、生態系を破壊していく
これは、難しい問題だ
いくらこの土地を人間から取り返したとしても、また別の人間が来るかもしれない。どうすればいいのかな?
しばらく考えて、一つ思いついた
「そうだ! 僕らの世界にこの子たちを連れて帰ればいいんだ! たしかコロボックル族ってあの世界にもよね?」
「はい、人間族と仲良く暮らしているようですよ」
「それなら、どうかな? 僕らと一緒に来ない? 元のここと同じで素晴らしい自然が広がってるよ? 人間族も君たちを守ってくれるし」
そう聞くと、彼らは少し考えて顔を輝かせた
「ほんとー? 行ってもいいのー?」
「わーい、精霊様と一緒だー」
「人間って怖くないー?」
「守ってくれるー?」
「大丈夫だよ、僕の世界の人間族は自然と共存できてるから、君たちと同じコロポックル族ともすごく仲が良いんだ」
「やったー! 行きたいー」
「行きたい行きたいー!」
「連れてってー精霊様ー!」
「僕ら精霊様と一緒に行くー!」
うんうん、こうして頼られるのも悪くないね。可愛い
僕は彼らを迷宮の外にメッセージカードを持たせて転移させた
ちゃんと転移できるかな?って心配はあったけど、なんだかニャコ様の力が作用したらしくて、迷宮の外にいたテュネから念話で連絡があったよ
彼女がしっかりとこの世界のコロポックル族の元へ連れて行ってくれたみたい
そうそう、彼らはこの世界に来たとたん雪の力がものすごく強くなったみたいで混乱してたんだけど、テュネが雪の精霊セツを呼んでその扱い方を教えるってことで落ち着いた
そっか、この世界って、精霊が少ないんだ。いや、というよりこれは、絶滅しちゃってるのかも
精霊の気配を全く感じない
もしかしたら世界中探せばどこかに隠れているのかもしれないけど、すでに次の階層への扉が開いているので先に進まないといけない
もし精霊がいなくなれば、この世界もやがて衰退して消えちゃう
ここまで自然を壊したんだ、当然そのつけは回ってくる
悲しいけど、その世界はその世界の人達で回さないといけないんだ
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