320 / 1,022
竜人族の国21
しおりを挟む
腹ごしらえも済んだから食後の運動がてら火山口を見に行くことにした
城とは反対にある火山口は火花散る溶岩の様子が確認できるみたいで、人気の観光名所
ときたまマグマドラゴンという溶岩に住むドラゴンが見れるのが人気の秘訣かな
このマグマドラゴンは体にマグマを纏っていて、溶岩を食料にしている
もちろん竜人の王であるゴトラさんの言うことを聞く気のいい竜たちだから観光客へのアピールも激しいらしい
ようするに目立ちたがり屋だね
「今日はマグマが溢れてるからかなり近くで見えるみたいだよ。あとマグマドラゴンが活発で曲芸みたいなことも披露してるって」
火山口入り口で配られていたパンフレットに本日の予定としてそう書かれていた
目立ちたがり屋な面はここでもいかんなく発揮されているようで、パンフレット一面におちゃめで可愛らしく、マスコットのようなゆるキャラのように描かれたマグマドラゴンが乗っていた
実物はこんなに可愛くはない、とは思うけど、曲芸は楽しそうだね
どんな曲芸を見せてくれるんだろう?
サーカスを見に行くかのようなウキウキ気分で火山口へと走った
「まあまあリディエラ様、子供らしくて可愛いですね」
ハッ!
ついついはしゃいでしまった
テュネを筆頭に僕を微笑ましく見ている精霊達
その後ろで同じような目を向けて来る冒険者や旅行客
は、恥ずかしい!
視線から逃れるように走って火山口の入り口に入った
入場料はいらなくて、溶岩石を一人最低一個は買うシステムになっている
これをマグマドラゴンにあげるんだけど、要するに彼らのおやつってことだ
「あの、リディエラ様、私も少しマグマに浸かりに行ってもいいでしょうか? 久しぶりに火山やマグマの精霊達とも語らいたいですし」
「うん、でもそれならちゃんと管理人さんの許可は取っておかないとね。ちょっと聞いてくるね」
エンシュは火の精霊だから他の火を司っている精霊達にとってはお姉さんみたいな存在なんだ
だからこそ時には対話して親ぼくを深めておくことも大切なんだね
「ああ、精霊様なら問題ないですよ。むしろ入ってほしいほどですハハハハハ」
管理人である竜人のおじさんはそう言って笑った
精霊がその土地に影響のあることを行えば加護が宿る
もちろんエンシュのこの行為も加護が発生するから、その土地に住む人々にとっては願ったりかなったりの要望なのだ
快くオッケーしてくれたからエンシュはすぐにその場で裸に「ってエンシュ! まわり! 人! 脱いじゃだめ!」
あまりの脱ぐスピードの速さに慌てたけど、僕が一瞬で展開した光魔法ですぐに隠せた
危ない危ない、危うく世界的ニュースになるところだったよ
火の精霊様の生まれたままの姿!ってなことになったら目も当てられない
写真はないけど、最近開発されたビジョンって言う魔法が厄介で、その魔法は映像を録画してテレビのような効果を発揮するからね
全くもう、四大精霊は裸くらい見られてもいいと思う傾向にあるから油断できない
特にフーレン!
ポーッと口を開けてその一部始終を見ていたけど、君が一番危ないんだからね!
「申し訳ありません、少し先走りすぎました。これならどうでしょう?」
エンシュが炎を水着のように体にまとわせて大事な部分を覆った
「うん、それなら大丈夫だね。気を付けて行ってらっしゃい」
「はい!」
エンシュは一気に火口まで飛ぶとマグマの中に飛び込んだ
途端に火柱が建って、そこからたくさんの火に関する精霊達が飛び出してきてエンシュの周りを囲んだ
「エンシュ姉様!」
「お姉さま!」
「ねーちゃん!」
と、十人十色な呼び方で火精霊達がエンシュの訪れを大歓迎していた
彼女たちは別にこの火山に住んでいるわけじゃない
別の火山だったり、炎の中だったり、暖炉だったりと様々な場所から火を辿って来たんだ
火のある場所から別の火のある場所まで転移できるのが火精霊たちの便利なところ
というかそれは水精霊も土精霊も風精霊も同じで、水のある場所、土のある場所、風のある場所ならどこにでも行けるんだ
同じように実は僕も光のある場所ならどこにでも行けるんだよね
まあ旅行は歩く派の僕としてはそれは無粋というものだよ
それに歩けば景色も目に入るし、たまに空も飛ぶけどそれはそれでいいものだ
火精霊達の思わぬ出現に火口付近にいた観光客たちの声援が上がる
それを見てマグマドラゴン達は口を開けて曲芸の手を止めていた
火精霊達の美しさに見惚れているみたいだね
「あ、でもこれじゃあマグマドラゴンの曲芸が見れない。まあエンシュが楽しそうだからいっか」
エンシュは本当に楽し気に妹たちと語らっている
これを見れただけでもよかった
エンシュが満足したところでこちらに戻ってくるとすぐに服を作り出して着ていた
笑顔のエンシュに僕も満足かな
あとはじっくり火口を見てマグマのその生命力あふれる様子を観察した
流動する赤い炎の塊に僕も元気をもらったよ
帰りがけにマグマキャンディという真っ赤なぺろぺろキャンディを買った
これがまた甘くておいしかったんだけど、不思議なのがあったかかったこと
出来立てなのかと思ったけど、どうやら保温の魔法がかかってたみたい
あ、僕がペロペロキャンディなんて持って歩いてたら完全に子供じゃないか。と思って周りを見ると大人も結構ぺろぺろ舐めてから問題ないか
城とは反対にある火山口は火花散る溶岩の様子が確認できるみたいで、人気の観光名所
ときたまマグマドラゴンという溶岩に住むドラゴンが見れるのが人気の秘訣かな
このマグマドラゴンは体にマグマを纏っていて、溶岩を食料にしている
もちろん竜人の王であるゴトラさんの言うことを聞く気のいい竜たちだから観光客へのアピールも激しいらしい
ようするに目立ちたがり屋だね
「今日はマグマが溢れてるからかなり近くで見えるみたいだよ。あとマグマドラゴンが活発で曲芸みたいなことも披露してるって」
火山口入り口で配られていたパンフレットに本日の予定としてそう書かれていた
目立ちたがり屋な面はここでもいかんなく発揮されているようで、パンフレット一面におちゃめで可愛らしく、マスコットのようなゆるキャラのように描かれたマグマドラゴンが乗っていた
実物はこんなに可愛くはない、とは思うけど、曲芸は楽しそうだね
どんな曲芸を見せてくれるんだろう?
サーカスを見に行くかのようなウキウキ気分で火山口へと走った
「まあまあリディエラ様、子供らしくて可愛いですね」
ハッ!
ついついはしゃいでしまった
テュネを筆頭に僕を微笑ましく見ている精霊達
その後ろで同じような目を向けて来る冒険者や旅行客
は、恥ずかしい!
視線から逃れるように走って火山口の入り口に入った
入場料はいらなくて、溶岩石を一人最低一個は買うシステムになっている
これをマグマドラゴンにあげるんだけど、要するに彼らのおやつってことだ
「あの、リディエラ様、私も少しマグマに浸かりに行ってもいいでしょうか? 久しぶりに火山やマグマの精霊達とも語らいたいですし」
「うん、でもそれならちゃんと管理人さんの許可は取っておかないとね。ちょっと聞いてくるね」
エンシュは火の精霊だから他の火を司っている精霊達にとってはお姉さんみたいな存在なんだ
だからこそ時には対話して親ぼくを深めておくことも大切なんだね
「ああ、精霊様なら問題ないですよ。むしろ入ってほしいほどですハハハハハ」
管理人である竜人のおじさんはそう言って笑った
精霊がその土地に影響のあることを行えば加護が宿る
もちろんエンシュのこの行為も加護が発生するから、その土地に住む人々にとっては願ったりかなったりの要望なのだ
快くオッケーしてくれたからエンシュはすぐにその場で裸に「ってエンシュ! まわり! 人! 脱いじゃだめ!」
あまりの脱ぐスピードの速さに慌てたけど、僕が一瞬で展開した光魔法ですぐに隠せた
危ない危ない、危うく世界的ニュースになるところだったよ
火の精霊様の生まれたままの姿!ってなことになったら目も当てられない
写真はないけど、最近開発されたビジョンって言う魔法が厄介で、その魔法は映像を録画してテレビのような効果を発揮するからね
全くもう、四大精霊は裸くらい見られてもいいと思う傾向にあるから油断できない
特にフーレン!
ポーッと口を開けてその一部始終を見ていたけど、君が一番危ないんだからね!
「申し訳ありません、少し先走りすぎました。これならどうでしょう?」
エンシュが炎を水着のように体にまとわせて大事な部分を覆った
「うん、それなら大丈夫だね。気を付けて行ってらっしゃい」
「はい!」
エンシュは一気に火口まで飛ぶとマグマの中に飛び込んだ
途端に火柱が建って、そこからたくさんの火に関する精霊達が飛び出してきてエンシュの周りを囲んだ
「エンシュ姉様!」
「お姉さま!」
「ねーちゃん!」
と、十人十色な呼び方で火精霊達がエンシュの訪れを大歓迎していた
彼女たちは別にこの火山に住んでいるわけじゃない
別の火山だったり、炎の中だったり、暖炉だったりと様々な場所から火を辿って来たんだ
火のある場所から別の火のある場所まで転移できるのが火精霊たちの便利なところ
というかそれは水精霊も土精霊も風精霊も同じで、水のある場所、土のある場所、風のある場所ならどこにでも行けるんだ
同じように実は僕も光のある場所ならどこにでも行けるんだよね
まあ旅行は歩く派の僕としてはそれは無粋というものだよ
それに歩けば景色も目に入るし、たまに空も飛ぶけどそれはそれでいいものだ
火精霊達の思わぬ出現に火口付近にいた観光客たちの声援が上がる
それを見てマグマドラゴン達は口を開けて曲芸の手を止めていた
火精霊達の美しさに見惚れているみたいだね
「あ、でもこれじゃあマグマドラゴンの曲芸が見れない。まあエンシュが楽しそうだからいっか」
エンシュは本当に楽し気に妹たちと語らっている
これを見れただけでもよかった
エンシュが満足したところでこちらに戻ってくるとすぐに服を作り出して着ていた
笑顔のエンシュに僕も満足かな
あとはじっくり火口を見てマグマのその生命力あふれる様子を観察した
流動する赤い炎の塊に僕も元気をもらったよ
帰りがけにマグマキャンディという真っ赤なぺろぺろキャンディを買った
これがまた甘くておいしかったんだけど、不思議なのがあったかかったこと
出来立てなのかと思ったけど、どうやら保温の魔法がかかってたみたい
あ、僕がペロペロキャンディなんて持って歩いてたら完全に子供じゃないか。と思って周りを見ると大人も結構ぺろぺろ舐めてから問題ないか
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
収納持ちのコレクターは、仲間と幸せに暮らしたい。~スキルがなくて追放された自称「か弱い女の子」の元辺境伯令嬢。実は無自覚チートで世界最強⁉~
SHEILA
ファンタジー
生まれた時から、両親に嫌われていた。
物心ついた時には、毎日両親から暴力を受けていた。
4年後に生まれた妹は、生まれた時から、両親に可愛がられた。
そして、物心ついた妹からも、虐めや暴力を受けるようになった。
現代日本では考えられないような環境で育った私は、ある日妹に殺され、<選択の間>に呼ばれた。
異世界の創造神に、地球の輪廻の輪に戻るか異世界に転生するかを選べると言われ、迷わず転生することを選んだ。
けれど、転生先でも両親に愛されることはなくて……
お読みいただきありがとうございます。
のんびり不定期更新です。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる