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三柱の姉妹1
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プリシラ、サニア、ルニアの三柱はイレギュラーメルカと呼ばれる少女を探すため、世界を渡る旅を始めた
サニアとルニアの姉妹はともかく、プリシラとこの姉妹はあまり話したことがない
最近神々の末席として加わった三柱だからである
「イレギュラーメルカだっけ? 私、何か聞き覚えあるのよね。原初ってのもね」
「ルニアも? 私もなんだか、懐かしいような感じがするの」
双子は思い出そうと必死で考えるが、全く思い出せない
それもそのはずで、双子は自分たちが神となる前の記憶をほとんど失っていたからだ
かつて起こった大規模な戦闘。その主要で活躍したのがこの双子で、その時の傷が元となっての記憶喪失
覚えているのはその時共にいた仲間のことと自分たちの父親と三人の母のことだけ
「ねーねー、あなた達ってどうやって生まれたの?」
お互いのことをまだ知らないプリシラと双子、この三柱は他の神々と違い特異な生まれかたをしていた
プリシラは元々下位世界の創造主から生まれた。しかしその力の強さは上位の神々に匹敵する
救済の女神メシアに見いだされて上位の神々の末妹として迎えられたのだ
一方双子の方は大神によって生み出された正真正銘上位の神々の兄妹なのだが、彼女たちは人間から生まれている
生まれたばかりのころは人として生きていたため力はなかったが、数十年前のある戦いによってその力を覚醒し、神と成った
生まれは思い出せるが、その戦いのことをほとんど覚えていない双子はプリシラにどう説明していいのか分からなかった
仕方ないので生まれのみを話したのだが、プリシラは全てを理解していた
「私だってあの戦いの中にいたもの。色々話を聞いてれば大体の予想はつくわ」というのがプリシラの意見だった
しばらく同じ年頃の女の子同士で他愛のない話で盛り上がり、すっかり意気投合した三柱は姉妹として手を取り合い、イレギュラーメルカを探し出す意思を固めた
今三柱はサニアの力でイレギュラーメルカの気配を辿っている
異質異様な力を持つメルカの痕跡はすぐにわかるのだが、彼女の力が強すぎるためなのか、正確な場所を割り出すことができない
「仕方ないよ。とにかく痕跡を辿って探すしかないよ」
サニアは痕跡が分かりやすいよう二人に視認できるよう力を与えた
能力の女神である彼女は様々な神々の力を使える上にその力を貸し与えることもできる
「これで見えますか?」
「うん、はっきりと。足跡?」
「足跡になってるのは分かりやすくするためです。過去視でその行動を見ることもできますよ」
サニアに与えられた力でそれぞれがその場で過去に何があったかを視る
映し出されるのはメルカと思われる少女が誰かと楽し気に話している様子
大神すらしのぐ力を持つ少女とは思えないほど普通の女の子にしか見えず、神々は危険視している理由が分からないと思えるほどだ
「なぜ、この子はこんなにも神々に警戒されているのでしょう? 封印までされて」
「分かんないけど、確か原初って全ての始まりって言われてる人よね? その娘ってことはそれこそ全世界を滅ぼすほどの力を持ってるってことじゃないの? もしその力を気まぐれにでも使われたとしたら」
「そっか、確かにそうなるとなすすべがないかも。おとなしい今のうちに再び封印した方が」
プリシラとルニアの意見はおおむね一致しているが、サニアの考えは違った
力の使い方を誤りそうなら教えればいいのではないか?
彼女を受け入れてむしろ世界を守る側に付いてもらえばいいのではないか?
見たところ彼女は普通の人間と変わらない心を持っている
この世界の住人と思われる人々と話す彼女からはまったく悪意というものが感じられなかった
「ラシュア兄様は何と?」
「取りあえず連れてきてほしいって言われた。どうなるかは分かんないけど、原初って確かもう亡くなってるんだよね?」
メルカの母である原初はサニアたちが巻き込まれた戦火の中、世界の維持のため自らを犠牲にして全てを守った
彼女の最後の言葉は「娘に全てを託します」だった。つまり原初の力は全て娘に受け継がれているということだ
「あ、移動したみたい」
過去視の中のメルカは談笑を終えて歩き出す。その際サニアの方を見て微笑み、口元を動かしている
「また会おうね」
そう読み取れた。サニアにだけわかるようにしてあるのか、他の二柱は何も言わない
「取りあえず彼女を追いましょう。会ってみて、見極める必要がありそうです」
「お姉ちゃん、何か気になることでもあったの?」
「少し、ね。でも確証はないから何とも言えないかな」
ひとまず彼女は世界を移動したことが明らかになったため再び別世界へと三柱も移動する
サニアは一人メルカについて考える
彼女を見つけたとき、自分はどうすればいいのだろうか?
また会おうねとはどういうことなのだろうか?
考えは巡るが答えは見つからない
今はただ、メルカを追いかけることに集中しようと考えた
サニアとルニアの姉妹はともかく、プリシラとこの姉妹はあまり話したことがない
最近神々の末席として加わった三柱だからである
「イレギュラーメルカだっけ? 私、何か聞き覚えあるのよね。原初ってのもね」
「ルニアも? 私もなんだか、懐かしいような感じがするの」
双子は思い出そうと必死で考えるが、全く思い出せない
それもそのはずで、双子は自分たちが神となる前の記憶をほとんど失っていたからだ
かつて起こった大規模な戦闘。その主要で活躍したのがこの双子で、その時の傷が元となっての記憶喪失
覚えているのはその時共にいた仲間のことと自分たちの父親と三人の母のことだけ
「ねーねー、あなた達ってどうやって生まれたの?」
お互いのことをまだ知らないプリシラと双子、この三柱は他の神々と違い特異な生まれかたをしていた
プリシラは元々下位世界の創造主から生まれた。しかしその力の強さは上位の神々に匹敵する
救済の女神メシアに見いだされて上位の神々の末妹として迎えられたのだ
一方双子の方は大神によって生み出された正真正銘上位の神々の兄妹なのだが、彼女たちは人間から生まれている
生まれたばかりのころは人として生きていたため力はなかったが、数十年前のある戦いによってその力を覚醒し、神と成った
生まれは思い出せるが、その戦いのことをほとんど覚えていない双子はプリシラにどう説明していいのか分からなかった
仕方ないので生まれのみを話したのだが、プリシラは全てを理解していた
「私だってあの戦いの中にいたもの。色々話を聞いてれば大体の予想はつくわ」というのがプリシラの意見だった
しばらく同じ年頃の女の子同士で他愛のない話で盛り上がり、すっかり意気投合した三柱は姉妹として手を取り合い、イレギュラーメルカを探し出す意思を固めた
今三柱はサニアの力でイレギュラーメルカの気配を辿っている
異質異様な力を持つメルカの痕跡はすぐにわかるのだが、彼女の力が強すぎるためなのか、正確な場所を割り出すことができない
「仕方ないよ。とにかく痕跡を辿って探すしかないよ」
サニアは痕跡が分かりやすいよう二人に視認できるよう力を与えた
能力の女神である彼女は様々な神々の力を使える上にその力を貸し与えることもできる
「これで見えますか?」
「うん、はっきりと。足跡?」
「足跡になってるのは分かりやすくするためです。過去視でその行動を見ることもできますよ」
サニアに与えられた力でそれぞれがその場で過去に何があったかを視る
映し出されるのはメルカと思われる少女が誰かと楽し気に話している様子
大神すらしのぐ力を持つ少女とは思えないほど普通の女の子にしか見えず、神々は危険視している理由が分からないと思えるほどだ
「なぜ、この子はこんなにも神々に警戒されているのでしょう? 封印までされて」
「分かんないけど、確か原初って全ての始まりって言われてる人よね? その娘ってことはそれこそ全世界を滅ぼすほどの力を持ってるってことじゃないの? もしその力を気まぐれにでも使われたとしたら」
「そっか、確かにそうなるとなすすべがないかも。おとなしい今のうちに再び封印した方が」
プリシラとルニアの意見はおおむね一致しているが、サニアの考えは違った
力の使い方を誤りそうなら教えればいいのではないか?
彼女を受け入れてむしろ世界を守る側に付いてもらえばいいのではないか?
見たところ彼女は普通の人間と変わらない心を持っている
この世界の住人と思われる人々と話す彼女からはまったく悪意というものが感じられなかった
「ラシュア兄様は何と?」
「取りあえず連れてきてほしいって言われた。どうなるかは分かんないけど、原初って確かもう亡くなってるんだよね?」
メルカの母である原初はサニアたちが巻き込まれた戦火の中、世界の維持のため自らを犠牲にして全てを守った
彼女の最後の言葉は「娘に全てを託します」だった。つまり原初の力は全て娘に受け継がれているということだ
「あ、移動したみたい」
過去視の中のメルカは談笑を終えて歩き出す。その際サニアの方を見て微笑み、口元を動かしている
「また会おうね」
そう読み取れた。サニアにだけわかるようにしてあるのか、他の二柱は何も言わない
「取りあえず彼女を追いましょう。会ってみて、見極める必要がありそうです」
「お姉ちゃん、何か気になることでもあったの?」
「少し、ね。でも確証はないから何とも言えないかな」
ひとまず彼女は世界を移動したことが明らかになったため再び別世界へと三柱も移動する
サニアは一人メルカについて考える
彼女を見つけたとき、自分はどうすればいいのだろうか?
また会おうねとはどういうことなのだろうか?
考えは巡るが答えは見つからない
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